窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「いだてん〜東京オリムピック噺〜」第一回「夜明け前」

出演

スタッフ

概要

1959年(昭和34年)、日本に東京オリンピックを誘致しようと必死になっている人たちがいた。そして時代を遡って1909年(明治42年)――

嘉納治五郎は日本人初のIOCのメンバーだそうである。フランスから、オリンピックを白人だけのものではなく、世界のものとするためにアジア人も参加させたい、まずは日本の参加を、と嘉納に話があった。当時の日本はオリンピックどころか、スポーツという概念すらなかった(「体育」という言葉はあったが)。オリンピックの主旨もなかなか周囲の理解を得られず、仮に参加するとしても、世界の舞台で闘えるような運動選手はいないだろうと言われ、嘉納は選手の発掘のため、オリンピック予選のための競技大会を開催することにした。

ラソンではリタイア続出で、ほらみろと言われかけたが、優勝した選手はなんと当時の世界記録を30分近くも上回るタイムを叩き出した。その人の名は金栗四三。ゴールを過ぎて倒れた金栗を、嘉納は「いだてんだ、いだてんがいたぞ!」と抱きしめる。

雑感

大勢の有名俳優が次々と登場するが、関係がよくわからず。ネットの感想などを見ると、このワーッと見せる初回は典型的な宮藤官九郎節らしく、好みの分かれるところだとか。

道家としての嘉納治五郎はよく知っているが、オリンピックに功績のあった人とは知らなかった。金栗四三という名も初耳。これまでの大河ドラマは、主要な登場人物は知っている人だったので、話にすぐ入り込んでいけたが、知らない人ばかりだと、こんなものか。つまらなくはないが、特別感動もしなかった。次回も見ると思うけど。
(2019/1/26 記)

「アナと雪の女王」「アナと雪の女王/家族の思い出」(地上波放映)

1月3日、「アナと雪の女王」が地上波で放映された。

常々、地上波放映は(時間の制約から)あちこちカットされて原作に対する冒涜だとか、いちいちCMで切れるのがうっとうしいとか、テレビで見ても映画を観たことにはならないだとか言い放ってきたが、そしてそれはその通りだと思うが、放映されたとなれば見たくなる。ちょっと前半の思い出のシーンをと思ったが結局最後まで見てしまった。

冒頭で、アレンデールの国に電車が走っている風景が映る。これは気づかなかった。アレンデールは、少なくとも鉄道が敷かれている程度には文明国なのだ。自動車はないようだが。

アナと雪の女王/家族の思い出」は二作目のスピンオフで初見。内容的には可もなく不可もなくといったところ。

下世話な話だが、出演者のイディナ・メンゼルやクリスティン・ベル、吹き替えの松たか子や神田沙也加は、この短いスピンオフ作品でいくらくらいのギャラをもらっているのだろう。本編の歴史的な大ヒットに見合う報酬が、ちゃんと支払われていると良いと思う。

NHK「家康、江戸を建てる」後編〜金貨の町〜(NHK)

出演

雑感

  • 貨幣の流通に関する話。このような話は聞いたことがなかったため、前日に引き続き大変興味深かった。
  • ただしドラマとしては、詰めが甘いというか、疑問に感じる箇所があちこちあり、前編ほどではなかったな、というのが率直な感想。
    • ラス前の早紀と庄三郎のやりとりのシーンが長過ぎる。早紀が、嫁に行ったあとも庄三郎からの手紙を大事に持っていたことがわかっただけで十分。その手紙を最初から最後まで読み下す必要があったかどうか。
    • 早紀から手紙の返事がしばらく来なかったが、再び来るようになって喜ぶ庄三郎。だが、それは落ち込む庄三郎に胸を痛めた栗が、勝手に書いたものだった。……文字を見れば別人が書いたものであることは一目瞭然だと思うのだが。
    • 駿府で太閤殿下が作らせた金貨が出回ったとの報が江戸に届き、先を越されてはすべてが水の泡になるため激怒した家康が、庄三郎に、与一郎が漏らしたのではないかと問いただし、責任を取って切腹を申し付ける。この時、庄三郎は問題の金貨を見せ、こんな粗悪な貨幣は広まらないと訴えるのだが、なぜこんなに都合よく庄三郎は金貨を入手できたのか。などなど。

俳優

  • 伊原六花の名前には覚えがあるが、顔はわからないなあと思ったら、府立登美丘高等学校のダンス部のキャプテンだった子かあ。

(2019/1/6 記)

NHK「家康、江戸を建てる」前編〜水を制す〜(NHK)

出演

スタッフ

雑感

  • 非常に面白かった。自分はかねがね、歴史の授業で戦国時代を取り上げる際に、各戦国大名の領有支配についてもう少しきちんと説明がなされてしかるべきだと思っているが、軍事と外交ばかり。これは多くの歴史ドラマでも同様だが、本作は家康の治水灌漑という政策をまともに取り上げた。
  • 大久保長安伊奈忠次なんて名前は知らなかったなあ。井伊直政今井朋彦で笑ってしまった。しかし、なぜここに酒井忠次がいないのだろうか?【追記】酒井忠次は1588年に隠居し家督を家次に譲っている。徳川の江戸入りの時点では京都に住んでいたが、眼病のためほとんど目が見えなかった。(2023-10-02)
  • 大久保藤五郎は、この事業は自分一人に任せてほしいと家康に頼み込む。しかし、このようなおおがかりな工事は、とても一人や二人で何とかなるようなものではなかろう。途中、優香が作業員に握り飯を振る舞うシーンがあったが、女一人で(娘も手伝ったかも知れないが)作れる握り飯でまかなえる程度の人数で作業をしていたら、何年かけても終わるはずがない。大勢の人足を投入し、その食事の用意、衣服の支給、宿泊所の手配、娯楽の提供なども含め、数百人、あるいは千人を超える人手を動かす仕事であり、膨大なお金が動く。相当な力のある大大名が担当しなければ全うできるとは思えず、その意味で大久保長安がやりたがったのはあながち間違いではない、と思う(妨害工作は、いただけないが)。
  • 家康もいろいろと考えているようで、長安が藤五郎を家康に会せないように画策していることがわからず、「合わせる顔がないとのことです」という説明を真に受け、「会いたいのう」などと言っているようでは、まだまだ……?

俳優

  • 藤野涼子は何度も見ていて知っているはずだが、顔にも名前にも覚えがなかった。
  • 千葉雄大は、名前を知っているし顔も覚えがある気がするのだが、どこで知ったのかがわからない。彼の出演作で見たことがあるのは、TVドラマでは「平清盛」(高倉天皇)、映画では「幕末高校生」(沼田慎太郎)、「殿、利息でござる!」(千坂仲内)のみなのだが。

(2019/1/6 記)

安楽椅子探偵ではなかったのか?「ビブリア古書堂の事件手帖」

題名ビブリア古書堂の事件手帖
原作三上延
監督三島有紀子
出演■現代/野村周平(五浦大輔)、神野三鈴(大輔の母)、渡辺美佐子(大輔の祖母)、黒木華(篠川栞子(しおりこ)、ビブリア古書堂店主)、桃果(篠川文香、栞子の妹)、成田凌(稲垣、古書店仲間)

■回想/夏帆(五浦絹子)、高橋洋(絹子の夫)、東出昌大(田中嘉雄)、他
公式サイト映画『ビブリア古書堂の事件手帖』絶賛上映中!
主題歌サザンオールスターズ「北鎌倉の思い出」
制作日本(2018年11月1日公開)
時間121分
劇場TOHOシネマズららぽーと横浜(スクリーン5)

概要

  • 五浦大輔の祖母が亡くなり、遺品を整理している時に、夏目漱石の「それから」に目を留める。幼い頃、この本を許可なくさわってひどく怒られたことがあるのだ。手に取ると夏目漱石自身のサインがある。これは価値あるものかも知れないと思い、ビブリア古書堂を訪れて栞子と出会う。
  • 栞子は本を一瞥しただけで、サインが偽物であること、大輔が祖母に怒られたことを看破し、さらに祖母の人に言えない秘密にも気づく。栞子の洞察力に驚いた大輔は、ビブリア古書堂で働くことになる。
  • 栞子は、古書店仲間の稲垣と仲が良く、会えば話が弾んで途切れることがない。その話に入っていけない大輔は面白くない。
  • ビブリア古書堂にある最も高価な本は、太宰治の「晩年」の初版本、しかも署名入りのアンカット本だ。栞子は大庭葉蔵と名乗る男からこの本を譲ってくれるようしつこくつきまとわれ、ついに大けがを負わされてしまう……。

雑感

  • 古書を一目見ただけで持ち主の過去の不倫までをたちどころに見抜いてしまう洞察力や論理的思考力のある栞子が主人公なのだから、これは安楽椅子探偵もののミステリードラマなのかと思ったら違った。だって大庭葉蔵の正体は誰が見たってあの人しかいないのに栞子は(大輔も)それに気付かないのだ。そんなバカなミステリーがあるか。
  • 一方、回想シーンが異様に長い。こちらが本編なのかと思うくらいだ。絹子は、最初は、人懐こいただの定食屋の店員(亭主の女房だが)。田中嘉雄にも最初は客として愛想よく接するが、徐々に心惹かれていく演技が絶妙だった。
  • 絹子は、元々は恐らく文学少女だったのだろう。女学生時代は、小説を読んだり、映画を見たり、その感想を友人と言い合ったりすることが何より楽しかったに違いない。が、縁あって定食屋に嫁ぎ、以後は買い物、仕込み、接客、掃除などに忙殺される日々。亭主は働き者だし、店もソコソコ流行っていてまあお金にも不自由はしない。何も文句をいう筋はない、幸せな生活だ。そんな中で心の奥底に封印していたことが、田中嘉雄との出会いで表に出て来てしまったのだろう。こうなったら誰にも止められない。
  • 野村と黒木のダブル主演と喧伝されているが、本当の主役は夏帆。「タイムスクープハンター」の頃に比べて、いい役者になったなあ。

監督

(2019/9/18 記)

押し付けられた感動は厭だけど「コーヒーが冷めないうちに」

有村架純主演映画。四回泣けます、などと盛んに喧伝されていて、そういう押し付けられた感動は厭だなと思ったが、少なくとも一回は確かに泣けた。

題名コーヒーが冷めないうちに
原作川口俊和
監督塚原あゆ子
出演有村架純(時田数)、高松咲希(時田数:幼少期)、石田ゆり子(数の母)、深水元基(時田流、数の従兄・喫茶「フニクリフニクラ」店主)、伊藤健太郎(新谷亮介、数の夫)、山田望叶(未来、数の娘)、波瑠(清川二美子、喫茶店の客)、林遣都(賀田多五郎、清川二美子の幼馴染)、吉田羊(平井八絵子、喫茶店の客)、松本若菜(平井久美、八絵子の妹)、薬師丸ひろ子(高竹佳代、喫茶店の客)、松重豊(房木康徳、佳代の夫)、他
公式サイト映画「コーヒーが冷めないうちに」公式サイト
制作日本(2018年9月21日公開)
時間116分
劇場TOHOシネマズららぽーと横浜(スクリーン11)

概要

  • 時田流が経営する喫茶店「フニクリフニクラ」には、ある条件を満たすと過去に戻ることができるという都市伝説がある。それは都市伝説ではなく事実だが、失敗すると現世に戻って来られず幽霊となってしまう。店内にはそうした幽霊が存在し、ある席にずっと座り続けている。
  • 話中では、清川二美子、平井八絵子、房木康徳が過去へ戻るオムニバス短編で、最後に時田数が過去に戻るエピソードが全体を締める。それで「四回泣ける」ということなんだろうが、清川二美子、賀田多五郎、平井八絵子らがやーな性格で、本質は悪い人ではないのかも知れないけど、人の神経を逆なでするようなしゃべり方を平気でする人たちで、物語の前半はムカムカしながら見ていた。時々画面に出てくる有村架純が唯一の癒し。
  • 高竹佳代のエピソードは泣けたなー。松重豊も良かったけど、なんといっても薬師丸ひろ子の圧倒的な存在感。有村架純も30年経ったらこんな風になれるか。
  • 時田数のエピソード(特に母との再会)は一番感動するところなんだろうけど、もったいぶられ過ぎてそこまでではなかった。むしろ娘の未来の奮闘ぶりが可愛い、微笑ましいエピソードだ。

有村架純、初のキスシーン

  • 伊藤健太郎とキスするシーンは、キスしているように見えるけど本当は唇を合わせていないな、と思ってほっとしたが、二度目のキスでははっきり唇を合わせていた。ああいうものを見ると心中穏やかではないけれど、伊藤健太郎は好青年だったので、許す。
  • 有村架純は、既にキスシーンは何度かこなしているはずだが、僕が見たのは今回が初めてという意味。

監督

(2019/8/23 記)

TBS連続ドラマ「この世界の片隅に」第五話

出演

粗筋

  • 浦野要一戦死の知らせが届き、遺骨が返って来る。葬式のあと、うっかり十郎が骨壺を落としてしまうが、中から出て来たのは骨ではなく石だった。
  • 水原哲が入湯上陸し、北條家にすずを訪ねてきた。
  • 周作は水原に、母屋には泊められないと納屋に追い立てるが、すずに「積もる話もあるだろう」と納屋へ行かせる。おまけにすずが家を出ると家に鍵をかけて(すずを締め出して)しまう。すずは、鍵をかけられたことに気付いた……
  • 現代編、近江佳代は(かつてすずの住んでいた)古民家に住むにあたって、権利者に許可を取ったという。その相手が北條節子だった。節子の謎は恐らく次回に明かされる(はず)

雑感

  • 原作で一番謎のエピソード。
  • アニメでは原作に輪をかけて謎だったが、アニメではりんとのエピソードをばっさり落としているため話がつながらなくなっているのだろうと思った。ていねいに(過剰に)説明し過ぎるきらいのある本ドラマでは理由を明確に語るかと思ったが、自分の理解の及ぶ範囲では説明はほとんどなかった。
  • 周作が初めて(それと知らずに)会った時の哲は、礼節のある、好人物であった。しかしこの日の哲は、他人の女房をつかまえて「すず」「すず」と呼び捨てにし(周作でさえ「すずさん」と呼んでいるのに!)「ここじゃただのボンヤリでしょう、遠慮のう言うてくださりゃ連れて帰ります」など、たとえ実の兄でも口にすべきではない、失礼な物言いをする。周作が怒るのも当たり前である。
  • ただし仮にも兵隊さん、無碍にはできない。それが「納屋に泊める」という判断なのであろう。ここまではわかる。
  • わからないのはすずを差し出したことである。夜に男が一人で泊まる部屋に行かせたのである。おまけに母屋に鍵をかけてしまったのだから、周作の意図は明らかである。なぜ女房を差し出すような真似をしたのか?
  • この当時、死地に向かう兵隊に対してこうしたもてなしをするのが常識だったのか? それとも哲と仲のよさそうに話をしているすずを見て、すずも本当はこの人の嫁に行きたかったのではと勝手に気を回した結果か? もし夫公認でよその男と一夜を過ごした嫁、などということが近所の噂にでもなったら、大変なことになると思うが……
  • 北條節子登場。すずの娘か? 径子が再婚して出来た子、という可能性もなくはないが……

(2018/8/17 記)

「カメラを止めるな」ふたたび

題名カメラを止めるな!(二度目)
劇場TOHOシネマズ 日比谷(スクリーン12/489席)

雑感

  • 初回を見た時、特におかしい場面でもないのに笑い声を立てる人がいて、少々不思議に思ったが、今回、自分がまさに笑い声を何度か漏らしてしまった。あの笑っていた人は、複数回観ている人だったんだな。
  • 開始40分で劇場を出て行った人がいた。トイレかとも思ったが、戻ってきた様子はなかった。彼は(彼女かも知れないが)この映画をどういう作品だと思ってこれから生涯を過ごすのだろう。
  • Tシャツほしい。

(2018/8/19 記)

傑作「カメラを止めるな!」

twitterで信頼するフォロワー氏が面白かったとtweetしていたので観る気になった。観るからには予備知識は極力入れたくない。事前の情報としては、低予算で作られた実験的な作品らしいこと、ゾンビものらしいこと。これだけ。観て良かった。教えてくれた人に感謝。

題名カメラを止めるな!
監督・脚本上田慎一郎
出演■監督とその家族/濱津隆之(日暮隆之、監督)、しゅはまはるみ(日暮晴美、隆之の妻)、真魚(日暮真央、隆之の娘)
■ノーカットドラマ出演/秋山ゆずき(松本逢花、主演女優役アイドル)、長屋和彰(神谷和明、主演男優役)、細井学(細田学、カメラマン役・アルコール依存症?)、市原洋(山ノ内洋、助監督役・メガネ)、山崎俊太郎(山越俊助、録音マン役・お腹弱い)、イワゴウサトシ(黒岡大吾、監督役)、高橋恭子(相田舞、メイク役・人妻で幼子あり)、他
■ノーカットドラマスタッフ/大沢真一郎(古沢真一郎、プロデューサー)、竹原芳子(笹原芳子、プロデューサー)、吉田美紀(吉野美紀、中堅AD)、合田純奈(栗原綾奈、新米AD)、山口友和(谷口智和、カメラマン・腰痛持ち)、浅森咲希奈(松浦早希、撮影助手)、藤村拓矢(藤丸拓哉、音響スタッフ)、生見司織(温水栞、特殊メイクのスタッフ)、他
■その他/曽我真臣(曽我大臣、テレビ局社員)、佐渡未来(子役の母)、林奏絵(護身術アシスタント)、他
公式サイト映画『カメラを止めるな!』公式サイト
制作日本(2018年6月23日公開)
時間96分
劇場TOHOシネマズ 日比谷(スクリーン12/489席)

概要

  • 本作を観た人の間で、ネタバレを決してしないという無言のコンセンサスが出来ているらしい。ネットを探しても見事に内容がわからない。
  • 映画を「観る」と決めた人にとっては、事前情報は極力入れない方が、初回を楽しめる。これはどんな作品でも共通することだろう。一方、観ようかどうしようか迷っている人にとっては、材料がなければ判断できない。
  • ミステリーで犯人やトリックを公言してはいけないとか、最後にどんでん返しがある場合、どんでん返しの内容はもちろん、どんでん返しがありますよ、ということも漏らしてはいけないとか、マナーというべき暗黙の了解事項は存在すると思うが、本作に関してそこまで緘口令を敷く意味はよくわからない。ある程度内容を知っていたからといって、その面白さを損なうものではないと思う。
  • というわけでここで概要を説明しようかと思ったが、誰かに恨まれても厭なので、やはりやめておく。

雑感

  • 面白かった。これは最低二度は観たい。

劇場

  • 昔のスカラ座。離れたところにあって、歩いていくのは面倒だなあと思ったら、なんと東京ミッドタウン日比谷東宝劇場は隣接しているのだ。シャンテの向かい側だけど、シャンテの方がよほど離れている。

(2018/8/19 記)

泣かされた「コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」

新垣結衣の出演する医療ドラマ? というぐらいの予備知識で観に行ったのだが、シーズン3まで月9で放映された人気TVドラマが(その合間にスペシャル版が)あったらしい。「コード・ブルー」というタイトル自体、初めて耳にしたが。

題名劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-
監督西浦正記
医療監修日本医科大学千葉北総病院救命救急センター
音楽佐藤直紀
出演■レギュラー/山下智久(藍沢耕作、フライトドクター)、新垣結衣(白石恵、フライトドクター)、戸田恵梨香(緋山美帆子、フライトドクター)、浅利陽介(藤川一男、フライトドクター)、比嘉愛未(冴島はるか、フライトナース)、椎名桔平(橘啓輔、救急救命部部長)、馬場ふみか(雪村双葉、フライトナース)、有岡大貴(名取颯馬、フライトドクター候補生)、成田凌(灰谷俊平、フライトドクター候補生・中国語をしゃべるシーンあり)、新木優子(横峯あかり、フライトナース候補生)、丸山智己(緒方博嗣、元料理人で緋山の恋人? 結婚式で料理を振る舞う)、児玉清(田所良昭、離島で医療に従事)
■ゲスト/山谷花純(富澤未知、航空機事故で8週間の重傷を負うが、実は胃癌で余命数週間)、新田真剣佑(岩田彰生、未知の婚約者)、かたせ梨乃(雪村紗代、双葉の母・アルコール依存症患者)、平埜生成(杉原剛志、海ほたる事故に巻き込まれ父親が重傷を負う)、他
公式サイト映画『劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』公式サイト
制作日本(2018年7月27日公開)
時間128分
劇場TOHOシネマズ ららぽーと横浜

概要

  • 成田空港の事故と海ほたるの事故。同時に起きるわけではなく、オムニバス短編という感じ。

雑感

  • 面白いところもあり、ダレているところもあり、初めて見たけど全体としてはまあまあ悪くないか……と思っていたところ、最後に児玉清が登場して泣かされた。まさか児玉さんが出演するとは思っていないじゃないかよ! ひどいよ! 泣いたよ!

配役

  • 戸田恵梨香がすごく嵌まっていた。こういう顔でこういう性格の人に自分は弱いのだ。心をわしづかみにされてしまう。

(2018/8/19 記)

「夕凪の街 桜の国2018」

出演

平成編
昭和編

スタッフ

雑感

  • 当初、常盤貴子が主役をやるとの報に接して、ええーっ、七波は28歳だぞ、と驚いたが、原作が発表されたのは2004年。現代編を2018年の物語とするために作中人物に14年歳を取らせたわけか……(でも常盤貴子は46歳)。
  • 原作を知らない人がこのドラマを見れば、いいドラマだったと思うのではないかと思う。実際、それなりによくできていた。
  • 「夕凪の街」パートはスピーディな展開で良かった。ここをていねいに描くと安っぽいメロドラマになってしまうから、あっさりがいいのだ。それにしても川栄李奈がここまでできるとは……。「原爆を落とした人は、やった、また一人殺せた、とちゃんと思うてくれとる?」は効いた。
  • 「桜の国」パートは、ほぼドラマオリジナルといってよい内容で、良し悪し云々より、これをこうの史代原作「夕凪の街 桜の国」だと呼んでよいのかおおいに疑問に感じた。いくらタイトルに2018をつけたとしてもだ。
  • 風子(ドラマのオリジナルキャラクタ)は、医者になれと将来を強要する父に反発して家出を敢行。祖父の認知症疑惑に巻き込まれて広島に行き、そこで原爆が投下された後の広島の様子や、若くして亡くなった皆実のことなどを知る。生きたくても生きられなかった人に比べれば、今の私は幸せなのかなと考えて父と和解する。これは悪くない話。悪くない話だが、現代に生きる誰もが(ヒロシマを知れば)同じように感じておかしくない話であり、それが風子である必然性がない。つまり、「夕凪の街」とつながっていない。
  • 一方七波は、姪の風子をはじめ、周囲の人の幸せを見守るのが自分の役割であると思い込んでおり、自分自身の幸せをあまり考えていない。が、ドラマの終盤で旭に「お前が幸せにならなければ姉ちゃんが泣くよ」と言われて大門雄二からのプロポーズを受ける決意をする。……旭さんよ、それを娘が40代の半ばになった今頃言うのか。20代の時に言ってやれよ、と。そもそも七波の思いは単にぼっちをこじらせただけで、皆実の姪であることとは何の関連もなかった。つまり、「夕凪の街」とつながっていない。
  • 原作の「桜の国」の肝は、東京生まれの東京育ちの凪生が、交際相手の親から、(母親が幼い頃広島で被爆していることを理由に)娘と会わないでくれと言われることである。皆実の話は、皆実が死んでも(何度夕凪が終わっても)終わっていないのだ。そこに問題の悲惨さ、深刻さがあるのに、本作は、戦後編と現代編が、ストーリーはつながっていても問題が完全に分離していたのが残念だ。
  • 風子が被曝三世であることから、差別されたり、友人から距離を置かれたり、進学や就職で不利になったりする話なら、それはそれでよかったのではと思う。ただ、被爆者が差別されるというのは、もはや現実的ではないのかも知れない。あるいは、いまだにそのような現実があるとしたら、なおいっそうドラマには描きにくいのかも知れない。
  • 桜がほとんど登場しなかったのも残念だった。原作を知らない人は、どうして「桜の国」なのか不思議に思ったのではないか。

過去記事

(2018/8/18 記)

石橋杏奈が結婚

2018年8月6日、石橋杏奈東北楽天ゴールデンイーグルスの投手である松井裕樹と結婚し、同年12月にハワイで挙式を行う予定であると報じられた。

石橋杏奈は「大空港2013」「妖怪人間ベム」「陽だまりの彼女」「軍師官兵衛」などに出演しているのだが、今ひとつ印象にない。今後は気を付けよう。

(2020/3/3 記)

TBS連続ドラマ「この世界の片隅に」第四話

出演

  • 大山蓮斗(黒村久夫、径子の長男)

粗筋

  • 前回は風景画を描いているすずが憲兵に見つかるところで終わりだったが、今回の冒頭は憲兵に怒鳴られるところから。すずは憲兵に怯えるが、サンや径子は神妙な顔をして笑いを堪えるのに必死という、こうの史代独特のユーモラスなシーン。
  • すずは体調を崩して寝込む。当初は憲兵に怒鳴られたためと思われたが、懐妊したのでは、ということから病院に行き、おめでたではなかったことがわかり、帰宅途中でりんに会いに行く。
  • この時りんがすずに「誰でも何かが足らんくらいでこの世界に居場所はそうそう無うなりゃせんよ」と告げる。このりんのセリフは本作のテーマであろう。子供がいなくても、遊女でも、この世界の片隅にちゃんと居場所はあるのだ。
  • 黒村久夫(オリジナルキャラクタ)登場。出戻ってくる時、晴美は連れて来たものの、久夫は連れて来れなかった。なんとか引き取る道を模索する径子に、自分は黒田家を継がないといけないから、黒田の家に残ると言いに来たのだ。またその話を聞いた晴美が、兄は黒田と径子で取り合いになっているが自分はそうではないと言って泣く。どこに自分の居場所を作るか、というテーマをより際立たせるために挿入したのであろう、ドラマオリジナルのエピソード。

雑感

  • 憲兵が帰ったあと、すずにスパイが務まるわけがないと笑うサンや径子に「さりげなくいろいろ言われたね……」と落ち込むすずまでがセットなのだが、最後のすずのオチが省かれたのは残念。
  • 周作が買って大切にとっていた茶碗をすずが発見。周作は「嫁になる人にプレゼントするつもりだった」と言ってすずに渡す(すずは辞退)。お椀にはりんどうの絵が描かれている。このエピソードは原作にもアニメにもあるが、りんどうの絵がりんを暗示していることに今回初めて気付いた。周作は基本的にとても優しく、温かい人だと思うが、女心がわからないのはあきれるばかり。すずとの結婚が決まった時に、この茶碗は処分するべきだった。

(2018/8/17 記)

勝地涼と前田敦子が結婚

2018年7月30日、勝地涼前田敦子が婚姻届を提出した。勝地涼は31歳、前田敦子は27歳。

勝地涼は「あまちゃん」での前髪クネ男役で一世を風靡したが、自分は未見。大河ドラマ山川健次郎(八重の桜)役はなかなかよかった。

(2020/8/31 記)

TBS連続ドラマ「この世界の片隅に」第三話

出演

雑感

  • 白木りん登場(第一回でもチラと顔だけ見せていたが)。
  • すずがどんどん周作のことを好きになっていく様子が描かれ、なかなかほほえましい回であった。周作とすずの(恐らくは初めての)デートで、すいとんだけでなくアイスクリームをつけたのはよい改変。周作のやさしさに、すずだけでなく、見ているこちらもぐっときた。
  • 死地に赴く海軍兵らと周作が喧嘩になった時に止めに入ったのが水原哲だったというのもよい改変。
  • すずが水瓶に砂糖を落とすシーン、原作では、たかられた蟻を払い落とし、二度と蟻にたかられないために水に浮かべてはどうかと考えて失敗する……のだが、本作では蟻にたかられた砂糖壺を慌てて落としてしまっていた。蟻が多数、水瓶に落ちたのではないかと気持ち悪かった。なぜこのワンクッションを削除したのかは不明。これは悪い改変と指摘しておこう。
  • すずは、何かに夢中になると他のことが目に入らなくなってポカをすることはあるが、頭が悪いわけではない。このドラマではすずが単にぼーっとしていたり、要領が悪いだけの人のように見えて残念だ。もう少しすずを魅力的に描いてほしい。
  • 前回はすずが絵を描くシーンがなかったが、今回は何度も出てきてよかった。

(2018/8/5 記)