窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「舞いあがれ」(073)

第16週「母と私の挑戦」(火)

放送日

  • 2023年01月17日

概要

営業のために、舞はIWAKURAのネジがどのように作られているか笠巻から講習をうける。めぐみも、その講習に加わる。その様子を目にした社員からは、笠巻を気遣う声やネジの素人が自分たちの社長ということを嘆く発言も出るが、若手でネジが好きな土屋は自分のためにもと、笠巻の講習会に参加する。(NHKオンデマンドの解説より)

感想

土屋が笠やんの講習会に自主的に参加したのは良かったな。恐らくIWAKURAでは、全員が中途採用ということもあり、研修システムとかいったことは全く整っておらず、業務のマニュアル化もできていないと思われる。だから、みんなベテランで目の前の仕事はさくさくこなしても、実は知識レベルには割と隔たりがあるのかも知れない。

舞への講習会に若手工員が参加し出し、講師を買って出る人も出て、そのうちに説明資料をドキュメント化したり、目的によってコース分けされたり……みたいなことになると、会社全体での技術力の底上げができそうだ。この半年を生き延びたあとのことだが。

自分だったら、勉強している場合ではないと思うが、分野は違っても舞は工学部出身。短期で必要な知識を身につけることができるか。


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「舞いあがれ」(072)

第16週「母と私の挑戦」(月)

放送日

  • 2023年01月16日

概要

IWAKURAの再生をめぐみとともに行なう決意をした舞。会社では、めぐみが社員に在庫処理、経費削減、リストラを終えたことで信用金庫の信頼を得て、融資への返済期限が延長されたことを報告する。しかし、猶予は半年。そこでめぐみは営業に注力するとし、舞がそのメンバーになることを発表する。(NHKオンデマンドの解説より)

めぐみは金融機関へ提出する資料作成に追われ、営業活動ができない。営業の藤沢は、営業先のリストを作成し、「それぞれ分担した方が効率的だから」と半分を舞に渡し、自分は一人で営業活動をする。舞はリストに電話をかけ、全部に断わられると飛び込み営業を行なうが、ネジのことを何も知らないと思い知らされ、笠巻にネジのレクチャーをしてくれるよう依頼する。

感想

せめて一週間くらいは藤沢に同行させてもらわないと、何もできないだろうと思うが、舞は会ったこともない人を相手に果敢に電話し、電話してダメならアポなしで訪問だという藤沢の言葉を真に受けて本当に飛び込み営業を行なう。これは率直にすごい。電話しろと言われてもなかなかできないものだ。勇気を振り起して電話しても、数件断わられたら、たいての人はやる気をなくしてしまうもの。舞はそれだけの決意をもって臨んでいるということか。

ただ、会社の人の舞への態度が気になる。舞は、博多エアラインの内定を辞退し、正式にIWAKURAの一員になったと紹介された。要は、営業強化のために営業を一人採用したのである。未経験の新人なのだから、一から教えなければ何もできないのは当たり前。IWAKURAは恐らく新卒を採用したことがないから、教育のノウハウはないだろうとはいえ、ほったらかしにしていいわけがないことはわかるだろう。まして、「今からお勉強ですか」と揶揄される覚えはないはずだ。

社員三人、パート三人の首を切って身内を採用したと誤解されているのか。いや、いつまでも無給というわけにはいかないだろうから、必ずしも誤解ではないのか。

ただ、付け焼刃でネジの勉強をするのが正しい方向だとは自分は思わない。営業先を一件でも確保し、電話・訪問を一件でも増やすことが舞にできる(舞にしかできない)ことであって、技術の話は当面、技術の人に助けてもらえばいい。そこを間違えないようにしないと、短期で結果を出すのは難しいぞ。



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「どうする家康」(02)

題名

  • 「どうする家康」第02話「兎と狼」

放送日

  • 2023年1月15日

登場人物

松平家

今川家

その他

概要

今川義元がまさかの討ち死。織田軍に包囲され、絶体絶命の松平元康。しかし織田信長は突然、退却を始めた。元康は大高城を捨て、瀬名が待つ駿府に帰ろうとするが、家臣たちは故郷の三河に戻りたいと猛反対。元康はしぶしぶ三河へ向かうことにするが、敵の罠にはまり、鳥居忠吉が大けがを負うなど、松平軍は大混乱に陥る。何とか岡崎の大樹寺に逃げ込んだが……。(公式サイトより)

織田家の人質時代に信長に鍛えられたことを思い出し、覚醒した元康は、大樹寺を取り囲む松平昌久を一喝し、活路を開く。岡崎城でも当主として勇ましい掛け声をかけ、三河兵をひとつにまとめていく……

雑感

前回はあまりにも情けない元康であったが、二回目にして覚醒し、なかなかカッコいいところを見せてくれた。こういう元康ならついていける。

全体的に漫画チックな作りではあるが、要所要所にこれぞという役者を配しているので、それなりに締まった作りになりそうだ。忠勝が若いのもよい。

松嶋菜々子有村架純そっくりで驚いた。親子みたいだ。



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全話終了

全48話の感想が書き終わった。途中、何週分かたまってしまい、危機を迎えたが、手抜き感想で一気に追いついた。とにかく全部記録に残せてよかった。

ドラマの感想を書くようになったのは「龍馬伝」からだが、「龍馬伝」も「江」も「平清盛」もドラマは全話見たけれど(「平清盛」に至っては二回三回と見たけれど)、感想はところどころしか書いていない。「平清盛」はDVDを購入し、暇ができたらDVDを見ながら一話からじっくり書く、と思っていて、そもそもDVDも見ていない。

初めてすべての感想を書いたのは「八重の桜」だ。今回はそれに次いで二度目。惜しかったのは「軍師官兵衛」で、四回を残してリタイア。「麒麟がくる」の時は、結構休みが多かったから追いつくチャンスは何度もあったが、11回を残してリタイアだから、惜しいというほどではない。

印象に残った場面を1~2ヵ所、サラリと書いて終わりにすればいいのかも知れないが、登場人物に粗筋に、と張り切るから時間がかかる。が、あとで読み返して面白いのは、やはり張り切って書いた文だから、難しいところだ。


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「舞いあがれ」(071)

第15週「決断の時」(金)

放送日

  • 2023年01月13日

概要

三人の社員を人員削減するため、舞は浩太が残した取引先の名刺の会社へ電話し、候補者三人の再就職先を探すが、ことごとく断わられてしまう。それでも舞は諦めることなく、取引先へ直接出向き頼んで回る。舞とめぐみがひと月再就職先を探して回った結果、二人の再就職先が見つかるが、退職勧奨を断った小森の再就職先は宙に浮いたままだった。(NHKオンデマンドの解説より)

舞はさらに曽根や古田に相談し、長井のところで小森を取ってもらえることになった。小森は、IWAKURAで働くことが誇りだったが、自分がいることで会社が潰れてしまうのではと、転職を承知する。

柏木は、舞と連絡がつかないことを案じ、直接家まで訪ねて来る。舞のパイロットになる夢を諦め、IWAKURAの仕事をする決意を聞き、「そんな舞が好きだった」と過去形で語って去って行く。

感想

柏木と別れたのは、当然というか自然というか、そもそも付き合っていたの? という感じだったから、よいとして……

リストラ対象の人の受け入れ先を見つけるのに、舞が活躍したのはよかった。ネジの設計をしたり、新規受注をしたりするのに舞が役に立つとは思えないが、こういうことならできおかしくないからだ。もっとも、やり方には不満が残る。父の残した名刺をもとに、取引際に電話をかけまくったようだが、取引先よりもまずは同業者(競合会社)に当たるべきだろう。取引なんかなくてよいのだ。

また、由良先輩が働いている……というわけではないが、ビズリーチをはじめとする人材バンクは当然利用すべきだろう。が、連絡を取っている様子がなかった。そもそもインターネットを活用していない。が、2009年であれば、何はともあれまずはネット検索の時代だろう。さらに、ハローワークに行って……

まあ、舞は就職した経験がないのだから致し方ない。思いついたことから手を付けるしかないのだ。

舞はよいとして、めぐみも再就職先探しに奔走していたらしいのが気になる。めぐみにとって、いや、社長にとって、なにがなんでもやらなければならないのは、新規受注を取ることだ。とにかく現在の社員に給料を払えるだけの受注がないのがすべての原因なのだから。一ヵ月たってしまった。一ヵ月経ったら、全員に給料を支払わなければならない。それで一千万円近くかかるのだ。そちらの話は来週描かれるのかも知れないが。

いずれにしても、舞は本当にIWAKURAで働く決意をしたらしい。そう決めたなら、応援するしかないが、悪手を選択したと思う。本人いとっては、自分の判断だから結果がどうでも満足かも知れないが、IWAKURAの従業員にとってはどうであろうか。



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「舞いあがれ」(070)

第15週「決断の時」(木)

放送日

  • 2023年01月12日

概要

従業員たちのIWAKURAへの愛情を目の当たりにしためぐみは、会社を続けると翻意し、融資を受けている信用金庫の支店長に、その決断を告げる。そばにいた信金のIWAKURA担当の大西に、めぐみならできると後押しを受けるが、支店長は難色を示し当座の運転資金はどうするのかを尋ねる。(NHKオンデマンドの解説より)

浩太の生命保険を当座の運転資金に充てることにし、さっそく再建計画を立てる。新規に営業をかけるが、一件も受注がない。それどころか、永年のお得意さまからも契約を打ち切られるところが出た。ついに三人をリストラする決意をする。個別に呼んで自主退職を依頼する。が、二人は承諾したが、小森富雄は拒否する……

感想

社員は、少しでも工場の価値を高くしようと(そしていい買い手を探してもらおうと)工場の掃除をしたのに、それを見ためぐみが売却をやめたのではやぶ蛇だったのではないか。

めぐみに経営者としての資質があるかどうかを問うているのではないのだ。傾いた会社を立て直すには、仕事を持っているかお金を持っているか、どちらかしかないのだ。まあめぐみは、浩太の生命保険という形で、後者は一応手にしていた。次にどうやって仕事を取って来るかだ。ここに何かアイデアがなければ、判断を先延ばしにしただけで終わる。

舞は、総務でも経理でもなんでも手伝う、と言うが、今のIWAKURAに必要なのは経理でも総務でもなく、新規の注文を取って来れる人だ。

実は舞にはその力があるかも知れない。NANIWAバードマンのOBたちを頼ることだ。浪速大学の卒業生ともなれば、そうそうたる企業に就職している(人も多い)だろう。テスト秘境や本番飛行の時はOB連が大勢集まって手伝っていたから、かなり上のOBともつながりはあるはずだ。舞は中退したとはいえ、OB会への参加を許されていることは、由良先輩との話でわかっている。この人たちの中には、IWAKURAの力になれる人がいるかも知れない。

それにしても、舞はパイロットに未練はないのか。博多エアラインの内定を断わったら、舞がパイロットになれるチャンスは、恐らくもうない。パイロットになった方が、舞にとっても、めぐみにとっても、最終的にはいいと思うがな。



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「舞いあがれ」(069)

第15週「決断の時」(水)

放送日

  • 2023年01月11日

概要

IWAKURAをたたむことを社員に告げためぐみは、信用金庫が資産価値の視察に来るがいつも通りに仕事をするように頼む。めぐみや舞が落ちついたと感じた祥子は、五島に帰るとめぐみに言う。そんな祥子にめぐみはお礼を言う。(NHKオンデマンドの解説より)

舞は悠人のところまでわざわざ出向き、IWAKURAに投資してくれるよう依頼するが、即答で断わられる。兄には頼らない、母と二人で何とかすると言って去る。

貴司と久留美に事情を説明し、母を支えたいと話す。それはパイロットの夢を諦めることかと久留美は驚き、止めるが、貴司は、とびうおは海にもぐっていてもとびうおだと言う。

視察の日、少しでもいいところを見せようと、社員一同、早朝から掃除をしていた。それを見ためぐみは、IWAKURAを畳むと決めたのは間違いだったと口にする……

感想

嫌な方向に話が流れた。昨日、火曜日にしてあっさり決断したことにほんの少し危惧を感じたが、誰がみてもそれ以外に選択肢がないからだと安心していた。が、まさかぶり返しがあるとは。

舞が母を支えたいという気持ちは大切だ。だが、支え方はいろいろあるのではないか。そばにいること、同じ仕事をすることだけが支える方法ではない。パイロットになって充実した生活を送ることや、それできちんと収入を得ることも、十分母を支えることになるはず。家を出ることを、まるで母を見捨てるように感じる気持ちは自分には理解できないし、受け入れがたい。大学を中退し、航空学校へ行くに当たってはずいぶんと親にも迷惑をかけたし、お金も出してもらったはずだが、それが無になってよいというのだろうか。

祥子が、亡き夫の残してくれた船を大切にしているのはわかる。会社は船とは違う。浩太の「いつか飛行機に使ってもらえるネジを作りたい」という気持ちは社員で共有できる夢だが、「夫の残した会社を潰したくない」のは夢でも目標でもない。ドラマはどう展開するのかわからないが、めぐみが気を取り直してIWAKURAを継続させようとしても、あっという間に瓦解するのが関の山で、誰も幸せにならないだろう。



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「舞いあがれ」(068)

第15週「決断の時」(火)

放送日

  • 2023年01月10日

概要

めぐみは、舞とともに工場のIWAKURAの再建に向けて、いったい何ができるのか策をめぐらす。そんなめぐみや舞を少しでも助けようと、大阪にやって来た祥子は、弁当作りに精を出す。舞が会社に行くと、経理の古川が今日で退社するということを知らされる。(NHKオンデマンドの解説より)

めぐみは笠やんにうめづで相談。会社を潰したくはないけど、自分が社長をやるのは無理だと。笠巻は、社長(浩太)だって、最初はできるとは思わなかった、と話す。「先代が亡くなられた後、ネジのことなんかなんも知らん若いもんがやってきて、まあ一年か二年やなと思った。けど、社長は30年会社を守り、こない大きな工場にした。立派なお人や。けど、そない頑張らなかったら、今も元気にしていたかも知れん」。そしてめぐみに、無理をしなくていいんじゃないかと伝える。

めぐみは会社を畳む決心をし、社員を集めてそのことを伝える。社員まるごと買ってもらえるところを探すから、みんなは仕事を続けてほしいと。

感想

舞がIWAKURAで仕事をするようになって数ヵ月経つはずだが、ネジについて特に勉強している様子もないし、経理や財務の勉強をしている様子もない。他の社員と積極的に関わっているようにも見えない(古川の退職を当日まで知らなかった)。所詮、社長の娘として「お手伝い」をしているだけなのだ。そんな舞が会社を畳むことに反対し、「私も手伝うから!」と言うのは、世間知らずのお嬢様の感傷にしか聞こえない。が、それも当然だ。学校を出たばかりで勤めた経験がない。まさに「世間知らず」なのだ。

章が線香をあげに来る。葬儀に列席できず申し訳ありませんと言う。浩太の葬儀より優先すべき用事があったのかな、仕事が忙しかったのかなと思ったが、他のIWAKURAの社員と顔を合わせるのを避けたのかも知れない。

笠やんや章の話を聞いて、浩太のやってきたことは十分報われたと思えたのが、決断の引き金になったか。舞には相談しなかった。IWAKURAの経営に関しては、舞はめぐみにとって、そういう相手ではないのだ。

社員付きで会社を丸ごと引き取ってくれる買い手を探すらしい。それ、買い手が見つかって契約が結ばれるまで、口にしてはあかんのではないか? IWAKURAは上場会社ではないから、別に構わないのか……。

柏木が電話をかけてきて、「そっち行こうか?」と舞に訊く。舞は「大丈夫」と答える。貴司は東大阪へ行く決断をし、舞に「しばらくこっちにおるから」と伝える。違うな~。



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土屋太鳳が結婚

2023年1月1日、土屋太鳳が片寄涼太GENERATIONS from EXILE TRIBE)との結婚および懐妊を発表。土屋は27歳、片寄は28歳。

綾野剛結婚の報の次に驚かされたのは土屋太鳳の結婚および懐妊のニュースではなかったか。とはいえ、土屋太鳳といえば美人で名高く、名前は知っているのだが、「るろうに剣心」や「図書館戦争」に出演するのを見たくらいで、あまり印象にない。なお「龍馬伝」では乙女の子役として出演している(当時15歳)。

オフィシャルサイトに片寄・土屋連名で結婚を公表する文章が載っているが、文末の直筆サインを見て思い出した。この人の書く文字は、太鳳フォントなどと呼ばれる癖のある字なのだった……

「舞いあがれ」(067)

第15週「決断の時」(月)

放送日

  • 2023年01月09日

概要

祥子は浩太の訃報を受け、貴司と共に急ぎ東大阪へ向かう。浩太の葬儀を終え、憔悴しためぐみと舞、悠人、祥子は帰宅する。めぐみはお礼を梅津一家へ言うが、雪乃にしっかり寝るようにと気遣われる。舞は貴司に、いまだに父・浩太が急逝したことが信じられないと吐露する。(NHKオンデマンドの解説より)

悠人はめぐみに、工場をどうするつもりか尋ねる。売るのが一番いいと薦めるが、めぐみはもう少し待ってくれと答える。

工場では、今後が気になる山田が、古川に、「奥さんが社長になったりするのかなあ?」と訊くが、古川は「女に経営は無理や。経理はやってきたけど、機械のことは何もわからん」と答える。

信用金庫の担当者が支店長を連れて来社。次期社長が誰になるかと、借金をどうするつもりか問うてきた。今会社を畳めば、借金はすべて返済できる可能性がある。時間が経てば資産は目減りし、会社を畳んでも借金が残る可能性があると……めぐみはやはり、もう少し待ってくれと答える。

感想

祥子が悠人に「跡を継ぐ気はないのか」と尋ねると、悠人は「自分はプロの投資家として、この工場は売るべきと判断した」と答える。祥子は「賢いんやねえ、悠人は……」と言う。そのあとで「しかし」と言って反論するのだが、まず「賢いんやねえ」と言って受けるところが祥子のいいところだ。

悠人が祥子に対しては声を荒げることもなく、落ち着いて話をしているのは、さほど親しい相手ではないから気を使っているということもあるだろうが、自分の言うことをとりあえずはちゃんと受け止めてくれる、という安心感も大きいのだろう。浩太にはもう何も言えないが、めぐみには是非見習ってもらいたいところだ。

ところで、今会社を畳めば借金は帳消しにできるのか。それはすごいじゃないか。今売っても借金は残ると思っていた。資産価値を目減りさせない努力の賜物だろう。これはやはり整理する一択だなあ。売ると言っても売り方がある。別に工場を壊して更地にしてマンションを建てる、ということではなく、同業者に売って事業を継続させ、従業員の雇用も保証してもらうような売り方もある。「売る」とか「畳む」ということを、そう悲観的に考えることはないと思うが……。もちろん、めぐみの手は離れてしまうが……



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「どうする家康」(01)

題名

  • 「どうする家康」第01話「どうする桶狭間

放送日

  • 2023年1月8日

脚本

登場人物

松平家

今川家

概要

武士が激しい領土争いを繰り広げていた戦国時代。尊敬する今川義元のもとで、人質ながらも楽しい生活を送っていた松平元康、のちの徳川家康は、心優しい姫・瀬名と恋に落ちる。このまま幸せな日々が続くと信じていたあの日、織田信長が領地に攻め込み、元康は重要なミッションを任される。命からがら任務を果たしたものの、戦場のど真ん中でまさかの知らせが! どうする元康!?(公式サイトより)

雑感

失礼ながら、今作はタイトルや主演俳優、タイトルロゴなどを見て、あまり期待できないと思っていた。実際、桶狭間の合戦で義元が討ち取られたと知ると、一人で逃げ出そうとするなど、情けないところを見せてくれた。臆病ですぐに腹を壊す設定はよいけれど、これでは主人公に感情移入はできないな……まあ、昨年が重かったから、今年は軽く見ることにしよう。

今川義元が賢主に描かれていたのは吉。と思ったら初回でいなくなっちゃったよ……

元康と氏真の練習試合で、槍で突っかかる氏真に対し元康は体術で攻め落とした。この寝技は岡田准一ばりだな、と思ったが、よく考えたら岡田准一が信長なのだった。織田家での人質時代にノブから教わった設定か?

過去の信長、吉田鋼太郎市川海老蔵染谷将太もそれぞれに怖かったけど、岡田准一が一番怖いかも。

今日の瀬名姫はなかなか可愛くてよかった。築山事件をどう演じることになるのか期待しよう。

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「舞いあがれ」(066)

第14週「父の背中」(金)

放送日

  • 2023年01月06日

概要

IWAKURAでは浩太が、めぐみや各部署の代表を集め、試作で合格をもらったネジが100万本以上の大量発注を受けることになるが、納期期限は二週間後かもしれないと説明する。浩太の工場で一日に作れるのは5万本ほど。すぐにフル稼働で作り始めないと納期に間に合わすことができない。しかし、まだ正式な本発注は受けていない。浩太は、本発注の前にそのネジの生産を始めるかの決断を迫られる。(NHKオンデマンドの解説より)

浩太は先行生産を決断するが、太陽光発電の会社から、仕様が変更になったため、発注を取りやめるとの連絡がある。慌てて会社を訪ね、既に作り始めているんですと訴えるが、こちらはそんなことは頼んでいないで終わり。

IWAKURA最大の危機を迎える。その夜、連絡が取れない浩太を工場に探しに来ためぐみと舞は、倒れている浩太を見つける。慌てて病院に運ぶが、助からなかった――

感想

浩太がいなくなるとは思わなかった。誰も死なないのが今作のいいところだと思っていたのに。これで悠人と和解することも永遠に叶わない。そして借金を抱えた会社が家族に残された。

先行生産は苦しい決断だ。自分も業界は違うが、似たような状況にしばしば置かれたので、気持ちはわかる。自分の結論としては、正式の発注書が来るまで動かないこと。納期に関しては交渉。納品した翌日にすべてのネジを使うわけではないだろうから、半分納品して残りは半月後とか、交渉の余地はあるはず。せめて先方と話をして、間違いなく発注してもらえるのか、言質を取らないと……。

まあ、試作はやらせたけど発注自体をキャンセルしてくるようでは、もともといい案件ではなかったのかも知れない。窮地に陥っているから、仕事を選べない。溺れる者が藁をつかんだまま沈んでいくという、救いのない状況となった。自分の仕事にも通じる部分があるだけに、今回はつらい場面だった。



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「舞いあがれ」(065)

第14週「父の背中」(木)

放送日

  • 2023年01月05日

概要

舞は久しぶりに柏木と電話で話をする。実家の工場を手伝っていることを伝えると、柏木からパイロットになるのか? と尋ねられ、歯切れ悪く来年にはなると答える。柏木との会話で複雑な心境になってしまう舞。工場では新たな大口発注が見込めそうな太陽光発電機に使うネジの試作品を結城が上手く作り、浩太は笠巻らとともに喜ぶ。(NHKオンデマンドの解説より)

古川は浩太に、リストラを断行するようたびたび要求するが、浩太は、太陽光発電のネジの仕事もうまくいったし、これから受注も増えると、リストラを拒否。古川は、売り上げが増える前に倒産すると危機を訴えるも、何とかなると浩太は意に介さない。

そんな中、結城章が退職願を出す。18歳から育ててもらった岩倉を裏切るようで申し訳ないが、子どもが三人いてお金がかかるのだと涙ながらに訴える。浩太は、去られるのは寂しいが、よそから誘われるような一流の職人に育ったことを誇りに思うと章を送り出す。

感想

章が、退職=裏切りと思い込んでいる点が気になった。お世話になった会社はヤバイのに、自分がいち早く逃げ出すのは卑怯だという感覚なのかも知れない。が、今の岩倉は「仕事がない」のが問題なので、営業して仕事を取って来れるならともかく、職人さんは辞めてくれれば給料を払わなくて済むから、むしろありがたいのだ。

古川にせっつかれて、またリストラが断行されるかも知れないと感じた山田紗江が舞に嫌味を言うシーンがあった。確かに山田が辞めさせられたら、次の職を見つけるのは大変だろう、が、山田のような若い事務員に辞めてもらったところでたいした効果はない。それより、辞めても他があるだろう職人さんに辞めてもらうべきなのだ。

この世界のことはよくわからないが、普通は「自然減」というのがあるから、辞める人を引き留めない、補充をしないというだけで、ゆっくりしたペースではあるがリストラは進む。岩倉は社長がああいう人なので、経営者としては「?」な点もあるが、その人柄が慕われて、辞める人がいないのだろうか。



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「舞いあがれ」(064)

第14週「父の背中」(水)

放送日

  • 2023年01月04日

概要

工場嫌いの悠人が珍しく工場にやって来た。舞は誇らしく工場を案内する。そこで働く笠巻や結城に会釈する悠人だが、工場内の機械を物色するように一回りすると、お好み焼きのうめづへ行くと浩太やめぐみに会うそぶりも見せず、工場を後にする。舞、笠巻や結城も悠人の珍しい来訪を不思議に思う。(NHKオンデマンドの解説より)

悠人は結局自宅で食事をするが、めぐみからはもっと帰って来られないのかと責められる。また、浩太に「工場売ったらどや」と言って喧嘩になる。悠人は、借金は増えているんだろう、今ならまだ機械もきれいだし買うところはある、これ以上傷口を広げないことが大切だと説くが、浩太は、これまでコツコツやってきて、やっとここまできた、手放すなどできないとハナから悠人の話を聞かない。悠人が、損切ができないのは自分の間違いを認めたくないからだと言い放つと、浩太は「帰れ!」と怒鳴り、悠人は家を出て行ってしまう。

翌日、「ノーサイド」に悠人を呼び出した舞は、工場を立て直す方法を考えてほしいと兄に相談するが、悠人は舞に、お前のやっていることは無責任だと言い放つ。

感想

「悠人、もっと頻繁に帰って来られないの?」と言うめぐみさんが象徴的だ。そうじゃないだろうと思う。まずは「忙しい中、寄ってくれてありがとね、顔見れて嬉しいわ」じゃないのか。悠人は受験も仕事も人一倍頑張って、成果も出しているのに、両親から褒められたことが一度もないのではないか。

悠人は両親に褒めてもらいたいんだろうな。認めてほしいんだろうな。頼りにされたいんだろうな。あんな言い方はないでしょう、と舞は言うけど、反省して態度を改めるべきは、浩太やめぐみの方だと思う。

悠人は、貯金を崩して給料を払っているという話を聞いて、いくらなんでもそれはマズイと悠人なりに気にし、アドバイスをしに来たのだろう。言い方に気をつけないと浩太を怒らせるだけだぞ、と以前書いたが、工場を売ったらどうか、という提案は、悠人なりに、精一杯ていねいに、誠実に説明したと思う。

もっとも、リーマンショックを知っているわれわれ視聴者は、悠人の言い分が正しいとわかるけれど、渦中にいる浩太やめぐみに理解しろと言っても難しいのも事実だろう。もう少し頑張れば、いずれ好転するはずと思いたいのだ。でもそんなに簡単に好転しないのだ。きちんと状況分析のできている悠人だけはそれがわかっているのだが。

舞が両親のことを心配するのはいいのだが、だから工場で働く、というのは悪手だと思う。以前にも書いたが、外で働いてお金を家に入れる方がいい。この点も、悠人の意見に賛成だ。悠人が姿を見せたら、舞が「お兄ちゃん」と駆け寄り、「工場を案内したげるな」と言って工場内を連れ歩く。こんなの、舞が社長の娘だから許されることで、一般従業員だったらこんなことはできない。こういう人がいたら、他の従業員はやりにくいだろうなと思う。

舞が久留美から、「柏木さんとはどうなっているの?」と訊かれ、「たまにメールしている」と答えたのはよかった。久留美にそう訊かれるまで完全に柏木のことは忘れていた表情だったからだ。このまま柏木が出て来なくなっても、「柏木くんはどうなったの!?」と詮索する視聴者は、一人もいない、と思う。



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