第38回日本アカデミー賞

27日、日本アカデミー賞の発表があった。

最優秀賞

雑感

永遠の0」が8部門を制覇。2012年の「八日目の蝉」(10部門)には及ばなかったが、昨年の「舟を編む」(6部門)は上回った。

作品賞の候補は、他に「紙の月」「小さいおうち」「蜩ノ記」「ふしぎな岬の物語」。観ていない「ふしぎな岬の物語」以外は、どれも水準より上の作品だったと思うが、話題性から「永遠の0」なんだろうな。

実際「永遠の0」は確かに映画としては悪くなかった。しかし、8部門も押さえるほどの作品だったかどうか。どうも日本アカデミーは特定少数の作品だけが対象になっているような印象を受ける。「トリック劇場版」「女子ーズ」などがノミネートされないのはわかるけれど、「麦子さんと」「ジャッジ!」「抱きしめたい」「サンブンノイチ」「晴天の霹靂」「捨てがたき人々」などが全くかすりもしていないのは残念である。

主演男優賞は、まあ岡田君で文句なしとしよう。主演女優賞は、優秀賞の中から選ぶなら池脇千鶴、優秀賞にこだわらなければ「麦子さんと」の堀北真希、「ジャッジ!」「抱きしめたい」の北川景子、「晴天の霹靂」「喰女(クイメ)」の柴咲コウあたりを候補に推したいところだ。少なくとも宮沢りえじゃないだろう。

助演男優賞の岡田君も決して悪くはないけれど、ダブル受賞させるほどだったのかどうか。自分だったら「晴天の霹靂」の劇団ひとりを推す。助演女優賞黒木華は確かに悪くなかった。受賞に文句はないが、自分だったら「女子ーズ」の有村架純がイチ推し。

脚本賞土橋章宏は納得がいかない。以前もさんざん指摘したが、素材は面白いのに明らかな矛盾がいくつも目に付くからだ。

(2014/3/5 記)

第87回アカデミー賞

アカデミー賞が発表になった。受賞結果を記す。以下日本語表記は「2015年 第87回 アカデミー賞特集 受賞・結果速報」(映画.com)に従う。

「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」が作品賞、監督賞、脚本賞、撮影賞の4冠。作品賞にもノミネートされた「グランド・ブダペスト・ホテル」も、美術賞、衣装デザイン賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞、作曲賞の3冠を獲得した。

映画を割と観るようになってからアカデミー賞レースもそれなりに興味を持って見ているが、ここ数年では今年が一番興味が持てなかった。なまじ日本人の手によるアニメーション映画「かぐや姫の物語」「The Dam Keeper」がノミネートされていたため、日本での報道はこの二作がオスカーに輝くかどうかだけになってしまったのははなはだ興を削ぐ出来事だった。が、そもそも、作品賞・監督賞・主演助演賞・脚本賞の主要部門でノミネートされた作品のうち、観たことがあるのは「グランド・ブダペスト・ホテル」のみ。「6才のボクが、大人になるまで。」はちょっと話題になったことを覚えているが、それ以外はそもそも作品自体全く知らない。話題作に気づかず見逃したかと思ってちょっと調べたところ、ほとんどの作品は日本未公開のようだ。

どうしてこうなってしまうのか事情は知らないが、仮にもアカデミー賞にノミネートされるレベルの作品が、日本で観られないのは映画ファンとしては甚ださびしい。同時公開とは言わないが、数ヶ月以内に公開してほしいもの。特にノミネートされたら、賞が決まる前に公開するべきだ。公開自体は続々と決まっているようだが、終わってから観ても……(と思って過去記事を見たら、2012年のアカデミー賞の時も同じことを書いている)。

公開済み

作品名 日本公開日
グランド・ブダペスト・ホテル 2014/6/6
6才のボクが、大人になるまで。 2014/11/14
ゴーン・ガール 2014/12/12
ジャッジ 裁かれる判事 2015/1/17

公開中

作品名 日本公開日
フォックスキャッチャー 2015/2/14
アメリカン・スナイパー 2015/2/21

今後の公開予定

作品名 日本公開日
イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密 2015/3/13
博士と彼女のセオリー 2015/3/13
イントゥ・ザ・ウッズ 2015/3/14
バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) 2015/4/10
セッション 2015/4/17
サンドラの週末 2015/5/23
セルマ 2015/6/??
アリスのままで 2015/6/27
ナイトクローラー 2015/夏
ワイルド 公開日未定

第37回日本アカデミー賞

3月7日、日本アカデミー賞の発表があった。

最優秀賞

雑感

作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞、主演女優賞、助演男優賞助演女優賞で、優秀賞以上に選ばれた作品のうち、観ていないのは「利休にたずねよ」のみ。おかげで賞レースについてもあれこれ意見が言える。このぐらいのペースが映画ファンを名乗る最低ラインということだろうか。それにしても、こうなってみるとなおさら「利休にたずねよ」を見逃したのは惜しかった(観たいとはずっと思っていたのだ)。

今年は何しろ「舟を編む」が鉄板だったようだ。作品賞を含む6部門獲得。アカデミー賞以外の映画賞でも作品賞、監督賞、主演男優賞に相当する賞はだいたいこの作品が選ばれていた。しかし……よくできた作品だとは思う。僕も2回観に行ったし。しかし、ここまでone and onlyな作品だろうか。

作品賞は他に強力な対抗馬がいないから是としても、脚本賞三谷幸喜清須会議)か宮藤官九郎謝罪の王様)でしょ。主演男優賞は福山雅治渡辺謙だ。松田龍平が悪いわけではないが、彼は助演でこそ輝く役者。もっとも、今年の助演男優賞はちょっと無理だが。

主演女優賞と助演男優賞は、今年は文句なし。誰が見ても真木よう子リリー・フランキーしかいないだろう。しかし、真木よう子の主演&助演ダブル受賞はどうなのか。助演女優賞は他の映画賞では票が割れるところだ。いろいろ候補はいるだろうが、「そして父になる」から助演女優を選ぶなら尾野真千子だろうし、尾野真千子を選ぶなら「探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点」の方だろう。

「モンスター」や「ストロベリーナイト」「謝罪の王様」が全く候補にあがっていないのも、少々納得がいかない。
(2014/3/17 記)

第86回アカデミー賞

アカデミー賞が発表になった。受賞結果を記す。

それでも夜は明ける」は作品賞、助演女優賞、脚色賞の3部門獲得。前評判が高かった作品で、7日から公開予定である。さっそく観に行こう。

ゼロ・グラビティ」は、サンドラ・ブロックが主演女優賞を取れなかったのは残念だったが、監督賞、撮影賞、作曲賞、視覚効果賞、音響編集賞、音響録音賞、編集賞と7部門獲得。受賞部門も納得のいくところ。

ダラス・バイヤーズクラブ」は主演男優賞、助演男優賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞の3部門獲得。作品タイトルを初めて知った。全くのノーマーク。先月末から公開されているから、観てみよう。

ブルージャスミン」は5月10日公開、「her 世界でひとつの彼女」は6月28日公開。忘れずにチェック。

昨年の歌曲賞がなくなって主題歌賞ができたのだろうか(翻訳の違いかも知れないが、そこまで確認していない)。その主題歌賞の「Let It Go」は納得。予告編しか見ていないが、この歌の印象度は群を抜いている。日本語版では松たか子が歌っていて、思ったよりずっとうまくて驚いたが(松たか子さん、ごめん)、この歌は……たとえ歌詞が英語でもそのまま流すべきだ。

10部門ノミネートの「アメリカン・ハッスル」、5部門ノミネートの「ウルフ・オブ・ウォールストリート」は、いずれも何も受賞できず。残念がる声も多いようだが、僕はどちらもアカデミー賞にふさわしい作品だとは思えなかったので、順当な結果に思える。

いつも思うことだが、「日米同時公開!」などと騒がれる作品も多く、ヒットが予想される作品はあまり時差なく公開されているように感じるのだけど、こうして受賞作品を見てみると、日本ではまだ公開されていない作品が多い。作品賞の候補にあがった9作品のうち、「ダラス・バイヤーズクラブ」「her 世界でひとつの彼女」「あなたを抱きしめる日まで」が未公開で「ネブラスカ」も2月末に公開されたばかり。これでは賞レースを楽しめない。もっと早めに公開して、そして主要部門の受賞作は、短期でよいから再上映してほしい。

第36回日本アカデミー賞

3月8日、日本アカデミー賞の発表があった。最優秀賞のみ記しておく。

漫画のヒットもあって「桐島、部活やめるってよ」は確かに話題ではあったが、まさかアカデミー賞を獲るとは思わなかった。あまり興味はわかなかったが、こうなるとどんな作品か気になる。神木隆之介橋本愛山本美月大後寿々花など役者は揃っているようなので、機会があれば観てみたいが、劇場で再上映しないものか。優秀作品賞は「あなたへ」「北のカナリアたち」「のぼうの城」「わが母の記」。観たのは「わが母の記」だけ。

脚本賞の内田けんじは文句なし。「鍵泥棒のメソッド」は脚本がよく出来ていたもの。

主演男優賞は、まあ阿部寛でも悪くないが、個人的には役所広司の方がインパクトは上だった。優秀賞は堺雅人鍵泥棒のメソッド)、野村萬斎のぼうの城)、森山未來苦役列車)、役所広司聯合艦隊司令長官 山本五十六)、役所広司わが母の記)。

主演女優賞は文句なし。優秀賞は草刈民代終の信託)、沢尻エリカヘルタースケルター)、松たか子夢売るふたり)、吉永小百合北のカナリアたち)。ヘルタースケルターは観たかったなあ。

助演男優賞大滝秀治は、なんとこれが日本アカデミー賞初受賞とか。彼ほどの人ならこれまで5〜6回受賞していてもおかしくないと思うが……これが最後だからということでの受賞だろうか(大滝秀治さんは2012年10月2日逝去。87歳)。

助演女優賞余貴美子は、これが4度目の助演女優賞

録音賞の橋本文雄さんは2012年11月2日逝去。84歳。
(2014/3/17 記)

第85回アカデミー賞

アカデミー賞が発表になった。受賞結果を記す。

レ・ミゼラブル」を観た時、自分はさほど感動したわけではないが、こういう作品がアカデミー賞に絡むんだろうな、と思ったら本当にあちこち絡んでいたので、なるほど、というのが感想。*1一年前よりは洋画を観ているのだが、去年の方が興味が持てた。

実際に観た作品で、賞に絡んだのは「レ・ミゼラブル」と「007 スカイフォール」だけ。「幸せへのキセキ」はどこにもノミネートされなかった。マギー・エリザベス・ジョーンズには何かあげたかったが。

「アルゴ」はまだ上映しているところもあるようだから(これから一時的に増えるだろうから)、一回は観に行こう。

なお、主演女優賞にノミネートされたクワベンジャネ・ウォレス(「ハッシュパピー〜バスタブ島の少女〜」)は9歳(撮影時6歳)、エマニュエル・リヴァ(「愛、アムール」)は85歳で、ともに候補者として史上最年少および最高齢の記録。どちらかが受賞すれば受賞者の最年少か最高齢の記録を塗り替えるところだったが、どちらも受賞はならなかった。

*1:アン・ハサウェイの受賞に文句はないが、ファンテーヌ役が助演? というのは微妙に納得が行かない。あの映画は、主演男優=ジャン・バルジャン、主演女優=ファンティーヌ、助演男優=ジャベール、マリウス、助演女優=コゼットだろうと思うのだ。まあジャン・バルジャン以外は全員助演だということなんだろうが。

第35回日本アカデミー賞

日本アカデミー賞の発表があった。最優秀賞のみ記しておく。

「八日目の蝉」が総なめにした感のある今回のアカデミー賞だが、撮影賞とか照明賞とか言われても何をどう評価しているのかわかりにくい。主演女優賞、助演女優賞に関しては他に思い当たる人がいないので、順当だろう。しかし「山本五十六」が全く候補に挙がっていないのはどういうわけか?(調べたら、2011年12月10日までの公開作品が対象だそうだ。「山本五十六」は12月23日公開だから、来年の候補にあがってくるのだろう。)