窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「レインボーブリッジを封鎖せよ」

題名踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!
監督本広克行
脚本君塚良一
音楽松本晃彦
出演■湾岸署:織田裕二青島俊作)、深津絵里(恩田すみれ)、水野美紀(柏木雪乃)、北村総一朗(神田署長)、斉藤暁(秋山副署長)、小野武彦(袴田健吾)、佐戸井けん太(魚住二郎)、小林すすむ(中西修)、甲本雅裕(緒方薫)、遠山俊也(森下孝治)、いかりや長介(和久平八郎)

■本庁:柳葉敏郎室井慎次)、真矢みき(沖田仁美)、筧利夫(新城賢太郎)、小木茂光(一倉正和)、高杉亘(草壁中隊長)、神山繁吉田敏明、警視庁副総監)、大和田伸也(安住、警視庁)、小泉孝太郎(小池茂)、ユースケ・サンタマリア真下正義)、佐々木蔵之介(捜査一課捜査員)、眞島秀和(捜査一課捜査員)

小西真奈美(江戸りつ子)、岡村隆史(増田喜一)、山下裕子(スリの常習犯、母親)、原田修一(スリ一家、父親役)、神木隆之介(スリ一家、長男役)、向井地美音(里佳子、スリ一家、娘役)、マギー(国見昇、犯人グループの一人)、入江雅人(高橋健三、犯人グループの一人)、森下能幸(三島龍也、犯人グループの一人)、木村靖司(中島高志、犯人グループの一人)、三宅弘城(瀬川吉雄、犯人グループの一人)、他。
公式サイト踊る大捜査線 THE MOVIE 2ポニーキャニオン
制作日本(2003年7月19日公開)

三連休最後の今日、19日に封切られた映画「踊る大捜査線」を観てきた。本当は昨日の日曜日に観るつもりだったのだが、午後映画館に行ったら、その日の最終上映分までチケットは全部売り切れ。あらー、そこまで人気があるとは思わなかったよ。仕方なく、翌日(つまり今日)の分のチケットを購入して、改めて今日出かけてきたというわけだ。

ところで、この映画を、「踊る大走査線」と書く人が非常に多い。Googleで検索してみると、「大捜査線」が44,700件、「大走査線」が5,330件ヒットする。約12%、単なる誤変換にしては多過ぎる。どこかのかな漢字変換システムが「だいそうさせん」とするとこう変換してしまうのだろうか。

あまりネタばらしをするつもりはないが、まだ観てなくて、観ようと思っていて、だからあまり中を知りたくない、という人は、このあたりで読むのをやめてはどうでしょう、というわけで、いきなり脱線話で時間(行数)を稼いでいる次第。

ミステリーではないのだから、ネタバレも何もないだろうという気がしなくもないが、オフィシャルサイトでは「湾岸署より」として、ネタをバラさないようしつこく注意しているし、実際ネタバレに抵触した書き込みが管理人さんによって削除されたりもしているようだ。制作者側がそこまで気を遣っているなら、僕も多少は協力しよう。

というわけで、長い前置き。まだ観てなくて、観ようと思っている人は、このあたりで引き返してください。

感想をひとことで言うと、面白かった。もう一度くらい観に行きたいと思う。邦画は滅多に観ない僕がこういう感想を持つのだから、かなりだと言ってもいいかも知れない。この前邦画を観たのはいつだったっけかな……と考えてみると、もしかして5年前の「踊る大捜査線 THE MOVIE」だったのではないか。千と千尋は(劇場では)観ていない。すまん。

で、面白いことは面白かったのだが、これって、前作あるいはテレビ上映分を知らない人が見てどこまで面白いと感じるのかは疑問だ。それなりには楽しめると思うけど、何箇所かあった爆笑シーンは、いずれも過去の作品からのリンク。だから、踊るファンの人は楽しめると思う。これまでの作品をあまりよく知らない人は、映画を観る前にビデオで予習しておくといいかも知れない。

さて、いよいよ内容に触れる。まだ観てなくて、観ようと思っている人は、そろそろ……(しつこいな)

映画になった前作と比較すると、ストーリーや話の運び(テンポ)は今回の方が上か。前作は少々間延びしているところがあったが、今回は気にならなかった。

もっとも、前作は「事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きてるんだ!!」という、映画史上に残る名セリフがあった。僕はテレビをリアルタイムで観ていたわけではないため、前作が封切られた時はどんな話なのか全然知らなかった。が、このセリフを予告で聞いて「観よう」と思った。そのくらいインパクトのある言葉だった。今回は残念ながら、ここまで印象的なセリフはない。室井さんが指揮権を手にした瞬間がクライマックスなのだから、そこでのセリフはもう少し練りに練った、何度も口に出して言いたいものであってほしかったが。そこまで期待するのはないものねだりか。

ちょっと気になるところ。

5年前は空地だらけだったお台場も、現在は開発が進み、毎日大勢の人の集まる名所に。それに伴い、湾岸署は観光案内や迷子の対応に追われる忙しい毎日を送るようになった。しかし、人が増えていない。青島君のチーム(刑事課強行犯係)は、そうでなくても和久さんが退職、真下君が本庁へ栄転と人が減っているのに、なぜ補充されないんだろう? テレビ本編当時から人の入れ替わりがないのは、ちょっと寂しい気がする。映画だから、新しい人物が登場しても、そのキャラクタを描くだけの余裕はあるはず。もしこれからさらに続編を作るとしても、同じメンバーで続けるのはそろそろ苦しいのではないだろうか? あ、そういえば柏木雪乃が刑事になっていたのかな?

制作発表の時に「おなじみの青島のコートが、今回も血に染まります」と言っていた。実際はどうだったか? というのはまあおいておいて、封切りが7月19日。ロングランを続けるだろうとはいっても、三ヶ月続いたとしても10月。上映のピークは初夏から初秋までということになる。それなのになじぇコート!? そういう暑っ苦しいカッコはちょっとやめてほしい。今のところはまだあまり暑くなっていないのでまだ違和感がないが、来月になったら、画面を見ているだけで暑苦しくなるのではないだろうか。

神田署長は、もともと情けない役回りなのだけれど、それにしても今回は情けないのを通り越して、ヒトとしてどうよ? という場面があり、しかも、それを挽回するような「ほんの一瞬だけどカッコいいところ」が何もなかった。それがちょっと残念だった。

しかし、実はレギュラー陣の中で僕が最も好きなのは、ユースケ・サンタマリアなのだが、今回は真下君がとってもとってもカッコ良かったから、それだけで十分満足したのであった。僕が女だったら、今の真下君に正面から口説かれれば、身も心もメロメロになってしまうだろう。それなのに、ああそれなのに。女性を前にすると照れてしまうんでしょうかねえ。雪乃さんが「なんで真面目に口説いてくれないの!」と怒る気持ちはよーくわかりますです。