題名 | イルマーレ |
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監督 | アレハンドロ・アグレスティ |
出演 | キアヌ・リーブス(アレックス・ワイラー)、サンドラ・ブロック(ケイト・フォースター)、他 |
公式サイト | 「イルマーレ」 |
制作 | USA(2006年9月23日公開) |
十分、楽しめた。映画を観るというのは楽しいものだ。そういう気分にさせてくれた。話も面白かったし、画面の風景はきれいだったし……特にあの湖は。これといった際立った特徴があるわけではないが、いい映画だったと思う。数年後に印象に残っているかどうかは、わからないが。
9月23日の封切で、今さらネタバレ云々もないだろうからどんどん書く。
- キアヌ・リーブスもサンドラ・ブロックも、「スピード」以来のファンだ。もう、あれから12年も経つんだな……。キアヌの方はまだしも、サンドラの方はアップになると「ああ、彼女も歳を取ったなあ」と感慨もひとしお。相変わらずきれいな人ではあるのだが、率直に言って、独身同士のラブドラマの主役を演じるのは、年齢的にもう無理なのではないか。二人とも、もう42歳なんだぜ。
- 物語冒頭の交通事故、医師のケイトが目の前で人が死んでいくのに何もできなかった、という事件が、単に彼女に虚無感、倦怠感を運んできたというエピソードにしては、いやに強調されているなあと感じ、何かの伏線になっているのかなと思った。ようやくめぐってきた初めてのデートにアレックスが結局来なかった時に、その原因に思い至り、そういう話だったのかと胸が詰まった。終盤、真相に気づいたケイトが我を忘れて駆けつける場面がクライマックスだが――
- アレックスはそのまま事故で死んでしまう方がドラマツルギーとしては良かった。人が死ぬ方がいいとは残酷な言い方だが、彼が事故を回避してしまうと様々なパラドックスが生まれるのに、それに対する説明が何もないのはひどい。恋愛映画でSFじゃないからいい、ということにはならないだろう。逆にあそこで事故に遭っていれば、物語には何の矛盾も起きず、みんなで涙を流してカタルシスを得ることができたのだ。
- サブタイトルが「Tha Lake House」(湖畔の家)になっているけど、これがメインタイトルの方がよかったんじゃないか。「イルマーレ」というレストランは、確かにひとつのポイントになっているけれど、二人を結び付けているのはあくまであの家だったのだから。2000年の韓国映画のリメイクだそうだが、元の映画では家の名前が「イルマーレ」だったそうだ。それなら、わかる。
- パーティーの時にちらっと顔を見ただけの人、というならともかく、二人だけで話をし、キスもして、住む家まで紹介してもらっているのに、その後「アレックス・ウィラー」の名前を聞いても全く思い出しもしなかったケイトは、いささかヒドイ。「心惹かれた」というなら、名前くらい覚えておけよ。
- アレックスとの文通を辞めることにしたあと、再びモーガンとよりを戻した意味もよくわからない。単に、新しい恋人ができた、だけでよかったのに。モーガンも、またしても振られる(しかも、同じ男に奪われる)なんて、ちょっと間抜け。
- 手紙という古風な道具がよかった。しかもワープロではなく、手帳やノートに手書きで走り書きしたものを見せ合うというやり方に郷愁を覚えた。今だったらメールとかチャットということになるのだろうし、それで育つ愛情もあるのだが、手紙の束を見つめて物思いに耽る、という真似はメールでは無理だな。そう、この映画の肝は、手紙によって愛情が育まれていくところなのだ。
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