窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

ウルトラセブン一気視聴 (4):Vol 8

なぜ侵略者はモロボシ・ダンのことを知っているのか?

ウルトラ警備隊の隊員ですら知らないような防衛機密を、侵略者はよく知っている。地球にウルトラセブンという超人がいることは、多少の下調べをすればわかるかも知れない。しかし、普段はモロボシ・ダンに扮していることや、ウルトラアイのことをどうして嗅ぎつけているのか? また、ダンは、自分の存在が侵略者たちの間では知れ渡っていることを感じながら、さして警戒する様子もなく、ウルトラアイの保管方法も変えない。そして何度もウルトラアイを盗まれたり、なくしたりする。まあ、ものをよく失くしてその都度真っ青になって大騒ぎする人はいるけど、そういう人が反省して二度と騒ぎを起こさないか、というと、たいてい同じ人が繰り返すんだよなぁ……

各話コメント

  • #30「栄光は誰れのために」:普段はウルトラ警備隊のメンバーが中心で、しかも彼らは結構間抜けな行動をしたりしているため、ともすると忘れがちなのだが、防衛軍の中でウルトラ警備隊はエリート中のエリートであり、他のメンバーからは羨望の眼差しで見られているのだ。当然、嫉妬も対抗心もあるだろう。対抗心は結構だが、手柄を狙って必要な報告をせず、それが原因で危機を招くのは許されることではないが、実際に世の中へ出るとそういうことはいくらもあるわけで……40年も前にこうした内容を制作・放映していたのかと思うと驚く(とはいえ、ウルトラセブンにはこの手のネタは意外に多い)。
  • #31「悪魔の住む花」:ウルトラセブンは巨大化するだけでなく、小さくもなれることがわかる。しかし、鼻の穴の中にはいるだけなら1〜2mmほどの大きさでいい(つまり、1/1000に小さくなればいい)し、実際テレビでもそのくらいの大きさに描かれていたが、ダリーが巣食うのは肺の毛細血管上だとすると、その大きさは数ミクロン以下と考えられ、セブンはさらにその1/1000にならないといけない。この大きさの世界は単なるスケールダウンでは済まない。まさに未知の世界だろう。セブンが生還できたのは奇跡ではないか。ちなみに子供の頃に見た時、セブンとダリーは鼻の穴の中で闘っているのかと思った。さて、真面目に考えると突っ込みどころ満載である。ダリーが一匹というのはいくらなんでもヘン。個体数は大きさに比例する。万あるいは億という単位で繁殖しているのではないか。それにあんなに複雑な身体つきをしているのはオカシイ。奴の細胞はどんなに小さいんだ。エメリウム光線のような光線技は、相手の身体を突き抜けたり、かわされたりした時に宿主の人間の身体を激しく傷つけるから禁止技だろう。平気で使っていたけど。微小な世界では液体の粘性は(相対的に)著しく増す。どんなにさらさらな液体も水飴のように感じられるのだ。セブンが体液に溺れるように苦しんでいたのは、そのあたりを表現したものか? しかし数ミクロンの世界ではそもそも液体なんて概念があるのかな。香織役をやった役者は若き日の松坂慶子さん。でも全然可愛くないぞ。まあ大人になった松坂慶子が美人か? といえば、それはそれで……
  • #32「散歩する惑星」:カプセル怪獣アギラ初登場。なぜミクラスでもウインダムでもなくアギラなのかは不明だが、四足のリッガーにはこうした体型の方がいいと判断したのか。冒頭で、この散歩する惑星はアステロイド・ベルトから外れた小惑星と推定された。アステロイド・ベルトとは、火星と木星の間に位置する小惑星帯のことである。現在ではメイン・ベルトと呼ぶ方が普通だが(太陽系内に小惑星帯は他にもあるから)、当時は確かにこう呼んでいた。しかし英語で言われても、ほとんどの視聴者はわからなかっただろう(「小惑星帯」なら大半の人はわかると思うが)。さて、話は面白いが最後の処理が気にかかる。この散歩惑星からフルハシ、アマギは脱出したがダンは行方不明。惑星は爆発。セブンの尽力で爆発が地球に影響を及ぼすことは避けられたが、その後ダンはどういう言い訳をして原隊復帰を果たすのだろう。物語はそこまで描かれていなかったが。
  • #33「侵略する死者たち」:見覚えがない。僕が見逃しているエピがあるとは信じられないが、記憶にない。さて、死者を操る侵略者、実体がなく厳重な警備をすり抜けていくシャドウマン、いったんセブンに変身して闘うもあっさりと(小さくさせられて、コップに)閉じ込められ、再び宇宙空間にある敵の基地と交戦するも、再びセブンは捕らえられる……など、これまでになく不気味で、強力な能力を持っている。セブンが捕らえられて手も足も出なくなるのはシリーズを通じて初であり、かなり驚かされる。もっとも、窮地に陥ったセブンを助けるのはウルトラ警備隊であり、彼らの存在価値がクローズアップされるという側面もある。それにしてもこの回のホーク1号は強い。いつもはあっさりと敵の攻撃にやられてしまうのに、ことごとくかわし、敵の円盤やミサイルを順に破壊し、さらにセブンまで救出するさまは凄味を感じさせた。大気圏外であそこまで自在に動き回れるものか? という疑問はあるにしろ……。一方、ダン(セブン)はちょっと情けなかった。ホーク2号で敵基地と交戦するも、怪光線にやられてあっさり撃破される。セブンに変身して脱出し、再度交戦するが、再び同じ怪交戦にやられて動きを止められ、つかまってしまう。同じ手に二度もやられるなよ! と歯がゆく思ったのは僕だけではあるまい。そして、#32と同様、ダンはどういう言い訳で原隊復帰を果たしたのか気にかかる。大気圏外で宇宙船が爆破されたら生存の望みはない。しかしキリヤマ隊長は、ホーク2号が爆破されてもさほど悲しむ様子もないし、ダンが生きて帰ってきても、復帰を喜ぶだけでどうやって地上に戻ってきたのか聞こうともしない。

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