窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

新・空手バカ一代2 復活編(DVD)

題名新・空手バカ一代2 復活編
原作真樹日佐夫「格闘者」
脚本真樹日佐夫
出演永井大雛形あきこ岡崎礼、しいなまお、角田信朗、力也、ジョニー大倉
制作日本、2003年

「新・空手バカ一代 格闘者」の続編。というより、どうも一緒に作られたみたい。ふたつでひとつの作品ということのようだ。

ストーリーはまあまあ。もともと、そこにあまり多くは期待しないが、それほど変でもなかった。

格闘シーンは、今回はヤクザとの喧嘩がほとんど。殺陣というか約束組手っぽい感じが全然なく、ある程度本当に闘っているように見えた。それだけで見た価値はあった。

一流のプロレスラーを多数起用しているのはよかったと思う。投げ技、組み技はある程度加減できるが、打撃技は力を抜けば素人が見てもバレバレで迫力が半減する。といって本気で蹴り込めば怪我人続出である。その点、プロレスラーの身体の鍛え方は半端じゃないから、素人の永井の蹴りやパンチなら、仮によけずにまともに受けたとしても、たいしたダメージはないはず。だから永井も本気で殴り、蹴ることができた。

ただし、矢部組の代貸し(?)との闘い方はまずかった。最後にのしかかってきた相手に目突きをくらわして倒したのはいいとして、そこに至るまで通常の蹴りやパンチで徐々にダメージを与えていった風だったが、巨漢の柔道経験者に対して、丈一郎のような痩せた男が普通に蹴っても効かないはず。ここは全体重をかけた空中キックを頭部に入れるしかないだろう。

逆に、空手の達人である角田信朗(の扮するヤクザの用心棒)相手に起死回生の胴回し蹴りで勝ったが、空手の心得のある人間にこんな大技を披露してもあっさりかわされるのがオチのはず。相手の年齢からして、スピードとスタミナは丈太郎が勝るだろうから、攪乱しつつ、小技で少しずつダメージを積み重ねるしかあるまい。このあたりはちょっと疑問に感じた。

再度弟子入りしたツトム(岡崎礼)は、組手では丈太郎の相手じゃないが、稽古風景を見る限りでは、中段蹴りはきちんと中足を返していたし、パワーもあり、本当は岡崎礼の方が永井大より強そうだ。

しいなまおの起用は良かった。割にセクシーでドキドキしたし、役どころ相応といってしまえばそれまでだが、決して下手ではなかった。一方、雛形あきこはチョット……。狩野丈太郎の父親に後妻として嫁ぐが、夫は義理の息子に(稽古中のこととはいえ)殺されてしまう。夫の死を悲しみつつ、一方で父親を殺してしまったことに苦しみ、悩む義理の息子を暖かく見守ろうとする。その息子は少しずつ心を開いてくれるようになったが、自分を母親としてではなく、女として見るようになった……という、大変重要な役どころなのだが、表情は変わらず台詞は棒読み。デビューして10年以上、ドラマにも映画にもたくさん出ているのに……

新・空手バカ一代 2 [DVD]

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