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題名 | どろろ |
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原作 | 手塚治虫 |
監督 | 塩田明彦 |
出演 | 妻夫木聡(百鬼丸)、柴咲コウ(どろろ)、瑛太(多宝丸:百鬼丸の実弟)、原田美枝子(百合:百鬼丸の実母)、中井貴一(醍醐景光:百鬼丸の実父)、麻生久美子(お自夜:どろろの母)、原田芳雄(寿海:百鬼丸の養父)、杉本哲太(鯖目)、土屋アンナ(鯖目の奥方)、劇団ひとり(チンピラ)、きたろう(占い師) |
公式サイト | どろろ |
制作 | 日本、2007年 |
- 意外に面白かった(もっとチャチな作品を予想した)。柴咲コウが浮きまくりだったけど、それを除けば他の役者はしっかりしていたし、話の運びもよくできていた。妻夫木の百鬼丸はカッコよかった。でもあとで映画評とか見ると、柴咲コウが主演した映画は必ずヒットするそうで、「どろろ」もその例に洩れず……。つまり柴崎コウあっての作品、的な評価になっているようだ。えー。
- どろろは、原作では「年端のいかない子供」である。腕白なので男の子かと思ったら女だった、という点に意外性があるが、柴崎コウは25歳。成熟した大人の女であり、男の子のふりをするのは無理がある。それ以上に、子供っぽさを強調したものいいや態度を取っていたが、現代社会でも25歳といえばいい大人だが、あのような戦国の世ではもっと精神年齢は上のはずで(そうでなければ生きていられまい)、あの役作りはおかしい。脚本の失敗だともいえるが、もう少し演じようがあったのではないか。
- 原作は、ストーリーがどうとかいうより、まず第一にとても「不気味な」漫画だ。その不気味さが、怖いもの見たさで惹きつけられた要因だった。たとえば、最初の方で、誰かが百鬼丸の後をつけてくる。それはわらじだ。誰も履いていないわらじだけが、ひた、ひた、ひた、……と足音をさせるのである。こんなぞっとする光景があろうか。百鬼丸がぱっと振り返って刀で斬りつけると、わらじがぱかっと切れて、血がどっと噴き出す。こんな異形の世界があろうか。
- 映画では不気味さはとっぱらわれて、いわゆる超能力を持つ異生物、妖怪ではなく怪獣との闘い、といった雰囲気になっていた。この点は少々残念だったが、理由がわからないこともない。
- 原作はかつて一度アニメ化されている(それを見ていた世代だ)。が、身障者や差別などいろいろ問題をはらんでおり、それが理由でその後一度も再放送されていないらしい。で、そうした問題に対する解決のひとつとして、本映画では不気味さを強調するのをやめたのではないかと思う。
- それでも、生まれたばかりの(身体48箇所の欠損のある)百鬼丸を見た時は、気持ち悪かった。実写映画にすべきではなかったのかも知れないなあ……
- 多宝丸が登場した時は、驚いて「あっ峰くん」と言いそうになった(「のだめカンタービレ」の峰龍太郎役と同じ役者が演じた)。峰くんと違って、実に落ち着いていて、きちんと作法を仕込まれた一人前の大人の男であった。多宝丸は、原作では残虐な父親の血を引いて輪をかけて残虐であり、かつ頭の回らない人間だったが、映画では割にいい役だったのでほっとした。
- しかし、「のだめカンタービレ」の峰くんは眉毛を剃っていたと思うのだが、多宝丸は普通に眉があった。映画の封切が2007年1月だから、撮影は前の年の秋に行なわれたはず。「のだめ」のテレビ放映は2006年の9月〜12月。時期がかぶるがこれだけ性格の違う役柄を続けて(もしかしたら並行して)演じていたのだろうか? 眉毛はどうしていたのだろう?
- 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
- 発売日: 2007/07/13
- メディア: DVD
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