窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

ガリレオ 第1話「燃える」

出演

放映

2007年10月15日〜

解説

改めて見てみると、なかなかよくできている。「実に、面白い」。

原作で中心となって働く草薙俊平は、これまで立てた手柄によって栄転、新人の内海薫に湯川学の存在を教えて去る。内海は湯川と新たに関係を築こうとするが、恐らくそれは、草薙−湯川の関係とは全く違ったものであろうことは容易に想像がつく。ここら辺りから小説との乖離が始まる。

事件の相談にいく内海。それを阻止しようとする栗林宏美。強引に事件に引き込み、あれこれ非論理的に話しかける内海をいったんは「犬のうんち」などと言い捨てて優位に立つが、感情を爆発させた内海を扱いかね、距離を置くのではなく仲直りを申し出る。みえみえの嘘泣きにコロリと騙され、仮説が検証される前に説明してやったりと、早くも内海に振り回されるようになっており、先が思いやられる(笑)。

路上でインスピレーションのわいたガリレオ先生は、道路に石で数式を書きなぐり出す。この数式は実際に怪現象を表わす式を書いているらしいが、現象を整理するなら図を描いた方がはるかにいいはずで、恐らく瞬間的に集中し、考えをめぐらすための「儀式」が「数式を書きなぐる」ことなのではないか。

湯川の口癖もそうだが、こうした少々度を越した表現のパターン化が、シリーズドラマ全体を見た時に、いい塩梅になっているのだ。これは、当初は気付かなかったことだ。

小川真奈から重要な目撃証言を引き出すが、湯川自身は子どもが嫌いだといって直接口をきかない。

犯人が誰かは視聴者には最初からわかる。従って、興味はどうやって人を殺したのか、そしてその謎をどう解くのか、ということになるが、解けてみると実は被疑者の言い分とは全く違った裏があることがわかる……と、ミステリーとしての面白さも堪能させてくれる。

冒頭で、内海が草薙に「田園調布ねずみ男事件も草薙さんが解決したんですよねー!」と言う場面があって噴き出した。昨日見たばかりのサイドストーリーじゃん! ここからのリンクだったのか。

草薙がいなくなったあと、内海は先輩の弓削志郎と行動を共にするが、城ノ内桜子に会い、死体に対面した時、弓削が吐いてしまうのに対し、内海は(吐きそうになるが)耐える。なるほど、弓削はちょっと頼りないが、それに比べて内海は頑張り屋さんだ。

女性の先輩として、内海は城ノ内に惹かれるものがあったのだろう。湯川と付き合うのに苦労している時に城ノ内に愚痴をこぼしにいく。ここで「女の武器を使ったら?」とアドバイスされて嘘泣きを思いつく。

ラストシーンで、湯川が内海の嘘泣きに気づいた場面にかぶせて主題歌「KISSして」が流れ出し、エンドロールにつながるのが秀逸。

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