解説
ストーリーには突っ込んじゃいけない、というのは既に十分学習したが、でもひとこと。なぜ菅原静子と峰村英和は瀬戸冬美を自殺させる必要があったのか、「さっぱり、わからない」。因果を含めて菅原満に近づいてもらい、浮気させたところで証拠を押さえて慰藉料をもらえば、静子の目的は達せられたはず。
冬美にしても、予定通り助かるように仕組んだとしても、満の前で自殺してみせる理由がわからない。要するに、原作を書き換えたことで、一番肝心な、冬美が死ぬ理由がなくなってしまったのだ。バッカじゃないの? ついでにいえば、静子が峰村を殺した理由も「さっぱりわからない」。
まあ、他が面白かったからいいけど。
今回は、いつも捜査なんかに時間をつかわず本業にいそしみましょう……と主張する栗林宏美が持ち込んだ事件。友人である菅原満が、目の前で愛人に死なれ、それがもとで新妻から離婚され(莫大な慰藉料を取られ)、しかも、愛人の自殺を予知したなどというもので、「帝都大のガリレオと呼ばれるオレが解決してやる」などと大見得を切って、しかも自分ではわからないから湯川学と内海薫に相談する。
内海は露骨に嫌がるが、まあ、二股かけていた男の不幸だから、女として協力しようという気になれないのもわかるが、湯川研究室の一同にはいつもお世話になっているのだから、ここまで露骨に嫌がらなくても、とは思う(第3話と同じ)。
弓削志郎は、ひったくりの被害者に一目惚れ。携帯番号を聞くのと教えるのとどっちがいいかなあ? とわざわざ内海に電話してきてあきれられる。
深田恭子の演技が白眉。最初に満が招いた峰村を迎えた時のにっこり笑顔は、世間知らずのお嬢様、純情無垢なかわい子ちゃんという様子だったが、最後に、湯川から「お金に執着する人は科学者には向かない」と言われたあと、「じゃあ、私は、ダメですね」とほほ笑んだ時は、ゾッとするような凄味があった。単にかわいいだけ(と、胸が大きいだけ)の女優だと思っていたけど、いつからこんなにうまくなったのか?
自分が徹底的に騙されていたと知った満と栗林を飲みに誘い、「こんなときは、男どうしでさみしく飲むのが一番です」という湯川に、これまでとは違った一面を見た。こんなに温かい人だったっけ?
ラスト、ついに湯川が「鉄」(鉄道オタク)になった! まあ、彼の性格からして、これまで鉄に無縁だったのも、不思議と言えば不思議だが。
湯川のインスピレーション
HuRoBot社のロビーで、ガラスケースに。内海が弁解していたが、あんなことをされては会社も困るだろう。あとで内海が掃除したのか?
湯川のスポーツ
今回はボクシングをやっている。なかなか堂に入っていた。なんとまあ多才な人。
ゲスト
これまでのゲストの中で、印象度は今回の深田恭子がピカ一だ。
リンク
- ガリレオ 第7話(ブタネコのトラウマ、2007/11/26)
- ガリレオ 第七章 予知る(ドラマは何でも教えてくれる、2007/11/27)
- ガリレオ 第七章「予知る(しる)美しき妻の愛した恐怖の殺人装置」(TV雑記、2007/11/27)