窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

テレビドラマのクライマーズ・ハイ

クライマーズ・ハイ」が映画化される前にNHKでドラマ化されていたことを知り、どんなものか見てみた。思ったよりずっとよかった。

出演

放映

2005年12月10日・17日

感想

あまりドラマに詳しくない僕でも知っている役者が大勢出ていた(踊る大捜査線で爆弾処理班の班長だった松重豊ガリレオでインチキ占い師だった新井浩文のだめカンタービレで裏軒のオヤジだった伊武雅刀踊る大捜査線・アンフェア・富豪刑事などでおなじみの寺島進など)。結構豪華な顔ぶれである。

映画も細部は忘れているが、記憶を元に比較すると……

  • 映画では、なぜ新聞社の話に「クライマーズ・ハイ」というタイトルがついているのか、今ひとつ明確でなかった。原作は、じっくり読めばわかるようになっている。本作ではそれが明確に示されていた。明確過ぎて、余韻余情に欠けるきらいはあったが。
  • 予算のせいなのかどうか、タイトルロゴがちょっとチャチかった。あれはドラマの顔だから、もう少しなんとかしてほしかったな。
  • 映画での堺雅人の佐山は、余人をもって代え難しと思っていたが、大森南朋の佐山も良かった。堺ほど熱くないけど、リアルだった。それに、滑舌が良かった(堺は、時々セリフが聞き取れないことがある)。
  • 時間の制約のせいか、映画では望月彩子のエピソードは省かれていたが、本作では比較的忠実に再現されていた。やはり、この話はあった方がいい。悠木の信念や左遷された経緯などが明確になるからだ。
  • 一方、映画では、悠木の母親と社長との関係がほのめかされていたが、本作では全く触れられていなかった。原作ではどうだったんだっけ? 削除されたことによる違和感はなかった。
  • ドラマで使われるニュースの多くは、実際にNHKで放映された映像を流用しているのだろう、迫真性があった。
  • 佐山と神沢が現場に駆けつけ、記者雑感を決死の思いで送ってくるところの迫力と盛り上げ方は、映画の方がはるかに勝っていたように思う。雑感を落とされた件に関しても、佐山と神沢は若干物わかりが良すぎる気がした。あんな社長の下で何年も働いていると、ものわかりがよくなってしまうのか? 映画では「なぜあの時言ってくれなかったんですか」「……言えなかったんだ」という悠木に佐山は「言えよそのくらい!!」と喰ってかかるし、神沢の「2日目以降は(死体が片付けられているから)現場じゃないです。本当の現場は初日だけですよ」というセリフも印象的だったが……。映画では、神沢がそのままおかしくなってしまう。当時はやり過ぎの気もしたが、そのくらいすごかったという表現としては良かったのかも知れない。
  • 原作では、あの社長ものちに失脚すると明記されていたが、本作ではそれには触れられていなかった。が、それは触れてほしかった。あの社長だって現場から這い上がっていった人間だろうに、よくもあんなことが言えたもんだ。というか、あんな社長によくみんな従っているもんだと思う。僕らの業界だったら、あっという間に人がいなくなっちゃうだろうな。

過去記事

リンク

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