窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

映画「大阪ハムレット」(DVD)

新作を借りるのは珍しいが、どんな風になっていたのか見てみたかった。結論としては、こんな風に作ったのかということがわかって満足、というレベルにとどまった。

題名大阪ハムレット
監督光石富士朗
原作森下裕美
出演松坂慶子(久保房子)、間寛平(房子の夫)、岸部一徳(おっちゃん)、久野雅弘(久保政司、長男)、森田直幸(久保行雄、次男)、大塚智哉(久保宏基、三男)、加藤夏希(明石由加)、本上まなみ(アキちゃん、房子の妹)、白川和子(祖母)、他
制作日本(2009年1月17日公開)

原作は、行雄のハムレットの話、宏基の女の子になりたい話、まさしの8歳年上の由加と付き合う話は、それぞれ独立した短編だが、ひとつの話にまとめる関係上、まさしが行雄の兄、宏基が行雄の弟ということになっている。従って、死んだ父も、父が死んで四十九日も済まないうちに新しい男と暮らし始める母さんも、その新しい男であるおっちゃんも、三人に共通ということになる。顔も性格もあまりにも似ておらず、最初は違和感があったが、全員父親が違う(かもしれない)、と思えばこれはこれでいいのかな。

兄弟なので全員久保姓である。原作ではまさしは浜口、宏基は松田だが。由加の姓が原作の柴田ではなく明石になっていた理由は不明。宏基に影響を与えた叔母のアキちゃんは、父の妹ではなく母の妹ということになっている。

大塚智哉を筆頭に、久野雅弘森田直幸岸部一徳間寛平ら男性陣は、いかにも原作を彷彿とさせる顔ないし雰囲気で、一目でどの役をやっているのかわかるほど。逆に女性陣は、松坂慶子加藤夏希本上まなみも原作とはかけ離れた設定。原作に似ていることがいいとはいわないが、この漫画は、まず第一に美男美女が一人も出てこない、ということが非常に重要だと思う。映画では女性が全員美人(祖母は白川和子で、これも若いころは一世を風靡した女優)。この意図はどうであったか。

松坂慶子は根が上品で、下町の肝っ玉母さんを演じるのは無理。加藤夏希もあの顔であのセリフはクサイ。本上まなみも、かわいらしく着飾ることに執着したアキが実は不美人であることに意味があるのかも知れないけど、映像的にキレイだったのでよしとする。

個々のエピソードは比較的原作に忠実だった。けど、最後に、宏基を執拗にいじめていた連中が、宏基のシンデレラをみて感動する、というのは、なんでそこを原作と変えたのか不思議。原作は、いじめっ子が、さらにいじめようとたくらんで、自分らのボスをけしかけたところが、そのボスが、「こいつカッコエエやん、ほっとけや!」といい、それを聞いた宏基が「カッコエエっていわれるよりカワイイっていわれたいんだけど……」とつぶやくのがミソなのに。

行雄がりゅうのすけに、ハムレットを読んだ悟りを語る場面(泣いたり笑ったり、それでバランスをとっているちゅうこっちゃ)は、原作にはないが、ちょっと良かった。

大阪ハムレット デラックス版 [DVD]

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