公開が1986年だから、23年も前になる。主演の石原真理子は22歳。当時は清純派の女優として一世を風靡していた頃ですなあ……。
題名 | めぞん一刻 |
---|---|
制作 | 多賀英典 |
監督 | 澤井信一郎 |
原作 | 高橋留美子 |
出演 | 石原真理子(音無響子)、石黒賢(五代裕作)、藤田弓子(一の瀬花枝)、中垣克麻(一の瀬賢太郎)、伊武雅刀(四谷)、宮崎美子(六本木朱美)、河合美智子(七尾こずえ)、田中邦衛(男)、萬田久子(女)、大滝秀治(和尚)、有島一郎(音無響子の義父)、深見博(茶々丸のマスター)、他 |
制作 | 日本(1986年10月10日公開) |
感想
伊武雅刀の四谷さんは当たり役だ。これは誰が見てもそうだろう。「教えてあげません」という初期の高橋留美子特有のギャグも、見事なタイミングで演じていた。それだけで見る価値がある。
それ以外の役者は原作のイメージからかけ離れていると思うが、人それぞれ好みもあると思うので言っても仕方がない。特に一の瀬さんは漫画ならではのキャラで、実写でイメージを合わせるのは本来無理だから、藤田弓子はよくやっていた。
それより、この脚本はなんなんだろう。
漫画の「めぞん一刻」は、基本はボーイ・ミーツ・ガールの物語である。ずっと追いかけっことすれ違いを続け、最後に二人が結ばれてカタルシスを得るのである。最初のいくつかのエピソードはまあいいとして、あれでいきなり響子さんが一の瀬さん、四谷さん、朱美に囲まれて「ヤらせもしないのに男を縛り付けてるんじゃないわよ」などとシメられるのは納得いかない。思い当たるフシがなくて管理人さんも戸惑ったのではないか。そしていきなり五代くんの部屋を訪れ、服を脱いで布団にもぐり込むのもわからんシチュエーションだ。
そして結局二人は結ばれない。これは第一のルールに違反する。「めぞん一刻」の世界観をゆるがす話である。
「めぞん一刻」はまた五代くんの成長譚でもある。響子と比べると、初期は、一応社会人で、管理人の仕事もしていて、それなりにしっかりしている響子に比べて、単に浪人生であるというだけでなく、いい加減で甘ったれで、まだまだ半人前である。が、途中どんどん成長し、いい男になった。響子は天然で、わがままで、猜疑心と独占欲が強い。ま、ヤな女である。これは物語の初期から最後まで変わらない。結ばれる時は、五代くんの方がずっといい男なのである。短い映画で成長を描くのは無理としても、もちょっと五代君をいい男に描いてほしかった。
もうひとつ、「めぞん一刻」の世界観をゆるがす話があった。それは管理人さんが身につけているエプロンである。僕は、piyopiyoエプロンを身につけていない人を管理人さんとは認めない。劇中、響子はエプロンをつけないか、たまにつけてもそれはpiyopiyoエプロンではなかった。
- 出版社/メーカー: 東映ビデオ
- 発売日: 2005/07/21
- メディア: DVD
- クリック: 154回
- この商品を含むブログ (21件) を見る