窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「怨み屋本舗」第11話「特権階級」、最終話「怨み屋の正体」

初の2話連続話。

出演(ゲスト)

感想

これまでよりストーリーは若干複雑になっていた。もっとも、復讐話は1.5話くらいで、いったん話が終わった後、残りの時間は怨み屋の正体探しで、事件の謎を追う(=復讐を成し遂げる)件と正体探りがリンクしていなかったのがちょっと残念。

ストーリーは――十二月田が犬の散歩を通じて知り合った老婦人が目の前で自動車に轢かれ、自動車は逃げる。実は運転していたのは警視総監の権藤で、助手席に乗っていたのは権藤の愛人。ナンバーを見た十二月田の通報で当該車を追いかけた警官に対し、権藤は、この自動車は2時間前に盗まれていた、轢き逃げ犯は自動車を盗んだヤツだと言い放つ。

渋谷南署の宮野警視正、田沼警視らに協力させ事件をもみ消しにかかる権藤だが、轢き逃げ犯が実は権藤では? という情報が(怨み屋の策略により)一部マスコミに漏れると、証拠隠滅のため、目撃者である高森はづきを殺し、さらに吉村順蔵、十二月田猛臣、怨み屋を拉致監禁し、殺そうとする。

宮野らの指示に逆らって事件を解明しようとする寄木と野田だが、関係者が次々に失踪するのを見て、野田は指示に従わなければ自分たちも消されると思いつめ、寄木を殺すことに。抵抗した寄木は逆に野田を殺してしまう。

権藤は吉村、十二月田らの拉致に協力させた宮野、田沼をも(完全証拠隠滅とマスコミの目をそらすため)殺すが、怨み屋の身に付けた隠しカメラによって殺しの場面は録画され、その動画がネットやマスコミ各社に配信されてしまい、自滅する……。

スピード違反程度のもみ消しは日常茶飯事かも知れないが、もみ消しのために関係者を次々に殺していくなどあまりにも現実離れしていて、却って気楽に見ることができた。その点はいい。

第一話からのレギュラーだった野田刑事があっさり死んでしまったのには驚いた。サラ金に借金を抱えていることや、借金返済のために警察の情報を漏らしていたことなどは何の伏線でもなく、単に寄木を殺さないと命がないと言われて発作的に首を絞め、やられるという情けなさ。もう少し葛藤がほしかったなあ。

渋谷南署としては寄木らの(勝手な)行動を苦々しく思っていたわけだから、これ幸いと寄木を殺人容疑で逮捕すれば良かったと思うのだが、正当防衛ということでおとがめなし。起訴されないどころか事情聴取すら受けた様子がない。このあたりもちょっと解せない。

権藤の犯した罪と、SMクラブでのプレイ中の態度は無関係だろう。マゾだろうがなんだろうが、閨の中での出来事を公開して恥をかかせるというやり方は、個人的には好きになれない(見ていて爽快感がない)。

さて、物語はその後、寄木による怨み屋の正体探しに移行。10話で思わせぶりに語られた新城聖美が怨み屋かと思ったが、彼女は今でも心の病から回復しておらず、病院から一歩も出ていない。つまり、怨み屋ではない。顔はそっくりだったのだが、小学生並の無邪気さで、とても人の怨みを晴らすなど……

エンドロールのあと、野田の母が逆恨みして、怨み屋に寄木殺害を依頼するところで終了。この終わり方もかなり意外性が高かった。

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