窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

つまんねー「インシテミル」

予告編を見て面白そうだったのでぜひ観たいと思っていたのだが……つまんねー!

題名インシテミル 7日間のデス・ゲーム
原作米澤穂信
監督中田秀夫
出演藤原竜也(結城、フリーター)、綾瀬はるか(須和名祥子)、石原さとみ(関水美夜、WEBデザイナー)、阿部力(大迫雄大、研修医)、平山あや(橘若菜、ネイリスト)、石井正則(西野)、大野拓郎(真木)、武田真治(岩井)、片平なぎさ(渕佐和子、専業主婦)、北大路欣也(安東、元社長)、他
公式サイト映画「インシテミル 7日間のデス・ゲーム」公式サイト
制作日本(2010年10月16日公開)

雑感

高額な報酬につられて訳ありの10人が館に閉じ込められる。個室が与えられ、飲み物も食料も豊富にあるが、一人、また一人と殺されていく。犯人は誰!? というのが大枠。

お互いに疑心暗鬼になって犯人探しが始まるのだが、いくら集まったのが訳ありの人間だからといって、そして人を殺せば報酬が二倍になるからといって、いきなり殺し合いが始まるワケはない。それなのに人が殺された。そうしたら、これは仲間内での殺し合いではなく、主催者側が(生贄を選んで)殺した、と考えるのが普通ではないだろうか。何しろ「館」を作ったのは主催者なのだ。どこにだれが隠れているかわからないわけだし。

また、犯人に認定された人も牢に閉じ込められるだけ。他の人は、共有部分はもちろん、個室も鍵がかけられず誰もが出入り自由。つまり、身を守るべき「砦」を持たない。が、牢は自由が制限される代わりに他の人からも身を守れる。10人の中に殺人犯がいる、と思い込んだなら、むしろ牢に入りたがってもおかしくないのではないか。

原作は「このミス」で一位だったというし、このあたりはもう少していねいに処理されているのだろうと思うが。

超法規的な権力や経済力を持つ正体不明の組織に館に閉じ込められ、そこで次々と人が殺されていく……という設定は、以前「極限推理コロシアム」というドラマがあった。それのパクリ、と言っては失礼に当たろうが、少なくとも同種同傾向の作品ではある(どちらも綾瀬はるかが主演しているため、よけいにそう見える)。その意味で意外性はない。

錚々たる役者陣の中でも、藤原竜也(と綾瀬はるか)が今回の主役なんだろうとは誰もがすぐにわかることである。その藤原が最初に殺されでもしたら意外だっただろうが、大方の予想通り、この二人は最後まで生き残る。その意味でも意外性なし。

タイトルの意味が最後まで不明なまま。エンディング曲が「愛してみる」だったが、それと何か関係がある? しかし、もはやどうでもよし。

基本的にセットの中ですべて撮影ができてしまう。ロケは必要なし。安上がりだね。その分キャストに金をかけられた、ということかね。

片平なぎさのスタイルがよくてびっくり。脚が細くて長い! ものすごく長い!! あんなに長い脚だったとは……。それがわかったのが、この映画の唯一の収穫だ。

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