今月は一度も映画館に足を運んでいない。年内にもう一本観てみたかった。年末年始は興味深い作品が目白押しだが、選んだのがこれ。面白かった。
題名 | 武士の家計簿 |
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監督 | 森田芳光 |
原作 | 磯田道史 |
出演 | 伊藤祐輝(猪山成之)、大八木凱斗(猪山直吉、成之の幼少時)、藤井美菜(猪山政、成之の嫁)、堺雅人(猪山直之、成之の父)、仲間由紀恵(猪山駒、成之の母)、中村雅俊(猪山信之、成之の祖父)、松坂慶子(猪山常、成之の祖母)、草笛光子(おばばさま、成之の曾祖母?)、西村雅彦(西永与三八、駒の実父)、嶋田久作(大村益次郎)、小木茂光(安部忠継)、他 |
公式サイト | 12月4日(土)公開『武士の家計簿』オフィシャルサイト |
制作 | 日本(2010年12月4日公開) |
内容紹介
猪山家は代々続く御算用者の家系。信之はその仕事ぶりが認められて知行取りに出世し、家業はますます安泰……と思いきや、地位が上がれば経費も増え、借金が膨れ上がり、気付いたら猪山家は財政破綻寸前であった。それに気付いた直之は財政再建の策を練る。見栄も外聞も、「財政破綻して猪山家がなくなることが一番の恥、それに比べれば」という観点で、家財一式売れるものは売り、金利も交渉できるところは交渉して下げてもらい、あとは徹底した倹約生活に出た……という話。
雑感
御算用者とは、算盤の腕を買われた計算処理の専門家……のように描かれていたが、まあ計算も大事ではあろうが、状況から察するに、経理もしくは財務の専門家ということであろう。組織の円滑な運営のためには主として金銭面でのマネジメントは必須であり、これは現代も江戸時代も変わらないはずだ。
加賀百万石は江戸時代の外様の中では最大規模の藩であり、それを支えた算用者の表と裏を描いた作品。それほど藩の運営の要ともいえる職業の者であっても、家計は火の車(その程度の扶持しかもらえなかった)という点も興味深いが、その腕は明治政府の柱を支えるほどであった、という点も興味深い。