2009年8月公開の映画。観に行こうかなと思いつつ、行きそびれてしまったもの。目に留まったので借りてきた。劇場で観たかった。
題名 | 南極料理人 |
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原作 | 西村淳 |
脚本・監督 | 沖田修一 |
出演 | 堺雅人(西村淳、調理担当)、生瀬勝久(本さん、雪氷学者)、きたろう(隊長、気象学者)、高良健吾(兄やん、雪氷サポート)、豊原功補(ドクター、医療担当)、古舘寛治(主任、車両担当)、黒田大輔(盆、通信担当)、小浜正寛(平さん、大気学者)、西田尚美(西村みゆき、淳の妻)、小野花梨(西村友花、淳の娘)、小出早織(清水、KDD交換手)、宇梶剛士(鈴木)、嶋田久作(船長)、他 |
制作 | 日本(2009年8月8日公開) |
雑感
西村淳は、南極観測隊員に選ばれ、南極大陸のドームふじ観測拠点で一年余にわたって調理を担当することとなった。南極とはいっても、海に近い昭和基地はまだ温かいが、ドームふじは海岸から1000km離れ、標高は富士さんより高く、平均気温はマイナス50度以下、ペンギンやアザラシはおろか、ウイルスさえ生存できない極寒の地である。そこで8人の男が角突き合わせて暮らすのだ。
狭い建物の中で一緒に暮していれば、さまざまな葛藤が生じる。また、務めを終えて日本に戻るまで一年ちょっと、家族や恋人と会うこともかなわず、高い電話代を払って声を聞くことができるだけ。そうした極限状況下のさまざまなドラマを、料理人の視点から見たもの――といえばいいか。
淡々としていて盛り上がりに欠けるきらいはあるが、そういう生活を描いたものなのである程度は仕方ないところ。小さな楽しみがあり、小さな哀しみがあり、つらいこともあるけど、嬉しいこともある、そうした小さなドラマの積み重ねで一年余を務めあげる。これといった娯楽のない基地では、食べることが数少ない楽しみであり、その意味で調理担当の役割は大きい。ここにも悲喜こもごものドラマがある。
結構笑えるし、結構泣ける。堺雅人が泣きながら唐揚げを頬張るシーンは、今思い出しても目の奥が熱くなるが、その直前で生瀬勝久が「西村君。おなか空いたよ」という場面や、きたろうが「僕の身体はね、ラーメンでできているんだよ」という場面は、思い返すたびに笑える。
撮影は、まさか本当に南極で撮ったわけではないだろうが、屋外で動いている時に、まつ毛の先や眼鏡の縁が凍り、泣いても、泣くそばから涙が凍っておく場面はなかなかすごいと思った。堺雅人の髪と髭がどんどん伸び、むさくるしくなっていくところも。
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