お床入りの時に何があったのか/08「初めての父」

出演

雑感

あちこちでファンタジーの呼び声の高い「江」であるが、なるほど、確かにまあファンタジーではありますなあ。それが鼻につくか、そう思って楽しめるかで分かれるのだろう。僕は今のところぎりぎりで楽しめている。

市が柴田勝家に嫁いだが、茶々も初も嫌悪感をあらわにし、一時は婚礼の席にも出ないと言い張る我儘ぶり。彼女らにとって父よ呼べる人は浅井長政ただ一人なのだ。江も姉たちに言われて同調する風も見せるが、姉二人と違い、長政の記憶がない江は、「私はどなたのことも父上と呼んだことがございませぬ」と戸惑いも感じる。彼女は、父ができることに期待する気持ちもあるのだ。

市と三姉妹は勝家の居城、北庄城に移り住むが、姉二人は田舎だなんだと文句をつけ、心づくしの食事にも食欲がないと箸をつけない。食いしん坊の初は、実はのどをごくりと鳴らすが、意地で食べない。そんな娘たちの態度に市は困惑するが、一方、夫となった勝家が、いつまでも自分を主君の妹として崇め、他人行儀な姿勢を崩さないところに苛立ちを覚える。

そんな矢先、江が一人馬で遠出をするが、道に迷い、帰れなくなる。城内は総出で姫の行方を捜すが見つからず。不安な一夜が過ぎ、明るくなったところへ江がひょっこり戻ってきた。悪びれない江の態度に勝家のビンタが飛ぶ。そして厩に連れて行き、与助に詫びろと。もしお前が戻ってこなかったら与助は命がないところだったのだと。

厳しいことをガツンと言いつつも、無事に帰ってきたことを泣いて喜ぶ勝家に、茶々、初らのわだかまりも解け、それからは親子で貝合わせなどを楽しむようになった。

と、まあ、書いていて恥ずかしくなるほど、ベタといえばベタな筋立てだけど、それなりに感動もした。

ところで、妻を「お市様」と呼ぶ勝家だが、少々オトナな疑問が沸く。婚礼も済ませたからには、当然、お床入りも済ませたのであろうが、どのように執り行なったのだろうか。いや、出歯亀気分で言うのではない。高貴な身分の女性を相手に固くなったり他人行儀になったりする気持ちはわかるが、身体のつながりができれば、それなりに親愛の情が沸いてきて、固さも取れてくるのではないかと思うのだ。でも、今回の市と勝家は、まるで手も握ったことがないみたいである。

勝家が市に「爪の先ほどでも好いていただければ……」というセリフも意味深だ。お床入りの時に何があったのか、「いくら秀吉に対抗するためとはいえ、なんでこんな山男に抱かれなければならぬのじゃ」というような態度を、はからずも取ってしまい、萎えた勝家は果たせず、以来夜を共にすることはなかった……のではないかなどと邪推してしまう。

上野樹里の乗馬はなかなか見事だ。これは感心する。かなりの速度で一般道を走らせているし。