劇場で観たが、二度見たかったので、レンタル開始になるやすぐに借りてきた。
劇場で観た時は気が滅入るだけだったけれど、今回は救いがあるように感じられた。
秋山恵津子も不幸な女だ。もともと感情の起伏の激しいところがあったのだろうが、こんな事件さえなければ、そうした欠点はあまり表に出ることもなく、それなりに普通に子育てをしてそれなりに普通の家庭を築いていたのだろう。しかし、ひとたびボタンをかけ違ってからあとは、リカバリーさせることができなかった。秋山丈博も、自分の行為をいろいろ悔いているだろうが、やり直すきっかけをつかめず今に至ってしまった。
恵理菜が子を生み、両親と一緒に子育てをすれば。恵津子、丈博が子育て(孫育て)を一からやり直せば。初孫を抱かせてやればすべてがうまくいくほど甘いものではないだろうが、再生の可能性を感じさせるラストだった。劇場ではそこまで感じ取れなかった。
登場人物の熱演が響く。井上真央は、冒頭での職場の仲間や千草との会話が棒読み調で気になったが、そもそも恵理菜は感情がないからこういう喋り方になるのだろう。後半で千草に、全部喋ったからわかるでしょ! 私が親になんかなれると思う!? と叫ぶあたり、小豆島で過去の記憶を取り戻すあたりの感情表現はすごいものがある。
4歳から子育てを始める恵津子は、苦労があっただろうが、誕生日もクリスマスのお祝いもなく、花火にも連れていかない、そんな家庭にしてしまった経緯は映画では描かれておらず、若干の飛躍があるが、恵理菜にせがまれて「お星さまの歌」を歌う時の感情表現で見事に説明している。以前も書いたけど、小池栄子のおどおどしたような表情も素晴らしい。
過去記事
- 終わったあとも恐ろしい「この子の七つのお祝いに」(TV)(2011/06/04)
- 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
- 発売日: 2011/10/28
- メディア: DVD
- 購入: 1人 クリック: 145回
- この商品を含むブログ (117件) を見る