窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

新参者第六話「翻訳家の友」

出演

雑感

当初から「峯子が私が殺したんです」と泣きじゃくる吉岡多美子にようやくスポットが当たる。自分が峯子の家の訪問時間を直前に変更したため、峯子は殺されてしまった、自分が当初の予定通りの時間に訪問していれば殺されることはなかった、との思いから自責の念に駆られている。

コウジ・タチバナが怪しい。犯人でないことははじめからわかっているが、怪しく思える理由を突き詰めていくのは、なかなか面白い。

それはそれとして、話の内容は深く考えさせられるものがある。峯子は専業主婦で、離婚を契機に翻訳家をめざすが、いきなりプロになれるわけもなく、多美子が頼りだ。多美子も、独り立ちするまでは私が面倒をみる、などと安請け合いしたため、あれこれ付き合わされることに。コウジは、そんな多美子を見て、なぜそこまで構ってやらないといけないのかと腹を立てる。

プロになれるかどうかは本人次第、人の助けを当てにしている時点でダメだと、人気映像作家のコウジは思うのだろうが、多美子は、以前からの友人で峯子の性格を知る者として、ほっといたら無理だとわかっているのだろう。自分が誘った手前もあり、あれこれ世話を焼いているが、自分が手を貸すこと自体、峯子に取っていいことなのか、多少の葛藤はありそうだ。峯子は、自分は素人だし第一線でやっている多美子が手を貸してくれるのは当然だと思っていそうだ。悪い人ではないのだろうが、やはり(元)社長夫人。世間の厳しさを知らない。