雑感
ようやく、事件当初から最も怪しく、動機十分に思えた清瀬直弘に捜査の手が伸びた。いや、当初から上杉刑事が張り付いていたといえばいたのだが、加賀恭一郎の関心が向いたということ。ちょっと回り道し過ぎだった。
宮本祐理が小指にしていた指輪は、当初から、不格好で「なんだ、あのコインをくり抜いたみたいな指輪は?」と気になっていた(また意味ありげに何度も映すから気になるのだ)。そうしたら、本当にコインをくり抜いて作った手作りの指輪だったとは。
しかし、いくら母親の形見とはいえ、そんなものは大切に引き出しにしまっておけばいい。少なくともクラブに勤める女が店でそんな指輪をしているのは不自然だ。もちろんその指輪の送り主に会えた今、会社勤めの間中も含め四六時中つけているのも不自然。
まあ、弘毅が宮本祐理を「ねえさん」と呼ぶシーンはいい場面だが、ちょっとお涙頂戴の押しつけが過ぎる気がしなくもない。
ともあれ、宮本祐理が清瀬直弘の愛人であれば(元)妻を殺害する動機があることになるが、親子だったということで清瀬の疑いが晴れたのか……というと、そういうわけでもないらしい。