何かを手に入れるには何を手放す必要があるのです「幸せの教室」

割と面白かった。封切2日目の土曜日にしては、ちょっと寂しい観客数であったが。

題名幸せの教室(原題:Larry Crowne)
監督トム・ハンクス
脚本トム・ハンクス、ニア・ヴァルダロス
制作トム・ハンクス、ゲイリー・ゴーツマン
出演トム・ハンクス(ラリー・クラウン)、ジュリア・ロバーツメルセデス・テイノー、大学講師)、ブライアン・クランストン(ディーン・テイノー、メルセデスの夫)、セドリック・ジ・エンターテイナー(ラマー、ラリーの隣人)、タラジ・P・ヘンソン(ベラ)、ググ・バサ=ロー(タリア、女子大生)、ウィルマー・バルデラマ(デル・ゴード、タリアの彼氏)、リタ・ウィルソン(銀行員)、他
公式サイト映画『幸せの教室』公式サイト
制作USA(2012年5月11日公開)
劇場港北NT:ワーナー・マイカル・シネマズ

粗筋

ラリーは高校卒業後海軍に入隊、20年間料理人として勤める。除隊後は地元のスーパーに勤務。「月間MVP」に何度も選ばれるほど優秀だった……はずなのだが、ある日、大学を出ていないという理由で解雇されてしまう。離婚したばかりで、家のローンもあるから考え直してほしいと懇願するが、決定は覆らない。

転職活動を行なうも簡単には決まらず。自家用車をやめて(燃費のいい)バイクに変え、その他家財道具で売れるものは売り払い、喫茶店でアルバイトをし、そして大学へも通うことにする。

大学では若い友人もでき、充実したキャンパスライフを送り始める。特にタリアの押しつけがましい友情によって、部屋はさっぱりし、服装もセンスあるものとなって、周囲からの評判もよくなり、ラリーは意外な自分を発見して驚く。

大学ではスピーチと経済の授業を取る。経済を学ぶことで自分自身の財務が破綻状態であることを悟り、家を売る決心を固める。また、スピーチの練習を繰り返すことで、以前よりもずっと自然に話せるようになっていくのだった……

感想

僕が映画に関して「蓄積されていないなあ」と感じるのはこんな映画を観た時。面白かったのだが、それ以上に表現する言葉を持たない。そもそもこれはどういう映画なのか? 別に分類不能なほどユニークというわけではなく、むしろよくある映画だと思う。ところどころ笑える箇所があって(それはちゃんと笑えて)、とんとん話が進み、観終わると何かが心に残っているような。ハートフルコメディ? ヒューマンコメディ? コミカルなラブ・ストーリー? なんだかどれも違うような気がする。

ストーリーはよくわからない箇所がいくつかあった。というより、割に突っ込みどころの多い作品だ。ラリーはスーパー勤務時代、なにゆえに頻繁に月間MVPを受賞したのか? アメリカではこんな理由で一方的に解雇されることがあり得るのか? 労働基準法(的なもの)はどうなっているのか? ローンを抱えて生活が厳しいはずなのになぜ大学へ行くことにしたのか? タリアと付き合うようになってセンスが良くなったらしいのだが、何がどう変わったのかよくわからない(たいして変わり映えしないような気がするが)。スピーチの講座を取ったことで自然に話せるようになったというが、当初から特に口下手だったわけでもない。この、大学へ通うようになってラリーが変わった、ということがこの話の肝だろうと思うのだが、説明されないと何が変わったのかわからないのでは、表現として問題なのではないだろうか。最後、メルセデスと結ばれたのも唐突。

と、まあ、粗はいろいろあったのだが、トータルでは割と面白かった。宅配ピザを注文したら、今ごろは出世しているはずのスーパー時代の同僚が配達にきたのも、いい味を出していたし。

その他

ある程度の年齢になっても、突如としてクビを言い渡されるのは、今の世の中珍しくないこと、ラリーの出来事は決して他人ごとではないんですよ……と映画の宣伝にあったが、むしろメルセデスの夫(自称作家)が妻に疎まれる描写がやけにリアルだった。いわく、昼間からポルノサイトを見てんじゃねーよ、ブログの更新は仕事なのか? というくだりね。

配役

ラリーのローンの相談に乗る銀行員役はリタ・ウィルソン。現在のトム・ハンクスの実の妻だ。

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