粗筋(ネタバレあり)
連続暴行犯の被疑者を逮捕するものの、白川恵津子の事件だけ否認。実は、息子を一流のピアニストにすべく厳しくしつけようとする母親に耐えかねた弦が、衝動的に殴りつけたものだった。傷害を負い、音楽から離れた母親を見て愛情を取り戻した弦は献身的に介護する。その姿と、当日のアリバイがあることから、被疑者ではないと思われていた。また息子を庇う恵津子は、記憶障害を装ったり、別の人物を犯人だと言い立てたりして操作の撹乱をはかるが……
先般亡くなった及川記者の遺品を整理していた妻が、書きかけの原稿を見つけ、仲のよかった後輩記者の内村に託す。そのメモをヒントに、粘り強い取材によって弦のアリバイが崩れた。それを内村は捜査一課に伝え、弦は殺人未遂で逮捕されたのだった。
感想
いろいろ行き違いはあって、母親は傷害を負い息子は刑務所へ行く羽目になったものの、最後は親子が愛し合い、信頼し合っていることがわかりましたという「いい話」に仕立ててはいるけれど、はじめから真犯人はミエミエなので、イマイチかな。
今回は、西島が園田をつかまえようとした時に園田が抵抗して暴力を振るったことでまたもスイッチが入り、またしても過剰な暴力行為を働いてしまう。先に手を出したのは園田であり、また凶悪犯罪者だという点を考慮してもいささかやり過ぎで、しかも初めてではないのだから、西島は相当な懲戒処分が下されてしかるべきである(本来は傷害で送検されてもおかしくない)。
それなのに、無理やりカウンセリング室に引っ張ってきても「話すことなどありません」「誰も助けてほしいなんて頼んでない」などと頑ななのにも困ったものである。もともと、ちゃんとカウンセリングを受けて、回復が認められなければ刑事を続けることができないはずではなかったのか?
困った樋口は、鶴田には当面西島を現場から外すよう提案し、平野には「彼を救えるのはあなたしかいないかも」と伝える。というところで、第10話と11話は前・後編だろうから、いよいよ最終回。西島の心の傷は癒えるのか。平野は西島の顔を描くことができるようになるか。
それにしても、平野は、白川弦がピアノを売り払ったのが不自然だと思い、樋口京子は白川恵津子に課した心理テストが明瞭過ぎると疑念を抱くのに、二人とも捜査会議に出席していながら、なぜ会議の場でその話をしないのだろう。二人だけで言い合っていてもしょうがないではないか。平野は勝手にピアノを売った先の楽器店に聞き込みに行くが、捜査一課の人に断わりもいれずに勝手に行くなど、ハタ迷惑以外の何物でもない。なんでこんなことが許されると思うんだろうなあ。
リンク
- 顔 第9回 2003年6月10日放送 #9 操られた記憶(公式サイト)