窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

シリーズ最高傑作。「メン・イン・ブラック3」

シリーズ最高傑作だ。これは3Dで観たかった。もしかして、1と2も劇場で観ていれば面白いと思ったかな。

題名メン・イン・ブラック3(原題:Men in Black III / MIB3)
監督バリー・ソネンフェルド
製作総指揮スティーヴン・スピルバーグ、G・マック・ブラウン
出演ウィル・スミス(エージェントJ)、トミー・リー・ジョーンズ(エージェントK)、ジョシュ・ブローリン(ヤング・エージェントK)、エマ・トンプソン(エージェントO)、アリス・イヴ(ヤング・エージェントO)、ジェマイン・クレメント(アニマル・ボリス)、ニコール・シャージンガー(リーリー)、マイケル・スタールバーグ(グリフィン、様々な未来が見えるエイリアン)、他
公式サイト映画『メン・イン・ブラック3』公式サイト 大ヒット公開中
制作USA(2012年5月25日公開)
劇場新百合ヶ丘:ワーナー・マイカル・シネマズ

粗筋

銀河刑務所から、凶悪犯罪者・アニマル・ボリスが脱獄。40年前にKのために右腕をなくし、逮捕されたことを根に持って、Kを殺すために40年前の過去の世界へ行く。

ある日突然Kが消え、MIBの組織内でもKのことを覚えている人がおらず、部長のOによれば40年前に死んだとのことで銅像が(いや、銅かどうかは知らんけど)立っていた。過去が書きかえられてしまった! なぜかJだけはKのことを覚えている。そこで、Kを救い、ボリスを捕まえるため、Jも過去の世界へ行くことに……

感想

「過去のエピソードを語る話」は、後付けの設定になるから作るのは難しいと思うのだが、うまく嵌まった時の快感はなんとも言えないものがある。今回はすごくうまくできていた。

それもこれも、過去2話の蓄積があるからで、今回の話を楽しめたのは予習(DVDでシリーズ第一作と第二作を見たこと)が生きたことになり、その点もひそかに嬉しく思っている。

もっとも、第一作・第二作に関してはそれほど感動したわけではなく、MIB3は何がなんでも観たい! というほどでもなかった。しかし、こういう話題作は観ておいた方がいいというのが最近の教訓。その教訓も生きた形だ。

普段、Kに対して悪口ばかり言っているJだが、いなくなったら命懸けで助けに行くなど、本心でどう思っているのかが感じられた点が良かったし、何より若き日のKを演じたジョシュ・ブローリンが、トミー・リー・ジョーンズの若い頃は本当にこんな感じなんじゃないかという雰囲気がバッチリで、それだけでも観た価値があったといえる。

その上、冒頭でいきなりきれいなおねーちゃんがお尻をフリフリしながら歩いていたり、シリーズ最強・最凶とも思える犯罪者が出てきて脱獄を図るアクションシーン、その際に、手助けしてくれたリーリーを平気で犠牲にするクールさなど、引き込まれる要素は十分。これまでは、エイリアンは基本的にはコミカルなスタイルだが、敵側のエイリアンはグロテスクで気味が悪かった。あれを大画面で見るのはどうかなという懸念もあったが、今回はそれほどではなく、嫌悪感は抱かずに観ていられた。

そんなわけで観る前は懸念があり、高い3Dにするまでもなかろうと、2Dにしたんだけど、やっぱり3Dにしておけば良かった。ひとつは、カメラの使い方が、上空から俯瞰したと思ったらぐんぐん近づいていくとか、アップからロングになるとか、3Dを意識したカメラワークが頻繁に出てきたから。作る側がそこまでするなら、観る側もそういう姿勢で観た方が楽しめただろう。

また、単にKの過去が出てきただけでなく、若き日のJも登場。最初はそれがJだとは気づかなかったのだが、Jとわかった時の「ああ、そうか!」感は……

シリーズ第一作で、MIBの欠員補充をする時、成績優秀で祖国に対する忠誠心も強い他の候補者を押しのけてKはJを採用するが、その理由もここにあったのだと考えれば納得が行く。もちろん、第一作を作った時にそこまで考えていたわけはないのだが、ごく自然にそう話が流れて行くところが素晴らしい。

エージェントZは死んだ。

エージェントOは、え、そんな人いたっけ? と思ったが、調べてみたら初登場。忘れていたわけじゃなくて、ほっ。しかしKのOに対するほのかな恋心の描写は余計だった。シリーズ第二作が大なし。とはいえ、エージェントが男だけだと面白くないので、やはり女性を入れたことは正解だろう。

コードネームが一文字なので、かねがねMIBのエージェントは一体何人いるのかといぶかしく思っていた。入れ替わりもあるから、辞めた人(死んだ人も含めて)の分は別の人に割り振ったとしても、最大26人。今回、「K」のコードネームはKが死んだあとも40年間、他の人には割り振られていなかった。一度使われた者は二度と使えないのだとしたら、歴代で26人までになってしまう。……と思ったら、エージェントAAが登場。二文字の人もいるのだ。これなら676人まで割触れるから安心。きっと二文字が一杯になったら三文字の人も出てくるのだろう。

ところで、Kのあの厭味な性格は過去のある事件のせいだった……的なアオリもあったと思うが、それがどの部分か結局わからなかった。現代に戻ってきて、生きたKと再開しても、性格は変わっていなかったと思うし。

今日の英語

  • Zが死に、Kが弔辞を述べることになった。
    • People will be moved.(みんな、涙を流す)
    • そういえばmoveには「感動させる」の意味がありました。

リンク

  • MIB3(non-sugar days、2012/06/06)