知識があればもっと楽しめたかな「ミッドナイト・イン・パリ」

題名ミッドナイト・イン・パリ(原題:Midnight in Paris)
監督ウディ・アレン
脚本ウディ・アレン
出演■現代/オーウェン・ウィルソン(ギル・ペンダー、作家志望)、レイチェル・マクアダムス(イネス、ギルの婚約者)、カート・フラー(ジョン、イネスの父)、ミミ・ケネディ(ヘレン、イネスの母)、ニーナ・アリアンダ(キャロル・ベイツ、イネスの友人)、マイケル・シーン(ポール・ベイツ、キャロルの夫、知識をひけらかすいけすかない男)、カーラ・ブルーニ(観光ガイド)、レア・セドゥ(ガブリエル、蚤の市のスタッフ)、他

1920年代/マリオン・コティヤール(アドリアナ)、コリー・ストール(アーネスト・ヘミングウェイ)、エイドリアン・ブロディサルバドール・ダリ)、キャシー・ベイツガートルード・スタイン)、アリソン・ピル(ゼルダフィッツジェラルド)、トム・ヒドルストンフランシス・スコット・キー・フィッツジェラルド)、他

■1890年代/ヴァンサン・モンジュー・コルテ(アンリ・ド・トゥールーズロートレック)、オリヴィエ・ラブルダン(ポール・ゴーギャン)、フランソワ・ラスタン(エドガー・ドガ)、他
公式サイト映画「ミッドナイト・イン・パリ」公式サイト
制作USA(2012年5月26日日本公開)
劇場109シネマズ川崎

粗筋

ギル・ペンダーはハリウッドの売れっ子脚本家だが、小説家になりたいと思っている。まもなくイネスとの結婚を控えてて、イネスの両親とともにパリにきたが、どうも二人の仲はあまりしっくりきていない。

酔っ払ってパリの街を徘徊していると、深夜0時を過ぎたところでクラシック・カーが走ってきて、乗れという。連れていかれたところは……ジャン・コクトーのパーティで、コール・ポーター、スコット&ゼルダフィッツジェラルドらがいた。ここはギルが愛してやまない1920年代のパリだ! この夜はさらにヘミングウェイとも知り合う。

興奮して店を出るが、振り返るともう店がない。一夜の夢だったようだ。が、翌日も深夜に徘徊していると謎の自動車に出会い、同じサロンに行くことができた。こうしてピカソガートルード・スタイン、アドリアナらとの奇妙な付き合いが生まれた。そして、ギルはアドリアナに恋してしまう。

ある時アドリアナを誘って散歩していると、また謎の自動車に誘われ、それに二人で乗り込むと、今度は1890年代にタイムスリップしてしまい、ドガゴーギャンらと出会う。そこはアドリアナが愛してやまない時代だった。しかし彼らはルネッサンス期は良かったという。

結局、本当の黄金期などというものは存在しない。あるとすればそれは「今」だ。それに気付いたギルは、現代に戻ると、イネスと別れ、パリに暮らす決心をする……

感想

結論はありきたりだが、あっさりまとまっていて良かった。それより、この話の肝は、タイムスリップして歴史上の大物芸術家と出会う点にある。恐らく、顔などの容姿や話しているセリフは、細部に到るまでよく考えられていて、その人物を知る人にとっては「ああ〜この部分がまさにスタインだあ〜」みたいなものがたくさんあったんだろうと思うが、それがわからなかったのは残念。なにそろ登場する人物の、そもそも名前を知っているのが半分くらいという体たらくなのだ。

まあ、開き直っていえば、他の人の映画評などを読む限りでは、多くの日本人は同じ程度なんじゃないかとは思う。それでも、この時ほど「ギャラリーフェイク」を読んでいて良かったと思ったことはなかった。

ところで、いけすかないインテリのポールだが、彼の妻にしてもイネスにしても、そしてポール自身にしても、一応はハリウッドの売れっ子であるギルのことをなぜ少しもリスペクトしないのか不思議。ポールがピカソについて蘊蓄を語った時、実際にピカソ自身から聞いた話を持ち出して反論するのは、観客にとってはわかっているからいいが、彼らは(ギル説はなんの証拠もないわけだから)何この人、と思われただけで、溜飲は下がらなかった。

例えば、ああここはナントカという映画のロケで使ったんだよね、あの時主役の女優が××してさ、ニュースでは流れなかったけど関係者では有名な話だよ。みたいな知識を披露した方が、みんなに喜ばれたんじゃないか。解説書を丸暗記したような説明より、こうした話の方が、たいていの人は面白く感じると思うんだけど。

配役

きれいな女優はたくさんいる(映画に出るような人はほとんどがそう)し、可愛い! と思う人も何人かいるが、本当に美人と思う人は、この人、レイチェル・マクアダムス。「シャーロック・ホームズ」ではアイリーン・アドラー役が印象的だった。「君への誓い」はなんとしても観ないと。

Academy Award

第84回アカデミー賞において脚本賞ウディ・アレン)受賞。なお作品賞、監督賞、美術賞の3部門(脚本賞を入れて4部門)でノミネートされた。

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