題名 | 妖怪人間ベム |
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監督 | 狩山俊輔 |
出演 | 亀梨和也(ベム)、杏(ベラ)、鈴木福(ベロ)、北村一輝(夏目章規、刑事・ベムたちの友人)、堀ちえみ(夏目菜穂子、章規の妻)、あがた森魚(緒方浩靖、大学教授)、柄本明(名前のない男)、畠山彩奈(上野みちる、ベロの友達)、筒井道隆(上野達彦、みちるの父・MPL製薬社員)、観月ありさ(上野小百合、みちるの母・元MPL製薬研究員)、中村橋之助(加賀美正輝、MPL製薬社長)、石橋杏奈(緒方小春)、他 |
公式サイト | 「映画 妖怪人間ベム」大ヒット上映中! |
制作 | 日本(2012年12月15日公開) |
劇場 | MOVIX橋本 |
概要
40年前のアニメの実写化。2011年10月から実写ドラマ化され、劇場版はその最終章という位置づけ。「デビルマン」「あしたのジョー」などもそうだが、この手の作品はなるべく観るようにしている(昨年、「愛と誠」を見損なったのは痛かった)。それともうひとつ、大河ドラマ「平清盛」ですっかり杏のファンになってしまったので、彼女を劇場で見たかった、というのもある。
感想
原作と一番大きな違いは、人間になる方法が示される(人間は善悪を備えている、妖怪人間は善の心しかない、悪の心を飲み込めば人間になれる)が、意思を持って否定する点か。が、葛藤があり、特にベラなどは、もう自分たちが幸せになってもいいじゃないかというあたりが新しい視点ということになる。しかし、この解決方法はまるで「人造人間キカイダー」だな。
杏は、特別なメイクをしているというわけではなく(ちょっと化粧が濃いくらいで)、まぎれもなく杏なのだが、またこれがベラそっくりという素晴らしさ。見かけだけじゃなく、口調もベラそのものなのだが、そもそも杏のような若い(26歳)女優がふさわしかったかという疑問はある。アニメの設定は、主たる対象である視聴者は恐らく小学校の低学年で、その母親と同世代(32〜35歳くらい)の設定だったはず。ベムやベロに対する愛情は感じるものの、口やかましく、怒ってばかり。これは当時の多くの小学生が母親に抱いていたイメージだろう。
杏のベラは実際口やかましく、笑わず、眉間にしわを寄せて、しょっちゅう周囲の人を怒鳴り続ける。ベラらしいといえばそれまでだが、美人で可愛らしい杏の魅力が全然出ていなかったのは、残念だった。
もっとも、彼らは変身すると身体がひとまわり大きくなる。当然、来ていた服は破れてしまう。そのため人間の姿に戻るとベムもベロも上半身裸である(不思議と下半身は服を着ている)。杏は裸にはならないけど肌の露出が増え、ちょっとときめくシーンもあったのだった。
ストーリーについてあれこれ突っ込んでも仕方がないのだろうが、この手の勧善懲悪もので社会悪を扱うのはやめた方がいいと思う。こういう問題は事象が複雑で、立場を変えれば善悪の基準は簡単に変わり、単純に誰が悪いというような話ではないからだ。問題を解決するには、事実関係を公にし、司法の判断に委ねることしかない。しかし、ひとつひとつ事実を洗い出し、証拠を集め……といったことは妖怪人間にはもっとも苦手のはず。それは加賀恭一郎の領分だ。
最終章と銘打っているが、いつでも続きは作れる終わり方であった。
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過去記事
- 「デビルマン」(2004/11/07)
- 立て、立つんだジョー「あしたのジョー」(2011/02/18)