題名 | フライト |
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劇場 | 109シネマズみなとみらい |
そういう映画だとわかって、二度目はじっくり観られた。じっくり観たら飽きることなく、初回よりも面白く感じた。
公聴会に到るまで、ブルースの家で暮らし、8日間も酒を断ったのは良かった。そのままもう一泊して、一緒に会場に向かえばよかったのに、なんでわざわざホテルに部屋を取って一人にさせたのだろう。飲んだ本人が悪いのだが、ブルースや弁護士もまずいやり方をしたものだ。恐らく、ここまで深刻なものだと思っていなかったのだろうが。
依存症はれっきとした病気であり、本人の意志の力でどうにかなるものではない。そういう時期はとっくに過ぎてしまったのだ。しかし、周囲は、だらしない、意志が弱いと当人のせいにしたがる。これも悲劇だろう。
ウィップは、毎晩浴びるように酒を飲み、運転中も酒が手放せないほどなのだから、始終酒のにおいをさせていたはずで、普通ならその時点で大問題になり、飛行機の操縦などできないだろう。しかし、それがまかり通っていたということは、この航空会社はずいぶんと管理が杜撰だったことになる。
今回の事故の直接の原因である機体の損傷についても、部品交換の勧告が出ていたにも関わらず、交換しないままその後数百時間も飛んでしまった。そういう会社なのだ。だから事件後、会社はウィップの飲酒癖を隠して弁護しようとするし、彼に対する叱責も処罰もなかった。もし公聴会を(当初の目論見通りに)無事にやり過ごせていたら、その後もウィップはパイロットとしてフライトを重ねていたのだろう……と考えると、ちょっと恐ろしい。
ウィップの息子は、ウィップに対して二度、「Who are you?」と訊く。一度目はウィップがアポもなしにいきなり元妻の家を訪ねてきた時。この時は質問したわけではなく、「帰れ!」という意味で言ったわけだが。そして二度目はラストシーン。息子が刑務所に面会に来て尋ねたセリフ。この2回が(意味は違うが)同じ言葉だったのがミソだな。
過去記事
- パニック&サスペンス映画ではなかった。「フライト」(2011/03/26)