NHK大河第18回「尚之助との旅」

出演

今日の見所

粗筋

尚之助と八重は城下近辺の調査に出かける。二本松では銃の修練に励む少年たちと出会う。師範は木村銃太郎。模範演技を示した八重は、たちまち少年たちの人気者となる。

尚之助「白河関は奥州の者が都へ攻め込むのを防ぐために作られたといいます。皮肉にもこの関を越えて攻め入って来るのは、いつも南の者たちでした」

会津に戻った尚之助を待っていたのは、日新館砲術師範十三人扶持でお召し抱えとの知らせだった。さっそく調査の報告と建策書を提出。神保内蔵助萱野権兵衛に内容を褒められるが、会津の台所事情は窮地に陥っており、とてもこの提案を実行する力がないと言われる。「ひとつダメなら別の手を考えるまで」とさらに調査に力を入れる。

尚之助「八重さん、次は日光口と越後口を周りましょう。ひとつ駄目なら次の手を打つまでです。金がなくてもできることがあるはずだ」

京では、秋月悌次郎蝦夷から呼び戻され、またロシアをはじめ海外視察に出ていた山川大蔵も帰国。役者が揃う。西郷頼母がまだ謹慎中だが、容保は頼母への気遣いを見せる。大蔵によれば、人材がいくらでも必要な時に、名前とか肩書にばかりこだわる幕府の役人はどうしようもないとのこと。

大蔵「日本が劣ってるとは到底思えません。技術さえ学べば、異国に負けることはねえと思います。要は志です。……ただ御公儀の役人は、その志を見失ってる。人材が入用な時に、肩書きにこだわる心の狭さではこの先、この国の舵取りは難しいものと思われます」

薩摩は1000の兵を上京させる。岩倉具視慶喜および容保抹殺の勅を出すからと薩摩に根回し。大山弥助は中古の鉄砲1000丁を買い叩いて入手、戦に備える。

土佐は後藤象二郎を通じて大政奉還を提案。大政を奉還されては困る薩摩は倒幕の準備を急いで進めるが、慶喜はこの提案を飲むつもりだ。

慶喜「たとえ将軍の名を失っても、徳川家が天下一の大大名であることには変わらぬ。すぐにやらねばならぬ。薩摩が動き出す前に。乗るか反るか、ここが勝負どころよ。捨て身でいかねば道は開けぬ」

感想

先週、一人で行くつもりだった視察旅行に八重がついてくることになり、「遅れたら置いていきますよ」などと偉そうに言った尚之助であったが、さっそくへばって置いていかれそうになったのは尚之助の方。まあお約束の展開である。

ここで木村銃太郎二本松少年隊をとりあげたのは良かった。僕は会津戦争を単純に「悲劇」とはいいたくないのだけれど、幼い命が多く失われたのは事実だ。そしてそれは白虎隊だけではない。この時、八重が教えを授けた少年がのちに……なのだろう。覚えておこう。

無事尚之助の仕官がかなったので、家を出て独立するように権八らが言うと、できればこのまま居候させてほしいと尚之助が願う。学問をするにも銃の研究をするにもこの家が最適なのだと。「それはなんねえ」と言いつつ、権八の目は「そ、そうかい? じゃあ仕方ねえな」と嬉しさ一杯。覚馬、三郎と男手のないこの家を自分が守るつもりなのだと八重は気づいており、そっと礼を言うと、「会津に来て10年、この家は私にとっても居心地のいい我が家なのですよ」と尚之助は八重の手を握る。結婚前は頑なに触れることを自ら禁じていたが、結婚後はやたらに八重に触りまくりの尚之助なのであった。

慶喜は容保ともう一人(桑名藩主の松平定敬か?)を前に、大政奉還する決意を述べる。将軍職を返上してどうするのだと容保は激しく詰め寄るが、慶喜は、そうしてこそ浮かぶ瀬もあるという。

小学生中学生の時は大政奉還をもって江戸時代が終わりを告げたのだと思っていた。これは全く逆で、大政奉還は徳川の延命策だと気づいたのはずいぶんあとになってからだった。慶喜が簡潔に述べていた通り、大政を奉還すれば倒幕の大義名分がなくなる。徳川が一大名になったとしても、諸藩に比べ大大名であることにかわりはなく、その後の世でも力を行使することができる(薩摩は90万石、長州は36万石、土佐は20万石。徳川は700万石。桁が違う)。

名前や肩書にこだわる人間から見れば、将軍職を返上していち大名になるなどとんでもないことであろうが、この時点で徳川が生き残る道はこれしかなかったように思える。容保はそれがわかっていない。わかれという方が無理であろうが、さすがに慶喜は気づいていたようだ。

ただし、容保らにその意思を告げつつ、ワインを飲み、カステラを食べたら戻してしまうシーンがあり、そうはいっても慶喜も心労で胃が弱っていたのだなと思わされたが、その後ネットでは、「赤ワインとカステラは吐いた時に見た目が血みたいで容保をビビらせるのに効果あるし、固形物少なくて吐くのも楽だし、心労アピールで吐いてみせる為にわざわざ用意したのでは」という意見があって唸らされた。ここでは、そこまでの意図はなかったと思うが、慶喜のことだから、そのぐらい考えていても不思議はないと妙に納得してしまう。

秋月、大蔵、覚馬で打ち合わせをしている時、秋月が不意に「八重殿はきれいだったぞ」と結婚式の話題を出す。覚馬は単純に喜んでいたが、大蔵もただにこにこしていて、特に気にかけている様子はなかった。さすがにロシアまで行って、八重どころではなくなったのだろう。こうい小ネタをちゃんと回収するところがいい。

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