いよいよ最終章。当て字を使わないタイトルは、テレビ編としては異例。
粗筋
北海道に旅行中の綾音は、エムシステムズの社員から、真柴義之と連絡が取れないとの報を聞いて急ぎ帰宅し、義之の死体を発見する。死因はヒ素。他殺である。
例によって犯人の見当がつかない岸谷は、例によって事件と物理現象とは何の関係もないものの、被害者の妻・綾音が中学時代の湯川の同級生だったことを理由に強引に捜査協力を取り付ける。
真柴夫妻には子供がいない。義之は結婚前、綾音と並行して津久井潤子と付き合っていたが、綾音が妊娠したために結婚を決意、潤子を捨てた過去がある。潤子に動機アリと思われたが、失恋を苦に自殺していた。
綾音は結局、自転車との接触事故を起こして流産、以後子供ができずにいる。実は義之から、一年以内に子供ができなかったら離婚を言い渡されていた。一方的な被害者と思われた綾音にも動機が存在したのだ……
感想
一回見損なったとはいえ、約3ヶ月、よくリアルタイムで見続けたものである。あと一回、ぜひとも期待に応える内容であってもらいたい。
- 義之はずっと一人で家にいて、午前中の電話会議の時は元気だった。死亡推定時刻は午後2〜3時。誰がどうやって義之の飲むコーヒーにヒ素を仕込んだのか? この謎は湯川が解き明かしそうだ。前もって準備が可能。となれば北海道へ行っていた綾音のアリバイも成立しなくなる。
- このまま綾音が犯人だったとするなら、話はそれで終わりで、来週やることがなくなってしまう。それにタイトルにも結び付かない。まだまだ二転三転するはず……だが。
- 綾音の流産の原因になった自転車事故は、故意か偶然か。偶然ということはなかろう。では犯人は誰か。
- 津久井潤子は既に生きていないため除外されるが、これで終わりの使い捨てキャラなのか。それともいろいろな絡みがあるのか。当初は、ただこれだけのキャラかと思ったけど、後者かも知れない気がしてきた。
- 若山晴美は綾音夫妻の人となりを説明するために登場したが、それだけの役なのだろうか。いや、もう少しいろいろあるはずだ。義之の愛人とか。それが事件にどう絡むのかはわからないが。
- エムシステムズの社員が2人登場したが、これはさすがに通りすがりのキャラだろう。
- 綾音は中学時代、湯川のことが好きだった。このことは事件に関係あるのか、どうか。
- 岸谷は例によって、何もしない。
「アプローチしたのに、全然、気づいて貰えなかった」
「アプローチ?」
「教会の日曜礼拝に誘って振られたわ」
「ああ、あの頃から君はクリスチャンだったな」
「あの時、湯川君、こう言ったのよ。ガリレオが唱えた地動説をいまだに認めていない宗教を、僕は受け入れるわけにはいかない……。びっくりしちゃった」
「それは正しい理屈だ。ローマカトリック教会がガリレオに謝罪したのは1992年。そして、地動説を公式に認めたのは、なんと2008年だ。ガリレオが死んでから350年もの時間がかかってしまった」
「でも、ガリレオは救済されたわ。時間はかかったけど。救済には時間がかかるの」