公開初日に観るのは久しぶり。「真夏の方程式」とどちらにしような少し迷ったのだが、吉高で外したらイヤだなと、こちらに(笑)。
題名 | 欲望のバージニア(原題:Lawless) |
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監督 | ジョン・ヒルコート |
原作 | マット・ボンデュラント |
出演 | ジェイソン・クラーク(ハワード・ホンデュラント、長男)、トム・ハーディ(フォレスト・ホンデュラント、次男)、シャイア・ラブーフ(ジャック・ホンデュラント、末っ子)、ジェシカ・チャステイン(マギー)、ミア・ワシコウスカ(バーサ)、デイン・デハーン(クリケット、ジャックの親友)、ガイ・ピアース(レイクス、悪徳取締官)、他 |
公式サイト | 映画『欲望のバージニア』公式サイト |
制作 | USA(2013年6月29日日本公開) |
劇場 | チネチッタ |
内容紹介
時は禁酒法時代(1920〜1933)、ホンデュラント兄弟は密造酒を作るビジネスを行なっていた。ハワードとフォレストは不死身を誇り、ジャックは味噌っかす。が、手堅い商売を続けるつもりの長男・次男に対し、ジャックはビジネスの拡大を目指し、大きな取引をまとめ、急激に売り上げが伸びていく。が、悪徳取締官レイクスに目をつけられ……
雑感
実話に基づく物語だとのことで、これは「L.A.ギャングストーリー」と同じ系譜の作品。時代が時代ということもあろうが、人が次々に殺されるし、かなり残酷なシーンもある。
冒頭から20〜30分くらい、物語に入っていくまでに時間がかかり、かなり退屈に感じられたが、レイクスとの対立が表面化してからはかなり面白かった。
印象的だったのは……フォレストが襲われ、喉をかき切られる場面がある。普通なら死ぬところだろうが、瀕死の重傷を負いながらも30kmの道を自力で病院まで歩き、一命を取り留める。そのために彼の不死身伝説がますます喧伝されることになるが、これ、実は目撃していたマギーが自動車に乗せて運んだもの。
フォレストがレイクスをぶっ飛ばすべく出かけようとした時に、マギーは「今度あなたがケガをしても、もう病院に連れて行ったりしない」(だから危険な真似はやめて)と止めるのだが、そうマギーに言われて、初めてその事実を知ったフォレストが「歩いて行ったんじゃなかったのか……」とつぶやく。自分で不死身伝説を信じていたところがオカシイ。
しかし、その場にいたということは、当然奴らに見つかったということ、ということは……と気づいたフォレストが「何があった!」と詰め寄る。マギーは「何もなかったわ。本当に何もなかったのよ」と説明。それを聞いて、フォレストは何があったかを正確に理解してしまう。哀しいシーンでもある。
結局、怒り心頭のフォレストは殴り込みに行くことになる。行かないでほしいと思ったのもマギーの本心であろうが、火に油を注いだのもマギーである。というように、この短いシーンには何重もの意味がかかっていて興味深かった。
過去記事
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