題名 | 悪の法則(原題:The Counselor) |
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監督 | リドリー・スコット |
出演 | マイケル・ファスベンダー(カウンセラー)、ペネロペ・クルス(ローラ、カウンセラーの婚約者)、ハビエル・バルデム(ライナー、実業家)、キャメロン・ディアス(マルキナ、ライナーの恋人)、ブラッド・ピット(ウェストリー、麻薬の仲買人)、ロージー・ペレス(ルース、殺人罪で受刑中)、他 |
公式サイト | 映画「悪の法則」オフィシャルサイト |
制作 | USA、英国(2013年11月15日日本公開) |
劇場 | 名古屋ミッドランドスクエア |
内容紹介
弁護士のカウンセラーは恋人ローラにプロポーズし快諾され、人生の絶頂にある。そして大きな利益の得られる裏社会のビジネスに手を出すが、それが発端となり周囲を不幸に巻き込んでしまう……
内容紹介(ネタバレ)
カウンセラーは、自分の顧客であるルースから、息子がスピード違反で捕まったから力を貸してほしいと依頼され保釈させるが、この息子は麻薬の運び屋だった。マルキナがメキシコの麻薬カルテルから麻薬を奪うことを彼に指示し、実行に移されるが、カルテル側は彼を殺して麻薬を取り返す。この一連の騒動の中で、保釈に力を貸したカウンセラーも強奪の一味とみなされ、ローラも殺されてしまう。
麻薬の強奪に失敗したマルキナは、ウェストリーを殺し、彼の個人資産を手にする。ラストは彼女が「私は飢えているのよ」とつぶやくシーン。まだまだ欲望を満たすために何人でも人を殺すということだろう。
雑感
ヤバイことになって次々と人が殺されていく点は、それなりに興味深く見た。この手の作品は、いわばそういうシーンのサスペンス性が肝であって、背景のストーリーは二の次だといえなくもない。
ルースの息子やウェストリーの殺され方は、残忍だが目を引くし、殺し合いをして血糊がべったりついたトラックを、メキシコの人たち(カルテツメンバーの家族?)が淡々と洗うところもなかなかに印象深いシーンである。
しかし、先日の「サプライズ」のようないわばB級映画と異なり、ちゃんとした骨格の元に組み立てられているであろう作品で、それがわかった方がサスペンス性が増すだろうし、その説明のためか前半では(退屈な)長ゼリフもあるのだが、実はストーリーがさっぱりわからんかった。「内容紹介(ネタバレ)」の記載は、下記にリンクしたネタバレサイトを読み漁って「なるほどそういうことだったのか……」をまとめたもので、これがわかるとかなりスッキリはするものの、依然として疑問も多い。
カウンセラーは、そもそもなぜ裏社会のビジネスに手を染めるのか? ウェストリーから、以前は興味なかったのに急にそんなことを言い出すとは、金のトラブルを抱えているからだろうと言われる場面があったが、そのトラブルが何かは不明。まさかローラに高価なダイヤモンドを買ったから、なんてことではないと思うが。
麻薬を強奪されたことでカルテツ側が怒り心頭に発するのはわかるが、運び屋を釈放しただけのカウンセラーにまで怒りの目を向け、その恋人を惨殺するのは「暇ですね」としか思えない。カウンセラーはルースの息子が運び屋だとは知らなかったわけだが、仮に知ってやったとしても、彼ばかりが標的にされるのは不思議だし、カウンセラーが殺されずローラが殺されるのも不思議。そもそも張本人のマルキナが無傷だというのもわからない。
マルキナとローラがプールサイドで親しく会話するシーンがあったが、この二人が知り合いなのはなぜ?
マルキナがウェストリーを標的に選んだ理由は? またあんなに街中で殺してしまって大丈夫なのか? 凶器の回収はしなくていいのか?
もう一度観ればいろいろと伏線が見えてくるのかも知れないが、もう一度観る気力は(時間も)ない。DVDが出たら借りてみるか……。いずれにしても、「最後に明かされる衝撃的な真実」なるキャッチは、あまりにも見当外れではないだろうか。
メキシコの麻薬カルテルに関するある程度の背景知識を前提としているようなフシもある。だとすると難しい。
監督
リドリー・スコットという名前には聞き覚えはあるけれど、「エイリアン」も「ブレードランナー」もオスカー(作品賞)を受賞した「グラディエーター」も、観ていないし関心がない。何を知っているのかと思っていろいろ調べていたところ、Appleの「1984」のCMも彼の監督だった。そりゃ知っているはずだ。ちなみに「ワールド・オブ・ライズ」も観ている。
配役
- マイケル・ファスベンダーは「シェイム」で登場したセックス依存症のブランドン。
- ペネロペ・クルスとキャメロン・ディアスは「バニラ・スカイ」で共演している。ペネロペ・クルスはこのリメイクの元作品「オープン・ユア・アイズ」でも同じ役で出演している……らしい。
- キャメロン・ディアスは「私の中のあなた」でサラ・フィッツジェラルド(母)役で出演。
- ハビエル・バルデムは「007 スカイフォール」でボンドの敵役として登場。
- ハビエル・バルデムは私生活ではペネロペ・クルスと夫婦だとのこと。なんと! ハビエル・バルデムとペネロペ・クルスは、ともに初めてアカデミー賞を受賞したスペイン人の男性・女性である。
- ブラッド・ピット作品は、「Mr.&Mrs. スミス」「マネーボール」「ジャッキー・コーガン」に続いて4作目。あれ、ずいぶん観ていると思ったが、こんなもの?
今日の英語
- I want you to touch me down there.(もっと下の方をさわって)
- We can change the subject.(話題を変えましょ)
- I'll be in touch.(あとで連絡する)
- "Are you hungry?" "I'm starving"(「腹へったか?」「ペコペコよ」)
過去記事
- バニラ・スカイ(2002/02/02)
- Mr.&Mrs. スミス(2006/01/03)
- 今年最初の一本「ワールド・オブ・ライズ」(2009/01/04)
- 一応、感動はした「私の中のあなた」(2009/10/11)
- メジャー版ID野球?「マネーボール」(2011/11/12)
- 映画賞を総なめ「SHAME -シェイム-」(2012/05/01)
- アクションシーンに堪能した。面白い!「007 スカイフォール」(2013/01/19)
- 退屈はしなかったけど……「ジャッキー・コーガン」(2013/05/08)
リンク
- 「悪の法則(原題:The Counselor)」あらすじ・ネタバレ(1分で分かるネタバレ、2013/11/06)
脚本から起こしたみたいで、実際の映画とはずれている点もある。
- 死を見つめて・・・ 映画「悪の法則」ネタバレなし感想+ネタバレレビュー(カゲヒナタのレビュー、2013/11/15)
- 悪の法則のネタバレ(映画の森てんこ森、2013/11/16)
- 「悪の法則」感想―僕を甘やかさない映画(ときどき休みます、2013/11/22)
この鑑賞録は素晴らしい。