超A級のサスペンス映画「ザ・コール」

題名ザ・コール [緊急通報指令室](原題:The Call)
監督ブラッド・アンダーソン
出演ハル・ベリー(ジョーダン、911オペレータ)、アビゲイル・ブレスリン(ケイシー)、モリス・チェスナット(フィリップ、警察官・ジョーダンの彼氏)、マイケル・エクランド(マイケル、誘拐犯)、他
公式サイト『ザ・コール[緊急通報指令室]』
制作USA(2013年11月30日日本公開)
劇場ヒューマントラストシネマ渋谷

内容紹介

911は日本でいえば110番および119番を合わせたようなものであろうか。ロスの通報指令室ではひっきりなしに多くの電話がかかってくる。ただしそのうちの大半は料理のレシピを教えろといった緊急性とは何の関係もない電話。また警察や消防署が出動しなければいけないような事件であっても、オペレータは指示を回すだけで、事件の結果がどうなったか知らされることはほとんどない。ストレスの多い仕事だ。

ジョーダンはそこのベテラン・オペレータだが、ある時助けを求めてきた少女に対し些細なミスを犯し、それが原因で少女が誘拐されてしまうという事態を引き起こす。その少女は結局殺害されてしまい、以来ジョーダンは電話を受けるのが怖くなり、現場から指導員に立場を変えることになる。

そんな矢先、誘拐犯に連れ去られている途中だという女性、ケイシーから電話がかかってくる。対応した若いオペレータが自分には無理! と万歳したことから、ジョーダンが対応を引き継ぐ――

雑感

冒頭では911オペレーションがどれほど神経を遣う仕事であるかが紹介され、主人公と思ったジョーダンが些細なミスから電話場取れなくなる。そこから再び事件の対応をする展開もスピーディで説得力があった。

自動車のトランクに押し込められたケイシーが携帯から911にかけてくるのは見事だが、すっかりパニックに陥っている。それを優しく、時には厳しく対応してケイシーを落ち着かせ、事件解決に協力をさせるジョーダンの対応は見応えがある。あの状況では何もできることはないとしか思えないが、そうした中でも場所や、自動車を特定できるような方法を瞬時に考えだし、ケイシーにそれを実行させる。

シーンはジョーダンの視点、ケイシーの視点、犯人の視点、犯人の自動車を囲む周囲の人の視点とジェットコースターのように目まぐるしく変わり、一瞬たりとも気が抜けない。これほどハラハラドキドキ、息をするのもためらわれるほど集中を強いられたドラマは、ちょっと記憶にない。この点は超A級といってよいのではないか。94分と比較的あっさりまとまっているのもプラス。

後半でオペレータのはずのジョーダンが、実際に現場に、しかも単独で(捜査チームに内緒で)行くのはちょっとやり過ぎではと思わなくもなかったが、結論を知ると、なるほどこういう結論に持っていくためには彼女が一人で行くしかないなと、これまた納得させられる。そこからあとは、ちょっとホラー&スプラッタ的要素も入り、欲張りといえば欲張り、悪くいえば散漫になっているきらいはあるが、とにかく94分を一気に駆け抜けるドラマだ。

ラストシーンも、決め台詞(これが決まっている)のあと一瞬でカットアウトされる処理が見事。

配役

  • ハル・ベリーはオスカー女優(アフリカ系アメリカ人として初)。僕が観たのは「ニューイヤーズ・イブ」のみ。
  • アビゲイル・ブレスリンは「幸せのレシピ」「私の中のあなた」「ニューイヤーズ・イブ」でおなじみだが、大きくなったなー。最初のパニック状態から徐々に落ち着きと勇気を取り戻し、最後は犯人を圧倒して見せた。この変化は舌を巻くしかない。

今日の英語

  1. This line is emergency.(この電話は緊急用よ)
  2. It's not your fault.(あなたのせいじゃない)
  3. It's already done.(もう手遅れよ)