窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

シリーズ最高傑作!「トリック劇場版 ラストステージ」

公開初日に観に行く。これまでとは一味違う、シリーズ最高傑作だ。

題名トリック劇場版 ラストステージ
監督堤幸彦
出演■レギュラー/仲間由紀恵山田奈緒子仲間由紀恵似の美人で巨乳の天才マジシャン)、阿部寛上田次郎)、生瀬勝久矢部謙三)、池田鉄洋秋葉原人)、野際陽子(山田里見)、大島蓉子(ハル)、アベディン・モハメッド(ジャーミー)、瀬戸陽一朗(照喜名保)

■ゲスト/東山紀之(加賀美慎一、村上商事レアアース事業部員)、北村一輝(谷岡将史、医師)、水原希子(呪術師)、中村育二(川島治道、資源開発者)、石丸謙二郎(有田雄一、村上商事レアアース事業部長)、吉田鋼太郎(山本、村上商事ムッシュム・ラー村支社長)、前原一輝(石原達也)、他
公式サイト『トリック劇場版 ラストステージ』OFFICIAL SITE
制作日本(2014年1月11日公開)
時間112分
劇場TOHOシネマズ 六本木ヒルズ

雑感

TRICK特有のギャグは相変わらずだが、隣席に沸点の低い人がいて笑い転げており、その影響でこちらも声を出して笑ってしまった(こういうのも劇場鑑賞の楽しみのひとつだ)。

シリーズ初の海外ロケだ。架空の国の設定だが、なんとなく雰囲気からマレーシアかな、と想像していた(あとで調べたら、確かにマレーシアでの撮影だったそうだ)。風景がワンパターンになりがちで、少々飽きてきただけに、これは目先が変わって楽しめた。アジアというのがTRICK的だが。

キャラクターがしっかり立っていてよかった。特によかったのが水原と北村だ。これまでの北村とは全然違う役柄なのに、最初の一言でその性格が焼き付いてしまい、以後、彼の顔を見るだけでそうとしか思えなくなってしまったことに役者としての力量を感じたが、キャラが立っていると話に深みが出る。中村育二東山紀之もいい味を出していた。

ワンパターンに徹するからいいところと、ワンパターンではまずい点とあって、キャラ設定に関しては後者だと思うのだが、これまではとかくワンパターンになりがちだった。最後の最後でいい組み合わせができたと思う。

予告編で、山田奈緒子の出生の秘密が明らかになる、とぶちまけられていて、本当かいと思っていたのだが、確かにそうであった。なるほどこういうことにするのかと。これは確かにシリーズ最終作を意識した設定だ。後半、シリアスな運びになっていくのだが、ドラマがちゃんとしているため、ついていかれる。というか、泣いてしまったよ。まさかトリックを見て泣く日がくるとはね。

ラストは上田の顔のアップで終わるのだが、この時の阿部の表情も特筆もの。それにかぶさる鬼束ちひろの「月光」が素晴らしい。

個人的にいえば、山田里見の悪ノリのギャグがなかったのもよかった。

とにかく、いくつもの点で過去のレベルを大きく上回っていた。こんなすごいものが作れるのかと正直なところ驚いた。

その他

劇場はとても混んでいた。3時間以上前にチケットを購入した時に既に残りわずかとなっており、始まる前に確認したらその次の上映会も既に残りわずか。前日封切の「大脱出」よりも混んでいるようだ。

これだけ人気があって、こんなクオリティの作品が作れるなら、今回で最後といわず、また続編を作ってほしい、と思うが、阿部寛は今年50歳、仲間由紀恵も35歳になる。二人の関係を進展させないままこれ以上歳を取らせるのも不自然だが(このあたりが小説や漫画と大きく違うところだ)、二人の関係が進んでしまっても困る。阿部も仲間も堤監督も、いつまでもTRICKではなく次のステージにいきたいだろうし、ここで終わりというのはいいセンなのかも知れない。

でもあのラストは、やろうと思えば続編は作れますよという含みを持たせたものではないか。観客動員次第?