なにこれ、信じられない。面白すぎる「ジャッジ!」

題名ジャッジ!
脚本澤本嘉光
監督永井聡
出演■広告代理店「現通」/妻夫木聡(太田喜一郎、クリエイター)、北川景子(大田ひかり、喜一郎の同僚)、リリー・フランキー(鏡さん、「現通」の窓際オヤジ)、豊川悦司(大滝一郎、喜一郎の上司)、玄里(原田、大滝一郎の秘書)、田中要次(伊沢、営業部長)、風間杜夫(社長)、加瀬亮(太田の先輩)、松本伊代経理の松本さん)、木村祐一(CMディレクター)、他
■その他/新井浩文(喜一郎の友人)、伊藤歩(麻里子、太田の元カノ)、でんでん(ちくわ堂社長)、浜野謙太(ちくわ堂社長の息子)、あがた森魚エースコックの宣伝室長)、志賀廣太郎(カラオケ店の店長)、柄本時生(カラオケ店の店員)、竹中直人(居酒屋のおっちゃん)、福本清三(ちくわ堂のCMのあまりのくだらなさに倒れる老人)、玉山鉄二(竜也、ひかりの友人)、ジェームズ・バーンズ(ジャック、審査委員長)、ジョン・オーエンズ(ギル、副審査委員長)、チャド・マレーン(審査員)、鈴木京香(木沢はるか、審査員/白風堂クリエイター)、荒川良々(カルロス、審査員)、和田聰宏、他
公式サイト『ジャッジ!』2014.1.11 ROADSHOW
制作日本(2014年1月11日公開)
時間105分
劇場TOHOシネマズ ららぽーと横浜

内容紹介

太田喜一郎は大手広告代理店のクリエイター。広告を愛し、人々を元気づけるCMを作りたいと夢見るが、現実には身勝手な上司、無理難題を吹っかけてくる顧客、そして己の才能のなさにうだつのあがらない日々を送っている。ある時、ひょんなことからサンタモニカ国際広告祭の審査員を押し付けられてしまった……。

雑感

少し前の「気まぐれコンセプト」(ビッグコミックスピリッツ連載中の漫画)に本作が紹介されていて、「広告の世界でいかにもありがちなエピソードが盛られ、業界の人間なら誰でも大笑いするだろう」みたいなことが書かれていたため、観に行こうと思っていた*1。邦画だというのはわかっていたが、誰が出演するのかも全く知らないまま(予告編を見たことがなく、ポスターも目にした記憶がない)。

観てみて驚いた。とにかく出演陣が豪華。これだけの人が出るのにあまり宣伝していないのはどういうわけか?(僕は基本的にテレビを見ないため、CMで流れていたのは知らない。しかしこれだけ劇場へ通っているにも関わらず予告編を見ていないというのは?)

なんといっても、滅茶苦茶面白い。心から、声を立てて笑ってしまうギャグがあちこちに仕掛けられている。こんなにきっちり笑わせてくれる作品は「清須会議」ぐらいしか思いつかない。

ストーリー性も抜群だ。登場人物同様、話も無茶苦茶な方向に転がって行くのだが、終わってみれば途中途中の伏線は見事に回収され、ちゃんと収まりがついている。それに、最終審査日の前夜の太田喜一郎クンと審査委員長ジャックの会話は短いが印象的で、涙すらでてきた。仕事とはどうあるべきかという真っ当な問いかけをしている映画でもあるのだ。

それにしても登場人物の突き抜けぶりが良い。豊川悦司はカッコいい役しか知らなかったが、こんなサイテー男を飄々と演じるとは。本当にサイテー男になっているのがすごい。

北川景子にこれほどのコメディエンヌの才能があったことも驚き。「謎解きはディナーのあとで」ではここまでの魅力はなかった。コメディエンヌとして、というより役者としての基礎があるのだろう。途中、(喜一郎に代わって)目指すCMを受賞させるべく奮闘する場面があるが、ここでのひかりは、頭の回転が速く、行動力があり、プレゼンテーション力がある。何より英語がペラペラ。そういう役柄なのだが、そういう役を違和感なく演じられるというのは結構すごいことだと思う。

エースコックトヨタなど実在の会社が登場したのにも驚き。よく名前を貸してくれたものだ。エースコックの宣伝室長なんて、あんな間抜けな人物として紹介されてしまっていいのだろうか(もしかして、実際にもああいう人物なんだろうか)。

審査をする過程で、さまざまなCMが紹介されるわけだが、これらは映画のために作ったものだろう。その手間にも敬意を表したい。もっとも、グランプリを受賞した木沢はるか作のトヨタのCMには感心しなかった。human touchのコメディ表現なのはわかるが、気持ち悪かった。とはいえ、あれがオッサンではなく女性だったら、今度はいやらしくなってしまうし。

最後のシーンも良かったなあ。ちょっとだけネタばらししておくと、鈴木京花が北川景子に、「あなたたち、付き合っているわけではないんでしょう?」と訊く。北川が「はい」と答えると、「じゃあ私がハグしてもいいわね」と言って妻夫木クンに抱き付く。そうしたらそこへ北川がやってきて、「やっぱりヤダ」と引きはがしにかかる。鈴木京花がニヤニヤしながら「やっぱりあなたたち、仲いいんじゃない」と言い残して去っていく。そのあとの北川景子のセリフは……最後の最後でそうきたか、という感じ。実に印象的なラストだ。

配役

北川景子は、昨年は「謎解きはディナーのあとで」「ルームメイト」、今年は本作の後「抱きしめたい -真実の物語-」「悪夢ちゃん The 夢ovie」と主演が続いている。ドラマも昨年10〜12月に放映された「独身貴族」でヒロイン役だった。人気のあかしでもあるうが、よくこれだけこなせるものだ。

今日の英語

  1. When I spin this pen, I have something to say.
  2. What I'm about to say is very important.
  3. Keep a brief like CM.
  4. May I have your attention, please?
  5. You are in the Studio wearing a T-shirt.←泣けるセリフだ

リンク

*1:この映画の関係者がもしこの一文に目を留めたなら、ホイチョイの影響力の大きさを認識すべきだ。メディア掲載情報(1月)に触れられていないのはおかしい。