昨年、観た映画が格段に増えたのは、いくつか理由があるが、そのひとつに「勤め先が銀座エリアに移転した」ということがある。これまで銀座方面にはあまり縁がなかったのだが、調べてみると歩いて行かれる範囲に映画館が10軒以上もあるのだ。
- 銀座シネパトス(2013年3月閉館)
- シネスイッチ銀座
- TOHOシネマズ日劇
- TOHOシネマズ有楽座
- TOHOシネマズスカラ座・みゆき座
- TOHOシネマズシャンテ
- 東劇
- 丸の内ピカデリー
- 丸の内TOEI
- 丸の内ルーブル
- ヒューマントラストシネマ有楽町
- 角川シネマ有楽町
- 有楽町スバル座
電車移動も含めて30分以内で行かれるところとなると、新宿・渋谷・川崎までが含まれる。これが何を意味するかというと、平日18時20分とか18時30分とかから始まる回も、定時まで仕事をしてから移動しても余裕で間に合うということである。つまり平日夜の時間帯を丸々映画鑑賞に充てることができるようになったのだ。そりゃ行くよね。
さて、上記のリストを見てすぐ気づくのは、TOHOシネマズの映画館が多いことと、他のシネコンが存在しないことだ。実はTOHOシネマズも、ひとつひとつの劇場のスクリーン数は少ない代わり、日比谷駅の周辺に4軒が隣接しており、全部ひっくるめてひとつのシネコンなのかも知れない(実際、TOHOシネマズのサイトでは上記劇場は同じページにまとめられている。同じ作品の重複はない)。いずれにしても、TOHOシネマズへ行く回数が増えるのは当然の帰結である。
調べてみると、TOHOシネマズはシネマイレージ会員というものを実施していた。会員向けサービスの内容は次の通りである。
- 入会金は500円(一年間)、以後更新するごとに300円
- スタンプラリー(6本観れば1本無料になる)
- マイルが貯まる(上映時間1分=1マイル)
- 毎週火曜日は1,300円に
- その他
また、会員・非会員関係なく、毎月14日は1,000円で鑑賞できる。
これはよくできたサービスである。第一に、会員になりさえすれば、週に一日だけだが会員価格で観られるメリットがすぐに享受できる。一回会員価格で観れば入会金はチャラになる計算だから、その意味では入会金はもっと高くてもいいくらいだ。
また、スタンプラリーには有効期限がない。有効会員であることが前提なので、全く映画を観ない期間が二年、三年、……と続いた時に、途中までたまったポイントを生かしていこうと思ったら更新費がかさむ、という現実はあるが、空白期間が何年もあるような場合にある程度無駄が生じるのはやむを得ない。その場合も、ポイントを諦めるか更新費を払い続けるかの判断を自分がすることができるのはありがたい。これと比較すると、ワーナー・マイカル・シネマズのスタンプラリーがいかに無茶なものだったか、よくわかる。
もうひとつ、ポイントとは別にマイルが貯まる。このマイル、上映時間に比例する点が面白い。同じ1,800円払っても「ゼロ・グラビティ」では95マイルしかたまらないが、「ウルフ・オブ・ウォールストリート」は179マイル貯まるのである。TOHOシネマズディに1,000円で観ても同じマイルが貯まる。
マイルが貯まると何がもらえるのかというと、マイル数によってポップコーンや非売品グッズが一般的だが、興味深いのは6,000マイル貯めると一ヶ月見放題のフリーパスポートがもらえるのである。これは魅力的ではないか。劇場側にとっては、とりあえず損はない。しかしファンにとってはこれ以上ないプレゼントである。こういうのが本当の会員サービスなんだと思う。マイルには最大二年間という有効期限がある。が、二年もあれば文句は言えないところだ(スタンプラリーもそうだが、僕は一年間有効であれば納得できると思っている)。
それに、非会員でも月に一度は1,000円という超割引価格で利用できるのは素晴らしい。
というわけで、さっそくシネマイレージ会員になったのだった。