映画自体は5回目。英語版は3回目。日本語版を観るつもりだったのだが、開始15分ほど前に劇場に行ったところ、280席あるスクリーンが1席だけ残して満席。じゃあというので英語版を観ることにしたが、こちらも238席あるうち空席があるのは前方の3列くらい。土曜日というせいもあろうが、封切後一ヶ月以上経つのにこの人気はスゴイ(この週末で日本での興行成績が100億円突破は間違いないとのこと)。なんだか歴史に立ち会っている感がある。
題名 | アナと雪の女王(英語)(Frozen)(5回目) |
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劇場 | イオンシネマ新百合ヶ丘(スクリーン8) |
今日の英語
エルサとアナが雪で遊ぶ場面
- Anna: Elsa. Psst. Elsa! Wake up, wake up. Wake up.
- Elsa: Anna, go back to sleep.
- Anna: I can't sleep. The sky is awake, so I'm awake, so we have to play.
- Elsa: Go to play by yourself.
- Anna: Do you want to build a snowman?
クリストフが初めてトロールを目撃する場面
- Troll: Sh. I'm trying to listen.
- Troll: Cuties. I'm gonna keep you.
こうしてクリストフ(とスベン)はトロールに育てられることになった。この時パビーはエルサにこう言っている。
- Pabbie: I recommend we remove all magic, even memories of magic to be safe. But don't worry, I'll leave the fun. She'll be okay.
- Elsa: But she won't remember I have powers?
- King: It's for the best.
- Pabbie: Listen to me, Elsa, your power will only grow. There is beauty in your magic. But also great danger. You must learn to control it. Fear will be your enemy.
- King: We'll protect her. She can learn to control it. I'm sure.
- King: Until then, we'll lock the gates. We'll reduce the staff. We will limit her contact with people and keep her powers hidden from everyone. Including Anna.
この王の判断は、正しかったのか、どうか……
まあ、このくらいの英語だと、3回聞けばなんとか聞き取れるか。暗闇でメモを取るのは大変だが(苦笑)。
過去記事
- 喰わず嫌いはいけない!「アナと雪の女王」(2014/04/04)
- やはり英語版はイイ! TCXスクリーンもイイ!「アナと雪の女王」(2014/04/11)
- TCXスクリーンには圧倒される「アナと雪の女王」(2014/04/16)
- 英語が聞き取れると楽しい。「アナと雪の女王」(2014/04/18)
一番悪い人は誰か?(ネタバレあり)
ハンスが悪役ということになるのだろうが、彼の罪は何か、よくわからない。王になりたいがためにアナに近づき、好きなふりをして婚約する、というのは、アナにしてみれば許しがたいことだろうが、世間ではよくあること。特に王位継承権を持つ者であれば、むしろそうした事情で結婚相手が決まることの方が多いのではないか。彼は、やがてエルサを亡き者にして自分が実権を握る野望を持っていたけど、思っているだけでは罪ではない。
アナに対する後半の態度はちょっとひどい。とはいえ、もしアナが死んだとしたら、正犯はエルサだ。ハンスは共犯ですらない。助けようとしなかっただけ。事情がわかれば非難は浴びるかも知れないが、刑法上の罪に問われるかといえば疑問だ。もし助けようとしても、どのみちハンスには助けられなかったんだから。
最後にエルサを殺そうとしているところをどうやらアレンデールの重臣たちが見ていたようで、この一事を以て彼の評価が地に落ちた感がある。しかし一応、代理とはいえ権限を持っていたハンスが死刑を宣告しているので、これまたどこまで罪に問えるかは疑問だ。
次は問題のエルサだ。アナに対する傷害罪は不問に付すとしても、いくら意図したものではないとはいえ、アレンデールを氷に閉じ込めてしまったことは責任を取る必要があるのではないか。童話でこんな話は身もふたもないけど、国家にも国民にも莫大な損失が発生しているだろう。特に連れ戻されたあと(連れ戻したのはハンスだが)、さらに吹雪が荒れ狂い、気温がどんどん下がって行った。恐らくこの時、年寄を中心に大勢の国民が死んだのではないか。前回も書いたが、ごめんで済む話ではないし、そもそもごめんと言っていない。
さらに、妹にも重臣にも事情を何も説明せず、後継者の指名も引き継ぎもせず黙って逃亡し、王冠も服も投げ捨てていくなどというのは、国民に対する重大な背任行為であり、本来は相当な処罰が下されるべきところである。まあ、国民は特に反発を感じなかったようなので、今後の善政で取り返すということになるのだろう。人間性を取り戻したエルサは、能力はあるようだから。
エルサがこのような行為をしでかしてしまったのは、もちろん生まれついて持っていた「力」のせいだが、この能力を周りの人に隠せ、アナにも見せるなと躾けた王様の判断は正しかったのだろうか。エルサは、自分の「力」を忌み嫌い、力が強くなっていくことを恐れ、その恐怖と不安がさらに「力」を呼び覚ましていくという悪循環に陥っていた。「力」を隠していなかった時は、むしろ「力」をコントロールできていたのに。
さらに誰にも秘密を話せないストレス、アナとも二度と遊べない、両親が抱きしめることすら拒絶する(しかない)という強烈な孤独。この状態が幼い頃から十数年続いたのだから、同情を禁じ得ない。彼女の他人を信用しない態度も、少々エキセントリックな性格も、そりゃこんな育てられ方をしたらしょうがないよ、と思ってしまう。
それでも両親からは理解され、愛情を注がれてきただろう。が、不幸な事故で17歳の時に両親を失ってしまう。王様だから、外交には妻の同伴が必須だったのかも知れないが、幼い娘を二人(しかも一人は問題児)抱える身で、両親が揃って外出するというのもリスク管理という点では疑問がある。不在の間、政治は誰が担当し、この姉妹の面倒は誰が見るのか、誰かが見たのであろうが、そうしたシステムがきちんと機能していたようには見えなかった。
というわけでこの王様が、自分の娘が「力」を持って生まれてしまったのに、教育方法を誤り、リスク管理も甘かった王様こそが、この物語で一番責任を問われるべき人物なのではないだろうか。
リンク
- アナと雪の女王/やめて、あなたを傷つけたくないの(映画感想 * FRAGILE、2014/03/17)
- 『アナと雪の女王』(すきなものだけでいいです、2014/03/20)
もうね、一から十までその通りだと思うの。
- アナと雪の女王/音楽と映像は最高!ただ”真実の愛”については苦言。。(Tunagu、2014/03/15)
上記でリンクしていただいたようです。ありがとうございます。
- 『アナと雪の女王』映画レビュー(ひたすら映画を観まくる日記アルティメット・エディション、2014/05/20)
リンク(特にYouTubeへの)が豊富。
- うちに秘めた物語を解放してくれる傑作「アナと雪の女王」を見てきました(子持ちししゃもといっしょ、2014/05/21)
僕も「生まれてはじめて」は大好きですよ。順位はつけられないけど一番好きかも知れないです。