窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

腕利きのスパイも娘には弱かった。「ラストミッション」

題名ラストミッション(3 Days to Kill)
監督マックG
出演ケビン・コスナー(イーサン・レナー、元CIA特殊工作員)、ヘイリー・スタインフェルド(ゾーイ・レナー、イーサン娘)、コニー・ニールセン(クリスティン・レナー、イーサンの元妻)、ジョナス・ブロケット(ヒュー、ゾーイのボーイフレンド)、エリック・エブアニー(ジュールス、イーサンの住むアパートのアフリカ系不法定住者)、アンバー・ハード(ヴィヴィ・ディレイ、CIA)レイモンド・J・バリー(CIA長官)、リチャード・サメル(ウルフ、武器の密売人)、トーマス・ルマスキス(アルビノ、ウルフの部下)、マルク・アンドレオーニ(ミタット、アルビノの運転手)、ロバート・ウェイン・ジェームズ(ヒューの父/ウルフのパートナー)、他
公式サイト映画『ラストミッション』公式サイト 大ヒット上映中!
制作USA(2014年6月21日日本公開)
時間117分
劇場新宿バルト9(シアター7/80席)

内容

腕利きCIAエージェントのイーサンは、病気のため余命3ヶ月を宣告される。残り時間を家族と共に過ごすことに決め、CIAを退職。離婚した妻と娘の暮らすパリへ行くが、簡単に溝は埋まらない。特に16歳という難しい年頃の娘には手を焼くことになる。

そんな折、ヴィヴィから、パリに潜入した「ウルフ」を見つけ出して処分する仕事を依頼される。家族と過ごしたからもう仕事はしたんくないと言うイーサンに、ヴィヴィは報酬としてイーサンの病気に効く新薬の提供を申し出る。これで家族と過ごす時間はもっと延びるのだと……。

雑感

アクションシーンもそれなりに頑張っているが、基本的に父娘の関係をコミカルに描いたハートフル・ストーリーである。

コメディ部分は、たとえば敵を発見して追い詰めるも、ちょうど娘から携帯に電話がかかってきて「遊園地で待ってる」と言われると任務を放り出して娘とのデートを優先してしまったり(ヴィヴィから「仕留めなかったの!?」と訊かれてしゃあしゃあと「見失った」と答えたり)。情報を引き出すためにミタットを拷問にかけるのだが、相手にも娘がいることがわかり、ゾーイの愚痴を聞いてもらったり、娘が行先不明になった時はアドバイスをしてもらいに自宅まで押し掛けたり。

何年も会っていなかった父親が突然やってきて父親面をするので、ゾーイとしては当然、拒否反応があっただろうが、たとえば自転車通学を薦めるイーサンに最初は強く拒絶するが、それは自転車に乗れないためであることがわかる。「自転車に乗れないのか」と驚くイーサンに「だって乗り方を教えてくれるはずの父親がいなかったじゃないのっ!」と感情を爆発させるゾーイに、ああ、寂しかったんだなあと。そしてゆっくりと自転車の乗り方を教わりながら徐々にイーサンとの距離を詰めていくあたりは目の奥がじわじわくるところ。

下のリンクに貼った他の方がみな指摘しているように、プロットには確かにおかしなところがいくつもあるし、似たような設定の専攻する作品があって、二番煎じ、三番煎じ的な部分もあるのだろうが、自分は先行作品として挙げられているものは何も知らず、素直に面白いと思った。

一番面白いと思ったのは、ヴィヴィから最後の任務を押し付けられそうになった時、この任務自体、危険極まりないもので、命を落とすリスクもあったはずだが、イーサンは「仕事をしていたら娘と過ごす時間がその分削られてしまう」ことばかり心配していて、自分が殺される心配は全然していなかったことね。

今日の英語

  1. You keep them.(それは君にやる)
  2. Welcome back?(気がついた?)

配役

  • ケビン・コスナーは「エージェント・ライアン」でジャックの上司役、「マン・オブ・スチール」でクラーク・ケントの養父役をやっているが、印象にないなあ……
  • ヘイリー・スタインフェルドは「エンダーのゲーム」でエンダーに好意を抱く女性隊士役を演じた。あ、あの人か。
  • コニー・ニールセンは7年前にDVDで見た「ディアロポリス」に出演していた。もちろん、覚えていない。
  • アンバー・ハードは初めて。かなりいろいろ映画に出演しているが、僕が観たかも知れない、観ていてもおかしくなかった、と思える作品が見事にひとつもない。

日本語タイトル

ありきたりではあるが、原題もかなりヘン(殺しのための3日間、という意味だろうか? 別に3日目にケビン・コスナーが死ぬわけではないしね)。よって引き分け。

リンク