劇中劇が効果的「喰女−クイメ−」

題名喰女−クイメ−
原作山岸きくみ
監督三池崇史
出演柴咲コウ(後藤美雪、民谷岩役)、市川海老蔵(長谷川浩介、美雪の恋人/伊右衛門役)、伊藤英明鈴木順、宅悦役)、中西美帆(朝比奈莉虬、美雪の後輩/伊藤梅役)、根岸季衣(堀内みすづ、乳母槙役)、勝野洋(尾形道三郎、民谷又左ェ門(岩の父)役)、古谷一行(嶋田貫二、伊藤喜兵衛役)、マイコ(倉田加代子、美雪のマネージャー)、他
公式サイト映画『喰女 -クイメ-』公式サイト
制作日本(2014年8月23日公開)
時間94分
劇場TOHOシネマズ ららぽーと横浜

内容

四谷怪談の舞台稽古中。伊右衛門は、自分を嫌っている岩の父・又左ェ門を殺して隠し、父が突然行方不明になったことを案じる岩に取り入って結婚。その後、娘の梅が伊右衛門に一目惚れことを不憫に思った伊藤喜兵衛は、資産と仕官の道をちらつかせて伊右衛門を調略。伊右衛門と協力して岩に薬と称して毒を盛り、人前に出られない顔にしてしまう。伊右衛門はさらに盲目の宅悦をけしかけて岩を襲わせ、その現場に踏み込んで、二人を不義密通で断罪し、殺してしまう。……

岩を演じる美雪は人気女優。浩介は役者としてはパッとしないが、美雪と付き合っていて(半同棲?)、彼女の口添えで役にありついた模様。美雪は気が乗らないと(?)稽古には参加せず、付き人の加代子に代役をやらせる。莉虬は美雪に憧れている。しかしその実、浩介は莉緒とも付き合っている。というわけで役と中の人の性格・行動がかぶっている。しかし現実の浩介は美雪を殺すわけにもいかない。この人間関係の顛末は……

雑感

ほとんど予備知識なく観た(予告編も観ていない)。エンドロールで監督が三池崇史であることを知り、へー、三池監督にしては絵がきれいだな、と思い、そして、「○○監督にしては、なんていう感想が出て来るようになったか」と一人ごちていた。

途中、柴崎コウが「あること」をして部屋中を血に染めるという、ちゃんと(?)グロいシーンもあったのだが。

ひとつひとつのシーンが印象的で、最後まで飽きずに観たのだが、途中から筋がわからなくなってしまい、意図的に現実と夢の境界線を曖昧にしナンセンスにまとめた作品かと思っていた。が、下記にリンクしたBLRPNさんの記事を読んで、そういうことかと膝を打った次第。きちんと整合性の取れた話になっていたのだ。そえがわかってさらに本作の評価が上がった。

配役

浩介と劇中劇の伊右衛門のキャラが同一であるだけでなく、市川海老蔵のキャラともかぶる。いや、僕は芸能界に詳しいわけではないし、巷間噂されていることが事実なのかどうかわからない。だが、少なくとも、市川海老蔵といえばこういう人間である、と世間一般に言われていること(それは海老蔵にとっては名誉なことではなかろう)を逆手にとってのこの役柄、恐れ入ったと言うしかない。

マイコ演じる倉田加代子は足を引きずっていた。それが何の伏線かと思ったが、別に物語には関わりがないようであった。美雪は、加代子の足が悪いことにも頓着せずあれこれものを頼む、という傍若無人ぶりを描きたかったのか? 単にこの時マイコ自身が足をけがしていたのか?

伊藤英明の盲目の演技が見事。こんな役柄もできるとは驚きだ。普通なら伊藤英明にこんな卑劣な役は回ってこないと思うが、劇中劇だから実現したのかも。これも見所のひとつ。

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