窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

生田斗真クランクアップ。/「軍師官兵衛」第36話「試練の新天地」

出演

粗筋

  • 伊予への国替えを命じられた宇都宮鎮房は、約束が違うと豊前を動かない。官兵衛が、今となっては秀吉様の命に従うしかないと必死で説得を試みるも、翻意せず。
  • 官兵衛が豊前6郡を与えられたのと前後して佐々成政は肥後を与えられる。秀吉指示の検地(太閤検地ですな)を強引に進めて地侍の反発を招き、一揆が勃発。自力で収められず官兵衛や小早川らの力を借りることに。
  • キリスト教に関して秀吉は、宣教師を追放し、他人を勧誘してはいけないと言っただけで、信仰を捨てよとは言わなかったが、高山右近は信念を曲げることはできないと、身分や領土を返上し、生涯を信仰に生きることを決意。これにてクランクアップ。
  • おゆうが播磨に残ることに。夫とともに戦で亡くなられた人を生涯弔いますとのこと。いつの間に結婚していたんだよ! これまでずっと目立たなかったけど、最後に顔がはっきり映ってようやくセリフがもらえた。中村映里子もこれでクランクアップ。
  • 肥後の一揆と呼応して宇都宮鎮房が挙兵。長政が対応していたが、宇都宮が城井(きい)城の囲みを解いたことで戦意を喪失したと判断し、城に攻め込んだ……

雑感

中間管理職はつらいよ、の巻。秀吉の指示で、宇都宮に本領を安堵すると約束したのは官兵衛なのに、その宇都宮を追い出す役を押し付けられたのだから胃が痛くなる。

ちょっと気になったのだが、この当時、年貢の回収およびその再分配のシステムはどのように機能していたのだろう。宇都宮が自分の領地に居座るのは勝手だが、年貢は新しい国司である黒田がちゃんと取ることができたのか。地元領民とのつながりは宇都宮の方がずっと長いわけだから、実際にはかなりのものが宇都宮の手に入っていたのか。

もし宇都宮が税収を得ていたなら、そこを止めない限り彼の反乱を食い止められない。同時に黒田家が干上がってしまう。逆に、黒田が税収を得られており、宇都宮に回っていなければ、早晩干上がるのは宇都宮だと思うのだが。

せっかく伊予の国を賜りながら、宇都宮はそれを拒否した。今、伊予はどうなっているのだろう。別の国司を手配したのか。そうであれば宇都宮は行き場がなくなったことになるから、死ぬまで抵抗をやめないだろう。伊予の国が空席のままであれば、どうやってその国を治めていたのか。空白状態が続いてよいわけはないが。

また、黒田が豊前に移ってきた後、播磨には誰が入ったのか。

こういうこと、みんな、気にならないのかなあ。僕は気になる。そういう部分は、ドラマの中でちゃんと触れてほしいと思うのだがなあ。

人物像について。松寿丸は賢かったが、松坂桃李の長政になってから、アホにしか描かれていない。人物造形をどうするかは制作者側の思惑だから、アホだから悪いとは言わないが、なぜ主人公の最も身近な身内をアホの子に描くのか、理由がわからない。今日も、宇都宮が囲みを解いたと聞いて、テレビの前に座っていた人(立っていた人もいたかも)10人が10人、「ワナだ!」と思ったに違いないが、長政とその側近だけはそうは思わなかった。なんで?

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