粗筋
毎年料理番付を発表している版元が、今年は登龍楼とつる家が甲乙つけがたいことから、直接対決を依頼してきた。お題は「寒鰆(さわら)」を使った料理。
その頃、御膳奉行の中に将軍の食べ物を横流ししている人がいるとの噂が立つ。外出の自粛令が出され、小松原はつる家に来られなくなってしまった。澪は小松原が疑われているのではと案じるが……
本日の献立はタイトルそのまま、寒鰆の昆布締め。
雑感
因縁のある登龍楼が相手だから、絶対に負けたくないという思いが強いのだろうが、大関の座は登龍楼に譲るべきだよなあ、と思った。ここで登龍楼に勝ってしまうと、面子を潰された相手がどんな攻撃を仕掛けてくるかわかったものではない。事実、一度は放火までされているわけだし。関脇でも立派なものではないか。十分店の宣伝にはなるだろう。商売安泰を第一に考えるなら、こういう喧嘩は買わないことだ。
- 作者: 高田郁
- 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
- 発売日: 2013/06/15
- メディア: 文庫
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