窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

TBS連続ドラマ「この世界の片隅に」第四話

出演

  • 大山蓮斗(黒村久夫、径子の長男)

粗筋

  • 前回は風景画を描いているすずが憲兵に見つかるところで終わりだったが、今回の冒頭は憲兵に怒鳴られるところから。すずは憲兵に怯えるが、サンや径子は神妙な顔をして笑いを堪えるのに必死という、こうの史代独特のユーモラスなシーン。
  • すずは体調を崩して寝込む。当初は憲兵に怒鳴られたためと思われたが、懐妊したのでは、ということから病院に行き、おめでたではなかったことがわかり、帰宅途中でりんに会いに行く。
  • この時りんがすずに「誰でも何かが足らんくらいでこの世界に居場所はそうそう無うなりゃせんよ」と告げる。このりんのセリフは本作のテーマであろう。子供がいなくても、遊女でも、この世界の片隅にちゃんと居場所はあるのだ。
  • 黒村久夫(オリジナルキャラクタ)登場。出戻ってくる時、晴美は連れて来たものの、久夫は連れて来れなかった。なんとか引き取る道を模索する径子に、自分は黒田家を継がないといけないから、黒田の家に残ると言いに来たのだ。またその話を聞いた晴美が、兄は黒田と径子で取り合いになっているが自分はそうではないと言って泣く。どこに自分の居場所を作るか、というテーマをより際立たせるために挿入したのであろう、ドラマオリジナルのエピソード。

雑感

  • 憲兵が帰ったあと、すずにスパイが務まるわけがないと笑うサンや径子に「さりげなくいろいろ言われたね……」と落ち込むすずまでがセットなのだが、最後のすずのオチが省かれたのは残念。
  • 周作が買って大切にとっていた茶碗をすずが発見。周作は「嫁になる人にプレゼントするつもりだった」と言ってすずに渡す(すずは辞退)。お椀にはりんどうの絵が描かれている。このエピソードは原作にもアニメにもあるが、りんどうの絵がりんを暗示していることに今回初めて気付いた。周作は基本的にとても優しく、温かい人だと思うが、女心がわからないのはあきれるばかり。すずとの結婚が決まった時に、この茶碗は処分するべきだった。

(2018/8/17 記)