題名 | クロール ―凶暴領域―(Crawl) |
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監督 | アレクサンドル・アジャ |
出演 | カヤ・スコデラリオ(ヘイリー・ケラー、大学生)、バリー・ペッパー(デイヴ・ケラー、ヘイリーの父)、モリファイド・クラーク(ベス・ケラー、ヘイリーの姉)、他 |
公式サイト | 映画『クロール ―凶暴領域―』公式サイト |
制作 | USA(2019年10月11日日本公開) |
時間 | 87分 |
劇場 | TOHOシネマズ日比谷(スクリーン8) |
概要
ヘイリー・ケラーは水泳の選手だが、予選タイムがイマイチで選手選考に漏れた。その時、姉ベスから「お父さんと連絡がつかない」との電話がかかってくる。ヘイリーの両親は離婚、姉は結婚して家を出、自分も大学の寮に入っており、父は一人暮らし。ちょうど超大型ハリケーンが近づいてくるとのニュースがあり、心配したベスが父に電話するも出ない、とのことらしい。
自動車で飛ばせば3時間くらいだから直接様子を見てくる、と父の家に向かう。近くまで来たところで警官に、間もなくこの地区は洪水に見舞われる可能性があり進入禁止、といわれるが、ちょっと様子を見るだけ、と制止を振り切って家に向かう。
自宅で父を探すと、地下室に大けがを負って倒れていた。既に地下室はハリケーンの影響で半ば水没しており、水かさは増すばかり。父親を引きずって脱出を試みるが、なんとその巨大なプールの中にはワニがいて、ヘイリーたちに襲い掛かってきた。父が重傷なのはワニのせいだったのだ!
雑感
- わずか87分と短い作品だが、短くて良かった。これ以上長かったら神経が持たない。十分すぎるくらい堪能した。怖かった。
- 雨、風、洪水などの自然災害に対する恐怖を描いたものと思い込んでいたが、そうではなく、これは凶暴化したワニと人間との闘いを描いたものだった。水の中で、ろくな武器を持たない人間が、複数のワニと闘って勝てるわけはないが、そこは知恵を総動員し、決死の思いで対抗していくところがすごかった。ちょっと不死身過ぎる気もしなくもなかったが……(それは言わない約束)。
- ワニが次々と人間を殺していくところが怖かった。え、この人まで死んじゃうの? というほど情け容赦がない点は「見えない目撃者」を彷彿させる。パニック映画はこのくらい容赦がない方がいいのだ。
- ヘイリーは水泳選手として自信をなくしており、一家離散になったのも自分のせいだと思い込んでいた。が、水泳選手だったためにワニの猛攻から生還でき、父の命を救うこともできて自信を取り戻していく、という設定も良かった。
アリゲーターというワニ
登場するワニがクロコダイルなのかアリゲーターなのか、気になっていた(作中では、少なくとも字幕では、明言されなかった)。エンドロールで「See you later, alligator.」という言葉が紹介されていたため、アリゲーターだとわかったが、少々不思議。というのは、玉井雪雄の「IWAMAL」という漫画で、クロコダイルとアリゲーターの見分け方として、「ワニのいる岸辺に立ってみればわかる。生きていればアリゲーター。クロコダイルだったら川に引きずり込まれる」という説明があったように、アリゲーターはいきなり人間に噛みつくほど凶暴ではないはずなのだ。
もっとも、「IWAMAL」という漫画に描かれていることがすべて正しいとは限らない。Wikipediaによれば、クロコダイルは「家畜や人を捕食することもある」、アリゲーターは「稀に家畜や人を襲うこともある」とあって、それほど差がないように読める。もちろん、Wikipediaが正しい保証はどこにもないわけだが。
このアリゲーターは近くの動物園か植物園で飼われていたものが、ハリケーンで施設が壊され、脱走してきたもの、という設定だったと思う。パニックに陥って凶暴化した、ということか。それにしてもなんでこんなに何匹もいるのだ!?
今日の英語
- I killed the one.(一匹殺した)
- See you later, alligator. After a while, crocodile.(英辞郎 on the web より)
(2019年11月17日 記)
過去記事
- 「見えない目撃者」(2019/10/21)