窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「屍人荘の殺人」

浜辺美波の魅力がすべて。

題名屍人荘の殺人
監督木村ひさし
原作今村昌弘
主題歌Perfume「再生」
出演中村倫也明智恭介、自称探偵)、神木隆之介(葉村譲、探偵の助手)、浜辺美波(剣崎比留子、探偵少女)、柄本時生(七宮兼光、御曹司)、古川雄輝(立浪波流也、チャラ男)、葉山奨之(進藤歩、パシリ)、福本莉子(星川麗花、進藤の彼女)、矢本悠馬(重本充、ホラー映画マニア)、大関れいか(下松孝子、ゴマすり女)、佐久間由衣名張純江、ヒステリック女)、山田杏奈(静原美冬、スマホを落とした女)、ふせえり(高木凛)、塚地武雅(出目飛雄)、池田鉄洋(菅野唯人、執事)、他
公式サイト映画『屍人荘の殺人』公式サイト
制作日本(2019年12月13日公開)
時間119分
劇場イオンシネマ 港北NT(スクリーン10)

概要

明智恭介は名探偵を気取っているが、事件に首を突っ込んで回るだけであまり役に立っていない。葉村はそんな明智に振り回される日々を過ごしている。一方剣崎は、自らは語らないが警察が手を挙げたような難事件を何度か解決したことがあるという。

ある日剣崎が明智と葉村をロックフェス研究会の合宿に参加を持ちかける。昨年の参加者に行方不明者がいたことを告げると明智はその気になる。

合宿では我が物顔で振る舞うOBの七宮や立浪に皆がうんざりしている。

ロックフェスになぜかゾンビが出現。次々に人間を襲い、襲われた人間はゾンビ化するというわけで、あっという間にゾンビが大量発生。合宿組は宿舎の紫湛荘(しじんそう)へ命からがら逃げ込む。合宿組とは無関係の静原、高木、出目もここに逃げてくる。翌朝、メンバーの一人が死体となって発見される……

雑感(ネタバレあり)

斬新と言えば斬新なのだろう。「密室」を作り出すためにゾンビを大量発生させるというのは。これで外へ出ることも外から誰かがしのんでくることも不可能。「雪山の別荘」に変わる新しい「クローズドサークル」というわけだ。

しかし、ゾンビが大量発生したということは、大量の人間が死んだということだ。その中には仲間である明智もいるのだ。今さら別荘の中で死体が発見されたからといって、それがナンダというのだ? 今解かなければいけないのは、その殺人事件の犯人を突き止めることではなく、なぜゾンビが出現したのか? どうしたらゾンビから逃げられるのか? 噛まれてもゾンビにならずに済む方法はないのか? といったことではないのか。

もちろんバリケードを築いた建物の中にも殺人者がいるとなれば安心してはいられないから、それはそれで切実な問題なのかも知れないが、窓やドアの外では大勢のゾンビが今にもドアを破って入って来ようとしている中で呑気に謎解きをしているというのも現実味がない。

では詰まらない映画だったのかというと、そんなことはなく、最後まで見入ってしまったのだが、その理由はと言えば浜辺美波に尽きる。浜辺の演じた剣崎比留子の造形が――顔つき、表情、仕草、しゃべり方、そうしたことのひとつひとつが――実に魅力的で、目が離せなかったのだ。

ストーリーがどうであれ、映画というのは一人の魅力的なキャラとそれを演じきれる役者がいれば成立するということを改めて認識させられた作品だ。

それにしても誰がどういう理由でゾンビを登場させたのか、最後まで不明なままだったのは気持ちが悪い。「そこが問題ではない」というのなら、注射でゾンビ菌を打つシーンなど不要で、自然発生したことにすればよかった。

配役

浜辺美波は「アルキメデスの大戦」で尾崎鏡子を演じた人。あとで調べるまでわからなかったし、今でも同一人物だとは信じがたい。あの時は若い割にずいぶん老けた顔をしているな、しかも美人は美人だけど古臭いというか昭和顔だな……などと思ったものだが、それも演技(とメイク)だったわけか。

剣崎比留子を主役でシリーズ化されないかなぁ……