窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「ラストラバー」

いわゆる自主製作映画。こういう映画を見られるようになったのは、映画そのものを見る回数が増えたからである。その意味で感慨深い。

題名ラストラバー
監督・脚本岡元雄作
出演優美早紀(松本美優)、安藤慶一(長谷部光希、美優の彼氏)、金久保マユ(松本乃々、美優の妹)、新井敬太(小西瑛太、ストーカー)、大山真絵子(橋田恵美、美優の職場の先輩)、根矢涼香(星野朋子、美優の職場の同僚)、藤田健彦(飯島晴信、美優の職場の上司)、中野将樹(金剛猛、お祓いをする寺の住職)、山口祥平(尾瀬太志、オタク)、鏑木悠利(公園のおばちゃん)、室上茂(管理人)、泉光典(運送会社社員)、他
公式サイト映画「Last Lover ラストラバー」公式サイト 1月31日~テアトル新宿他 順次全国公開
制作日本(2020年1月31日公開)
時間??分
劇場テアトル新宿(劇場1)

概要

美優は光希と仲良く一緒に暮らしていたが、ある日事故で光希が死んでしまう。落ち込む美優。その後、美優のまわりでは不可思議な現象が起きるようになる。お寺に相談しお祓いをしてもらうもあまり効果なく、美優は自分が霊感体質のため悪霊を引き寄せてしまったのではないかと悩むが、正体は光希だった。光希は美優に未練があって死に切れず、地縛霊となって戻ってきたのだ。

喜ぶ美優と再び同棲生活が始まるが、幽霊との生活は楽しいことばかりではなかった……

雑感

1月にテアトル新宿で映画を見た時に、予告編を見て印象に残り、見たいな、と思っていた。ちょうど最終日に時間が空いたので、急遽見に行くことに、会社を出る前にチケット予約をしたら、普通は後ろの座席から埋まっていくものなのに、前から埋まっていたため驚いた。こんな前では画面が見にくいだろうに……と思ったら、なんと舞台挨拶があるのだった。ナットク。*1
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恋人が死んだら誰だってショックだ。病気で、長い療養生活の果てに、とでもいうなら、覚悟ができているかも知れないが、事故で突然ともなればなおさらである。ただ、では生き返ってくれたら幸せか、といえば、難しいところだ。本当に生き返ってくれたらよいが、本作のコウちゃんの場合は地縛霊である。

美優の側からすると、とにかくキスができない、抱きしめることができない。それだけのために付き合っているわけではない、という向きもあるかも知れないが、恋人と友人や家族の一番違うところでもあるわけで、ただ顔を見て話をするだけで満たされるものなのか。

光希の側からすると、とにかくこの家から出ることができないというのはたいへんなストレスだろう。売れない役者という設定だが、いくら練習しても舞台に立つことはできない。自分の未来や将来に何の夢も持てなければ漫画を読んでいても楽しくないだろう。

美優が飯島晴信からセクハラを受けた時、そのことを光希に言わなかった。そもそも飯島と飲みに行ったことを女性の友人と飲みに行ったとごまかした。この時点では本当は嘘をつく必要はなかった。「コウちゃん聞いてよー、上司が話があるっていうから仕事の話かと思ったらいきなり口説いてきたんだよー」と話せばよかった。あとでそのことを責められた美優は、光希が心配すると思って言えなかったと答えたが、この頃から光希に頼りないものを感じ始めていたのではないか。

自分の父親は、高校生の時に死んだ。もし生き返ってほしいかと言われたら、一日だけ、あるいは2時間だけならぜひ会って、一度くらい酒を酌み交わしてみたい。でもその一日(あるいは2時間)だけで結構だ。
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映画のパンフレットは買わない主義だが、今回はもちろん購入。主演の二人にサインしていただいた。


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(2020/3/31 記)

*1:自分は舞台挨拶があると知らずに席を取ったが、わかっていてもやはり同じ席を取っただろう。自分が取った席は、舞台挨拶の時には役者さんの顔はほとんどわからなかったが、スクリーンはとても見やすかった。まあ、もし登壇するのが能年玲奈広瀬すずだったら最前列に席を確保したかも知れないが。