窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「麒麟がくる」第六回「三好長慶襲撃計画」

NHKオンデマンドによる視聴。

あらすじ

細川晴元管領であり、三好長慶はもともと晴元の家臣であるが、その存在は晴元を脅かすようになっていた。そんな矢先、三好は連歌会(れんがえ)に参加するためお忍びで京に来ていたが、それを知った晴元は三好襲撃を画策する。ところがそれを知った伊平次は十兵衛にそのことを告げ、十兵衛は松永久秀を探すが見つからなかったため三淵藤英にそのことを告げる。

三淵はいったんは断わるが、十兵衛は、将軍は武家の棟梁だ、将軍がやめろと言わなければ、世の平安は保たれないと力説。それをそばで聞いていた義輝は、松永救出に向かう十兵衛の援護を三淵・細川藤孝らに命ずる。

十兵衛・三淵・藤孝らの援護で三好・松永は助かるが、この戦で十兵衛は傷を負い、東庵宅で介護される。十兵衛と再会できた駒は喜々として看護に励む。藤孝は十兵衛に、傷が治ってもこのまま京にいてほしいと頼み、それをそばで聞いていた駒は期待に胸を弾ませるが、十兵衛は「いつか美濃をまとめることができたら、藤孝様を支えます」と答えるのみ。

そんな矢先、美濃で戦が起きたとの知らせが届く。利政が織田信秀とぶつかり、大垣城を奪還したのだ。まだ傷が癒えていない十兵衛だが、急ぎ美濃へ帰国する。病人一人で長旅は無理だと駒も同道する……

今日のお駒

「変だけれど、ちょっと楽しうございます。こうしておそばにいられるのが」

感想

「将軍は武家の棟梁」「皆が一致団結し将軍を盛り立てていかなければ」などキーになる言葉が十兵衛の口から出て来た。

都では晴元の家臣であるはずの三好が晴元と対立し、美濃では守護大名土岐氏に代わって斎藤利政が治めており、隣の尾張では信長の弟の信勝が信長に造反……するのはもう少し先だが、こうした下克上の実力主義が世間一般で当たり前のようになっている一方で、「将軍」という「権威」を奉る姿勢も残っていたことが自分の感覚では不思議。歴史ものを読む時にいつも悩まされる。ダブルスタンダードではないのかと。

美濃では、土岐氏に代わって斎藤利政が台頭したといっても、他の豪族を押さえることがなかなかできない。そのため利政もあくまで土岐頼芸を守護として立てることで美濃をまとめようとする(が、うまくいかず苦労している)というのが現実ということか。「名」と「実」の乖離は何も今に始まったことではないが、応仁の乱以降も権威がなくなったわけではないのだ。

その他雑感

  • 今回の主要登場人物は前回顔見世で出てきたため、今回初登場のキャラクターはなし。伊平次は前回と今回のみの役か。
  • 三好・松永を襲うのであれば、万里小路(までのこうじ)宅そばに潜んで帰途を狙うのが常道であって、連歌会の真っ最中に屋敷を襲うなどあり得ないのでは。それをやるなら、いくら警備の薄い公家屋敷とはいえ二十数人でできるはずもない。千人単位の軍勢が必要だろう。広い屋敷の中、どの部屋で催されているか調べるだけでも手間だし、大勢人がいれば、三好や松永が誰か見分けるのも大変だ。
  • 初回から思っていたけど、今年の明智光秀の武辺ぶりはすごいねー。やはり主人公となると違うな。
  • 駒は東庵先生に引き取られるまで、5~6歳の頃、旅芸人の一座に加わっていたことがある。この時に伊呂波太夫に世話になったということか(これを書いている時点で既に第十回を見ている)。
  • 十兵衛の帰国に駒が付いていくのを見て納得。駒は京へ帰ったはずなのに、第八回でなぜ美濃にいるのか不思議だった。
  • オンデマンド放映では紀行が含まれないのが残念。


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(2020/4/5 記)