窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「麒麟がくる」第十五回「道三、わが父に非ず」

出演

  • 長谷川純(斎藤孫四郎、利政の次男)
  • 犬飼直紀(斎藤喜平次、利政の三男)
  • 木下ほうか(織田信光、信秀の弟)
  • 有馬自由(斯波義統(よしむね)、尾張守護)
  • 松田周(斯波義銀(よしかね)、義統の子)
  • 梅垣義明(織田彦五郎、守護代・清須城城主)

あらすじ

利政は高政に家督を譲り、出家して道三と号する。

二ヵ月後の深夜、光安の屋敷に来るように言われて駆けつけると、斎藤孫四郎がいた。高政に美濃は任せられない、織田家との関係を強固なものとするためにも、高政を廃し自分が家を継ぐ、明智にはそのための力になってもらいたいと懇願する。孫四郎の背後には帰蝶がいるのだが、十兵衛は即答で断わる。高政を跡継ぎにというのは利政がよくよく考えた上でのことであろうし、二ヵ月でその良し悪しの判断はできないと。

二日後に高政に呼ばれて十兵衛が登城すると、孫四郎が明智の家に行ったこと、十兵衛にあっさり追い返されたことを高政はちゃんと知っていた。十兵衛に帰蝶のところへ行き、孫四郎にかかわりを持たないよう伝えるようにとの指示を出す。信長も帰蝶も、自分が稲葉山城の城主となったのに手紙ひとつ寄越さない。織田との盟約は見直さざるを得ないだろうが、見直すまでもなく今川・織田彦五郎にあっさりやられてしまうかも、と……

清須城にいた斯波義統は、織田彦五郎の配下の坂井大善に殺される。その子・斯波義銀は命からがら那古野城に逃げ込み、信長に助けを求める。そんな折、織田信光が訪ねて来る。応対した帰蝶に、彦五郎から碁に誘われているが清州を訪ねれば自分が寝返ったと信長に思われるから断わろうと思っていることを告げると、それはチャンスだ、碁を打ちに行った方がいいと背中を押される。

清州を訪ねた信光は、隙を見て彦五郎を殺害。信長と義銀は清州に入る。これで信長は尾張をほぼ手中に収め、近隣の国(特に、高政と今川義元)から恐れられる存在となった。

こうなると信長の後ろ盾を得て孫四郎が高政に取って代わろうとするかも知れないからくれぐれも注意するようにと稲葉良通にネジを巻かれた高政は、孫四郎と喜平次を暗殺。それを知った道三は怒り狂って高政打倒を誓う。

高政は国衆を集めて宣言する。自分は弟を殺したのではない、道三の子を殺したのだ。道三は父ではない、自分の父は源氏の血を引く土岐頼芸であると。

今日の帰蝶&信光

帰蝶「よい話ではござりませぬか。おうちになればよろしいかと。――碁を」

雑感

  • 今回は突然登場し今回限りで退場された人が多かった。それにしてもよく死んだ。
  • 帰蝶の暗躍に舌を巻く。あの可愛い顔で暗殺をそそのかすなど、並みの神経ではない。さすがは蝮の娘と言いたいが、道三よりも一回りスケールの大きな人間に育ちつつあるのではないか。
  • 孫四郎が明智家に言って話したことを高政がつかんでいたのは驚いた。うっかり口車に乗っていたら大変なことになるところだった。高政は政の実務もちゃんと執っていたようだし、決して無能ではないのだ。
  • 稲葉良通も狸で、信長が彦五郎を討ち果たしたことを聞いた道三が「我が子のように褒め称えていた」などと殊更に強調して高政に報告する。が、それにあっさり乗せられてしまうあたりが高政の限界だ。いくら口では服従を誓っても、現実には稲葉の思惑で高政は動かされているわけである。そして恐らく本人はそれに気付いていない。
  • とはいえ孫四郎はもっと間抜けで、とても美濃を任せられる人物ではない。高政を後継者と決めたのは道三なのだから、道三に願い出て跡継ぎを見直させるのが筋である。そうでなければ、高政に弓を引くということは道三とも敵対することになるのだが、それをわかっていない。また、いったん高政に引き継がれた後、何も失政をしていないのにこれを廃するのも無茶な話で、大義名分が立たなければ国衆はついてこないだろう。
  • それにしても、わが父は土岐頼芸だなどとどの口が言うか。気に入らない者をあっさり暗殺するのはまぎれもなく道三の血だ。


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(2020/5/7 記)