出演
- 中山義紘(松丸義次、阿湖の兄)
- 村田雄浩(高山宗鶴、宗熊の父)
概要
阿湖姫がいなくなったと黒羽城では騒ぎになるが、そこへ阿湖が戻って来る。阿湖から唯が捕まったことを知った忠清は救いの手を差し延べようとするが、羽木家としては姫が戻ってきたことで一件落着とする方針。下賤の者をわざわざ助けに行く必要はない、厭なら自分で逃げてくればよいのだと。
唯が女だと知っている阿湖は、唯を必死で探そうとする忠清の姿を見て、「殿は、唯之介が女であることをご存知なのですね」と確認。「私も唯之介が好きです、私のことは気にせず、何とか救出を」と告げる。
逃げている途中「(見失ったら)成之様に叱られる」と言う声が聞こえた、という阿湖の証言に背後に成之がいることを悟った忠清は、成之の住まいを訪ねる。ここで二人は真剣で斬り合うこととなるが、それはさて措き、唯が高山の城に捕らわれていることと、死んだと思い込んでいた成之の実母・久が生きていたことを知り、久を城に連れて帰る。久の世話係は吉乃が担当することに。
唯を阿湖と思い込んでいる高山は、唯を嫡男である宗熊に娶らせることとし、松丸家に文を出す。それを知った阿湖の兄・義次は阿湖の安否確認に黒羽城へ来、そこで真相を知る。忠清は父に内緒で義次に会い、結婚を承知するがその前に自分が行くから元気であることを確認させてほしいと手紙を出すよう頼み込む。
松丸から兄が来たことを知らされた唯は、会えば自分が阿湖でないことがバレると恐れ、顔を伏せて作り声で話そうとするが、兄と偽ってやってきたのば忠清その人だった……
雑感
なるほどねえ、阿湖が捕まったら問題だけど、唯が捕まっても知ったこっちゃないというわけか。忠清の命の恩人であり、警護役にまで出世したとはいえ、所詮は百姓家のせがれだもんな。当時は命には明確に値段があり、赤字になる救出活動は行なわないというわけだ。戦国時代らしくて実に面白い。
ただ、吉乃の実の息子だと認識されているわけで、吉乃は天野家の後妻、となれば唯は小平太の義理の弟。「下賤の者」などと言い切ってしまって良いのか? 吉乃が天野家に入る前ならばわかるが、この点はちょっと疑問。
成之が城を出て里で母と暮らしていたのは、成之が高山と通じていることを唯から聞いて知った忠清が城から追い出したから? それとも自ら出て行った? たまたま実家に帰っただけ? ともかく、成之は処罰された形跡がない。なぜだろう。唯の証言だけで証拠がないからか? しかし調査をしている様子もない。寛大な心で兄を許し、なんとか最終的な協力を引き出そうと考えているのか? いずれにしても、これは忠清の甘さだろう。もし羽木家が滅ぶとしたらこの甘さが致命傷になるのかも知れない。が、成之もこの忠清の態度にイラついており、振り回されている感もある。案外効果を発揮しているのか。
さて、来週は放映が休み(都知事選のためかな)で再来週に11話および最終話を一挙放映だそうである。一挙放映はいいけれど、ここまで来て一週空くのは我慢できない。
(2020/6/20 記)