窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「アシガール」SP「超時空ラブコメ再び」

これまでの中で一番面白かった。

放映日

  • 2020年7月23日

出演(TVシリーズから)

出演(初登場)

概要

TV編で高山宗熊は羽木と和睦を結んだが、父・宗鶴は納得せず、織田の家臣・相賀一成の助力を得て小垣に攻撃を仕掛ける。高山と話し合いをするため忠清は小垣へ向かう。唯もついていこうとするが、忠清に止められる。父がこれを知れば血気に逸って戦を仕掛けようとするだろう、唯は黒羽に残り、それを止めてほしいと。

高山を動かしているのは実質織田なので、話し合いは決裂、小垣は占領される。勝ち目のない戦に向かおうとする羽木本軍だが、唯に止められ、黒羽を捨て逃げることに。しかし天野信茂と千原元次は収まらず、二人だけで高山軍に斬り込む。何人かを倒すが、多勢に無勢、千原は殺される。信茂もあわやではあったが唯が煙玉で敵をかく乱させ、救い出す。

まぼ兵くんで敵の目を引き付けている間に羽木勢を隣国に逃がしたことを確認すると、唯は小垣を目指す。高山軍につかまるも、殿に会いたいと宗熊に直訴。降伏のための高山の使者という名目でなら小垣に行かせてもらう。

再会した忠清と唯はひしを抱き合う。唯の(高山からの)勧告に従い忠清は降伏を決意。唯は、今この場で結婚式をあげてほしいと頼み込む。今の自分に嫁を取ることはできないと忠清は断わるが、城代の木村から、小垣城の最後にめでたい宴を開けるならこれほど素晴らしいことはない、ぜひ華燭の典をあげなされ、そして一生分抱いてあげなされと焚きつけられ、式を挙げることに。

二人きりになると、忠清は、唯に平成の世に帰るように言う。拒む唯だが、言うことを聞けば自分も決して死なないという忠清に、唯は従わざるを得なかった……

雑感

とにかく忠清が素敵過ぎる。羽木家のこと、領民のこと、唯のこと、いろいろに思いを巡らせ、最善の判断をする。これほどできた人間はいない。おまけに唯を見つめる目には……こっちもきゅんきゅんしてしまう。現代パートで、高校の制服を着て(着させられて)唯とデートするところ、おまけに唯の自転車を奪って一人乗ってしまい、唯に走らせるところなど、やさしいんだか冷たいんだか。萌ポイントである。

唯はいろいろと考えの足りないところもあるが、とにかく一途で一所懸命である。その上、若君やおふくろさまなどの言うことをきちんと聞き、受け入れる素直さがある。だからこそ唯の言葉に忠高までが耳を傾けるようになるのだろう。それにしても唯を叱る吉乃は立派で、天野信近はいい嫁を娶ったと鼻が高いのではないか。

行けに投げ捨てたはずのタイムマシン起動スイッチを忠清が拾っていたというのも可愛いが、水にぬれた精密機械が正常動作するとは思えない。その上、あと一回使ったら終わりのはずのタイムマシンを、未来の尊に改良・増強させてるなど、その手が使えるなら何でもありになってしまうが、そこは覚と美香子が完全にギャグにしてくれたので、まあそれはそれでいいだろう。

忠清の命を救うために平成に連れてきた唯だが、この世にいては忠清としての生を全うすることはできないと思い知り、戦国に戻らせること、そして自分も付いていくことを改めて決意して物語は終わる。まあ、これしかないだろうし、悪くない終わり方である。

ただ、忠清が家族や領民を捨ててただ一人平成の世に来て唯とイチャイチャして過ごしたとしても、忠清としての生を全うできない、本当の幸せはない、というのは事実だろうが、同様に、唯が家族や将来を捨てて忠清についていったところで、そこに唯の本当の人生はあるのだろうか。わずかの期間にすっかり戦国の世に馴染んできているようだが、一生豚肉も牛肉も食べることができない、具体が悪くなってもろくな薬もない、スマホがない、水洗トイレがない、タンポンがない、コンドームがない、そんな世の中に本当に我慢できるのか。ケチをつけるわけではないが、時代を超えた恋は悲劇しか生まないと思う。だからこそ、悲しくも美しいのだ。


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