これまでの中で一番面白かった。
放映日
- 2020年7月23日
出演(TVシリーズから)
- 黒島結菜(速川唯/唯之助)
- 古舘寛治(速川覚、唯の父)
- 中島ひろ子(速川美香子、唯の母)
- 下田翔大(速川尊、唯の弟)
- 伊藤健太郎(羽木(はぎ)九八郎忠清)
- 石黒賢(羽木忠高、忠清の父)
- イッセー尾形(天野信茂、羽木家重臣)
- 飯田基祐(天野信近、信茂の子)
- 金田哲(天野小平太、忠清の近習)
- 升毅(千原元次、羽木家重臣)
- 松下優也(羽木成之、忠清の兄)
- 田中美里(久、羽木成之の母)
- ともさかりえ(吉乃、天野信近の妻・唯之助の養母)
- 正名僕蔵(木村政秀、小垣城城代)
- 川栄李奈(松丸阿湖、松丸家の姫)
- マックス(悪丸)
- 本田大輔(如古坊)
- 村田雄浩(高山宗鶴)
- 加藤諒(高山宗熊)
- 森優作(あやめ、猿楽一座の人間)
出演(初登場)
- 西村まさ彦(相賀一成、織田信長の家臣)
概要
TV編で高山宗熊は羽木と和睦を結んだが、父・宗鶴は納得せず、織田の家臣・相賀一成の助力を得て小垣に攻撃を仕掛ける。高山と話し合いをするため忠清は小垣へ向かう。唯もついていこうとするが、忠清に止められる。父がこれを知れば血気に逸って戦を仕掛けようとするだろう、唯は黒羽に残り、それを止めてほしいと。
高山を動かしているのは実質織田なので、話し合いは決裂、小垣は占領される。勝ち目のない戦に向かおうとする羽木本軍だが、唯に止められ、黒羽を捨て逃げることに。しかし天野信茂と千原元次は収まらず、二人だけで高山軍に斬り込む。何人かを倒すが、多勢に無勢、千原は殺される。信茂もあわやではあったが唯が煙玉で敵をかく乱させ、救い出す。
まぼ兵くんで敵の目を引き付けている間に羽木勢を隣国に逃がしたことを確認すると、唯は小垣を目指す。高山軍につかまるも、殿に会いたいと宗熊に直訴。降伏のための高山の使者という名目でなら小垣に行かせてもらう。
再会した忠清と唯はひしを抱き合う。唯の(高山からの)勧告に従い忠清は降伏を決意。唯は、今この場で結婚式をあげてほしいと頼み込む。今の自分に嫁を取ることはできないと忠清は断わるが、城代の木村から、小垣城の最後にめでたい宴を開けるならこれほど素晴らしいことはない、ぜひ華燭の典をあげなされ、そして一生分抱いてあげなされと焚きつけられ、式を挙げることに。
二人きりになると、忠清は、唯に平成の世に帰るように言う。拒む唯だが、言うことを聞けば自分も決して死なないという忠清に、唯は従わざるを得なかった……
雑感
とにかく忠清が素敵過ぎる。羽木家のこと、領民のこと、唯のこと、いろいろに思いを巡らせ、最善の判断をする。これほどできた人間はいない。おまけに唯を見つめる目には……こっちもきゅんきゅんしてしまう。現代パートで、高校の制服を着て(着させられて)唯とデートするところ、おまけに唯の自転車を奪って一人乗ってしまい、唯に走らせるところなど、やさしいんだか冷たいんだか。萌ポイントである。
唯はいろいろと考えの足りないところもあるが、とにかく一途で一所懸命である。その上、若君やおふくろさまなどの言うことをきちんと聞き、受け入れる素直さがある。だからこそ唯の言葉に忠高までが耳を傾けるようになるのだろう。それにしても唯を叱る吉乃は立派で、天野信近はいい嫁を娶ったと鼻が高いのではないか。
行けに投げ捨てたはずのタイムマシン起動スイッチを忠清が拾っていたというのも可愛いが、水にぬれた精密機械が正常動作するとは思えない。その上、あと一回使ったら終わりのはずのタイムマシンを、未来の尊に改良・増強させてるなど、その手が使えるなら何でもありになってしまうが、そこは覚と美香子が完全にギャグにしてくれたので、まあそれはそれでいいだろう。
忠清の命を救うために平成に連れてきた唯だが、この世にいては忠清としての生を全うすることはできないと思い知り、戦国に戻らせること、そして自分も付いていくことを改めて決意して物語は終わる。まあ、これしかないだろうし、悪くない終わり方である。
ただ、忠清が家族や領民を捨ててただ一人平成の世に来て唯とイチャイチャして過ごしたとしても、忠清としての生を全うできない、本当の幸せはない、というのは事実だろうが、同様に、唯が家族や将来を捨てて忠清についていったところで、そこに唯の本当の人生はあるのだろうか。わずかの期間にすっかり戦国の世に馴染んできているようだが、一生豚肉も牛肉も食べることができない、具体が悪くなってもろくな薬もない、スマホがない、水洗トイレがない、タンポンがない、コンドームがない、そんな世の中に本当に我慢できるのか。ケチをつけるわけではないが、時代を超えた恋は悲劇しか生まないと思う。だからこそ、悲しくも美しいのだ。
- 発売日: 2019/04/02
- メディア: Blu-ray