窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「私の家政夫ナギサさん」第六話

サブタイトル

  • 「おじさんの私生活調査開始! 敵の恋心も急加速!?」

放送日

  • 2020年8月11日

出演

概要

公式サイトより転記:

ナギサさん(大森南朋)が実は自分と同じMRだったことを知ったメイ(多部未華子)は、ナギサさんの過去にますます興味を抱く。しかしナギサさんは私生活については一貫して秘密主義を貫き、謎のまま……あの手この手でナギサさんの私生活を暴こうと、ついには尾行を決行! すると、いつもとは違うナギサさんの表情に出くわす。

一方、メイのことが気になる田所(瀬戸康史)は、ナギサさんが本当にメイの父親なのかと疑心暗鬼になっていた……。

新プロジェクト

新しい薬の認可がおり、天保山製薬は横浜支店でもプロジェクトチームを作って販売に乗り出す。また、1 on 1 ミーティングを取り入れることに。それらをメイはすべて上司として、リーダーとしてこなさなければならない。そこへ天馬あかり(第一話から出演していたがこれまでは目立った役どころではなかった)が大手の病院から説明会のアポを取って来る。これが成功すれば新規販売第一号だ! 張り切って準備をするが、時間が足りない……

陶山の恋の行方

薫は田所をデートに誘い、水族館へ行く。が、田所は「あのペンギン、相原さんに似てますね」とか「相原さん、年上の人と付き合ってるんじゃないですか」とか、相原の話ばかり。「メイのことが気になるんですね」「は、はあ」「田所さんのそうした嘘が付けないところ、私は好きですよ。でも、私には残酷です」といって帰って来てしまう。

一部始終をメイに伝えた薫は、もしメイが田所さんのことが好きなら、今がチャンスだよ、応援する、と告げる。

今日の宣伝

コースター? 箸立て?
f:id:chd:20200814003623j:plain

今日の北斗の拳

メイがナギサの家に行くことを、カサンドラの扉を開けることに喩えていた。

雑感

前回は笑える感動回だったが、今回は登場人物が片っ端からストーカーになるという、かなり後味の悪いドラマだった。

ナギサの前職が業界最大手の製薬会社で、自分と同じMRだったことを知ったメイは、どのように仕事をしていたのか、なぜ辞めたのかなど、いろいろと知りたくてたまらないが、本人に聞いても「昔のことですから」と語ろうとしない。私はナギサさんのことを何も知らない、ナギサさんは秘密主義だ! と憤る。

しかし、ナギサは家政夫として雇った(だけの)人だ。得意な料理や緊急連絡先などは聞いてもいいだろうが、前職のこととか家族がいるのかとか、全く仕事には関係ない話だ。そんなことを訊ねるだけでアウトだが、教えてくれないと、こっそりあとをつけ、見つかると病気を装ってナギサの家に上がり込むという荒業に出たメイは、頭がおかしいのではないか? さらにナギサの鞄の中から日記帳(らしきもの)を見つけ、手に取ったところでさすがに温厚なナギサの逆鱗に触れ、私、やり過ぎちゃった? とつぶやくが、とっくの昔にやり過ぎている。*1

そのナギサも、メイの仕事が忙しくなりそうだとわかると、食事はちゃんと取ること、遅くても午前0時には寝ることを無理やり約束させ、夜中に、食事は済ませましたか、早く寝てくださいねとメールしてくる始末。さらにメイの家に行く日、契約では22時までのはずなのに、メイが0時を過ぎて帰宅すると、まだナギサがいた。メイのことが心配だからと言うナギサに、メイは、そんなことまで頼んだ覚えはありません、と部屋を追い出す。このときのナギサの異常さは、閾値を踏み越えるなどというレベルではなく、表沙汰になればNTSクリーンハウスが潰れかねない行為だ。*2

ナギサの作った夕食を食べに来た美登里と唯が、ナギサと一緒にメイの家を辞すると、田所とすれ違う。田所は挨拶をし、美登里がメイの母であることは確認するが、美登里とナギサが夫婦であるようには見えず、こっそり引き返してあとをつける。そうすると途中でナギサが二人と別れて別方向へ歩き出すので、怪しい、彼はやはり相原さんの父親ではないのでは……と呟くんだが、引き返してあとをつけるということがキモイ。田所は、そうした自分の行為に疑問を感じなかったんだろうか?

ついでに言うならば、ナギサの前職がMRであると知ったメイは、なんでMRを辞めて家政夫なんかに? と思う。当初は家政夫という職業を下に見ていたメイは(美登里もだが)、ナギサと付き合ううちに、この仕事の大切さを知り、ナギサを、そして家政夫という仕事をリスペクトするようになったのではなかったか。忙しいMR職を続けながら、どうやって家事スキルを身につけたのか、ナギサさんてスゲエ、と考えるのではなく「家政夫なんか」と言ってしまうあたり、家政夫に対する差別意識は何も消えていなかったことが判明。ガッカリ。

美登里や唯の突撃晩ごはんも、自分で押し付けておいて、せっかくアポを取ってきたと思ったら、無理みたいだからキャンセルしましょなどと言ってしまう古藤も、ひどいなあと思うが、今回は周囲がひど過ぎて気にしていられないレベル。そんな中、陶山薫の男前っぷり*3が唯一の清涼剤だった。



映画ランキング

(2020/8/13 記)

*1:メイが、病院の医師を訪ね、薬の説明をしようとした時に、相手の医師が「相原さんって結婚してるの? 独身? 彼氏はいる? いない? どんな人が好みなの?」と訊いてきたら「いい加減にしてください」と言いたくならないか? でも客相手に文句も言えないから、笑顔で話を逸らそうとしているのに、「相原さんて秘密主義ですね」と言われたらどう思う? メイがナギサにしているのは、そういうこと。

*2:独身女性の部屋に、いい歳をした男が、約束の時刻を2時間以上過ぎても居座ったまま、帰ってくれないのだ。いくら顔見知りでも、恐怖ではないか? 警察を呼ばれてもおかしくないレベルだ。ナギサには実は余罪がいろいろある。メイが熱を出した時、朝まで部屋にいたり、いくら誘われたからといってもたびたびメイの家で食事をしたり酒を飲んだりしているわけで、勤め先にバレたら、ナギサは解雇、NTSクリーンハウスも業務自粛一ヵ月、くらいのことにはなるんじゃないか。

*3:女性に対する褒め言葉として「男前」と言うのは、PC的にはアウトだろうと思うし、あまり使いたくない表現なのだが、他に適切な形容詞を思いつかない。今回の陶山のような態度に対して、何と言うのが適切なんだろう?