窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「大豆田とわ子と三人の元夫」第七話

放送日

  • 2021年5月25日

出演

あらすじ(公式サイトより)

かごめの一件から一年、とわ子は自宅で一人暮らしを始めていた。高校に進学した唄が、通学しやすい旺介の家に引っ越したからだ。娘がいない寂しさを抱えながらも、生活を楽しもうと試行錯誤するとわ子は、ある日、公園で“謎の男”と出会う。

そんな中、とわ子はしろくまハウジングのオーナーが外資系ファンドに会社の株を売却しようとしていることを聞かされる。もし会社が外資の傘下になって利益重視の経営に変わると、コスト削減のために人員整理が行われるかもしれない。会社としてのこだわりや職人気質の社員たちを守るためにどうすればいいか悩むとわ子を心配し、慎森、鹿太郎が続けざまにとわ子のマンションを訪れる。一方、八作はレストランの仕事を休み、一人で旅に出ていた。

後日、唄への届け物のために外出したとわ子は“謎の男”と偶然再会する。夢中になれることや仕事についての会話で徐々に打ち解けていく二人だったが、ひょんなことから話題はかごめのことに。すると、とわ子の口から、ずっと胸に秘めていた親友への思いが止めどなくあふれていき……。

あらすじ(上記の続き:ネタばれあり)

“謎の男”のやさしさにほだされ、恐らくこれまで誰にも言えないでいたかごめへの思いを語るとわ子だった。一方、買収を完了したマディソンパートナーズからやってきた幹部は“謎の男”だった。彼、小鳥遊(たかなし)は、しろくまハウジングはコストを度外視した設計を止めて量産できる低価格住宅に特化し、人員削減を推進すべきと主張。抵抗するとわ子に対して、パワハラがあったとしてクビをにおわせた。

その後、公園で小鳥遊と再会すると、彼は親しげにとわ子に話しかけてくる。私をクビにしようとしたくせに、というとわ子に、あれは仕事でしょ? プライベートは別ですよ、とうそぶく。

雑感

第五話ではあきれるくらい公私混同する社長が登場したが、今回は唖然とするほど仕事をプライベートを分ける男の登場である。とわ子と親しくなった時の“謎の男”は、顔がいいだけでなく、本当にやさしさにあふれていて、とわ子の気持ちを受け止めてくれた。とわ子の気持ちになって、なんていい人なんだ、これがとわ子のシーズン4か、と思って見ていたのは僕だけではないに違いない。

ところで、慎森はなぜ仕事をしないのだ。とわ子はなぜ慎森に仕事をさせないのだ。とわ子を慰めたり、愛を語ったりしている場合ではない。顧問弁護士が腕を振るうのは今でしょ?

打ち合わせの席でとわ子らが何を言ってもマディソンパートナーズ側は聞く耳を持たないが、彼らはもともと意見を交換し、妥協点を見つけ、協力してやっていこう、とはこれっぽっちも考えてはいない。形式的に話し合いの場を持ってはいるが、株式の51%を押さえている以上、彼らの主張は100%通るし、とわ子の首も彼らの判断次第なのは当然だ。

だから、オーナーが外資系ファンドに株を売ろうとしているとの情報をつかんだ時点で、オーナーを説得すべきだったのだ。売却されたあとでは、何を言っても無駄だ。

そもそも一年前のイベント企画会社「ヴイゲード」との一件で大きな負債を負ってしまい、まだ返し切れていないことが株式会社売却の一因だという。どういう結末になったのかわからないが、仮に契約前であっても、これまで行われた打ち合わせやその時の議事録、社員の証言をもとに、「ヴイゲード」側に賠償を求めることはできたのではないか? 初めての取引相手なのに、正式な契約前に資材を発注してしまったしろくまハウジング側にもミスはある。だからといって100%の責を負わなければいけないということもないはずだ。恐らく、門谷社長のやり方は業界内でも不信を買っているはずで、腕のいい弁護士がつけば損をすることはなかったはずだと思う。そのことを、とわ子と慎森にはもう一度深く考えてもらいたいものだ。

小鳥遊は当然の仕事をしているに過ぎず、とわ子らが敵対する相手ではないと思うのだ。
(2021/6/4 記)


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